竹下登の発言 (本会議)

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○国務大臣(竹下登君) まず、私に対する御質問は、財政特例法の制定は六年間続いた、財政法の精神の侵害ではないかと。
 これは先ほど総理からのお答えもございましたとおり、御指摘のように、財政法第四条は、財政運営上公債発行についての重要な原則であると考えております。したがいまして、現在のような特例公債に依存する財政からできるだけ早く脱却して、建設公債の原則のもとに運営される財政に復帰したいと、このように考えております。したがって、近年異常な事態のもとで特例公債の発行が続いておるからといって、財政法第四条を改正しなければならないとは考えておりません。
 次は、サマーレビューを続けるかと、こういうことでございます。
 財政再建を進め、財政の対応力を回復することは緊急の課題であります。そのため、五十五年度予算編成に当たりましては、早期の段階からいわゆるサマーレビューを行いまして歳出の見直しに努めたところでございます。しかしながら、財政再建はいまだ緒についたばかりでありまして、今後とも歳出全般にわたる各般の経費について節減合理化努力を払ってまいらなければならないことは言うまでもありません。
 したがって、本年も、このような観点から早期の段階より、既存の制度、慣行の見直し等を含めて節減合理化方策の検討に取り組んでまいりたいと考えております。しかも、これは国会の四党の合意といたしまして、補助金の整理合理化についてはサマーレビューを行うべしとの御指摘もございますので、これを引き続き行っていくつもりであります。
 次が、五十五年度予算は財政再建の第一歩とは言えない、どういう意味かと、こういうことでございます。
 まず、これにつきましては、公債発行予定額を前年度当初予算より一兆円減額したということ、そしてその結果、公債依存度が三九・六%から三三・五%へと六・一ポイント引き下げられたということが一つであります。
 そして、次には、歳出規模につきましても、一般会計全体で一〇・三%増、国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出では五・一%増と、最近二十年間で最も低い伸び率にとどめたということが第二であります。
 また、三番目には、行政の簡素化、効率化を進めるために、行政管理庁を中心として特殊法人等の統廃合が行われますとともに、財政当局といたしましては補助金等の整理合理化を精いっぱい行ったと、こういうことであります。
 このように、公債の増加傾向に明確な歯どめをかけて歳出規模について極力抑制を行った、そして行政改革計画を示し得た、これによって財政再建の第一歩を踏み出したという御理解がいただけるのではなかろうかと思っております。
 しかし、財政再建の道はいまだ緒についたばかりであります。今後とも、国会決議にもございますように、歳入歳出両面を通じて幅広い角度から財政再建の手だてを考えていかなければならないということは事実であります。
 次が、国債の消化の見通しがきわめて不安ではないか、こういう御指摘でございます。
 五十五年度も五十四年度に引き続きまして環境としては厳しいものがある、これは認識は一致いたしております。五十五年度の発行予定額は、五十四年度当初に比べて一兆円圧縮されたということ、そして民間消化分も五十四年度当初に比べて二兆円圧縮いたしました。したがって、円滑な消化が何とかできるのではなかろうかというふうに考えておるところであります。
 次が、新規政策も盛り込んだ財政計画を早く出せと、こういうことであります。
 いわゆる財政計画の検討作業につきましては、昨年七月の財政審の特別部会中間報告を受けまして、各省庁との勉強会、検討会を重ねながら作業を進めてきておりまして、現在五十五年度をベースとする後年度負担額推計作業に取り組んでいるところでございます。ただ、何分このような検討作業はわが国では初めての経験でございますし、技術上の困難のほか膨大な作業量を伴うこと、そして各省庁の御理解を得ることは欠くべからざる要件であります。したがいまして、実に一つ一つステップを踏みながら試行を重ねながら進めていく必要がある、このように考えております。
 しこうして、作業整理のめどでございます。当面、本年末までを努力目標として問題点の整理を進め、とりあえずそれまでの作業成果の取りまとめを行ってみたいと考えておりますが、正直申しまして、どこまで問題点の整理が進むのか、具体的にどのようなものを試作し得るのか、めどは現時点では立っていないということが事実であります。したがって、いまの段階で何月何日までにお約束いたしますという言葉を使う状態にはありません。
 次に、後年度負担の財政計画でございますが、これは将来の具体的な新規政策までを織り組んだ財政計画の策定ということになりますと、変動の大きい社会経済情勢を前提とした場合、実際問題として非常にむずかしい問題であります。さしあたっては、いきなり将来の政府、国民を拘束するような財政計画を目指しますよりも、現状に立脚してこれを将来に投影した後年度負担額推計がまずできますならば、それはそれなりに重要な判断材料を御提供することになるのではないかというふうに考えております。
 欧米諸国の経験等に照らして考えてみまして、わが国におきましても少なくとも当面は後年度負担額推計を基本とする財政計画を目指すべきものであるというふうに理解をいたしておるところであります。
 予算補助について御指摘がございました。
 補助金等の整理合理化に当たりましては、サンセット方式を積極的に推進すること、これは私どもも同感であります。特に五十五年度におきましては新規補助金等について原則として五年以内の終期を設定したという事実でございます。次に、五十五年度において新たに終期を設定したものが六百六十七件であることはすでに公表しておるところでありますが、これらについては、終期到来時に確実に見直しが行われますよう所要の措置を講じてまいりたいと思っております。
 それから財投の不用額、これは総理からお答えがございました。
 確かに、五十三年度は、繰り上げ償還がございましたり、また住宅公団の建設計画の再検討がございましたり、多額の不用額を生じたことは事実であります。
 五十四年度はこれは大幅に減少する見込みでありますが、五十五年度計画におきましても、原資面での制約が非常に厳しいというところからも、財政投融資対象各機関について事業の内容を見直しますとともに、資金需要の実勢等を十分勘案したところでありまして、資金の効率的配分に遺憾なきを期しておるつもりでございます。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
   〔国務大臣宇野宗佑君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 109115254X00819800331_013

発言者: 竹下登

speaker_id: 22013

日付: 1980-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議