竹下登の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 まず、私に対する御質問の第一点は、財政再建のための行政改革、補助金の整理、これに対応する姿勢がまだまだ不十分であると、こういう御指摘でございます。
 五十五年行政改革計画、これがいま決まりました。そうして、先般二十八日にはブロック機関についての整理方針が決定いたしました。これから地方支分部局等々、行政管理庁を中心に第三弾がいま準備されておる。したがって、行革につきましては、華々しく花火を上げるというよりも、実行可能なところから着実に手をつけていく、こういう方針であります。
 補助金につきましては、これは今年度はとにかく入るをはかって出るを制するというよりも、まず出るを制するという基本姿勢に立って予算編成に当たりました。したがいまして、五十五年度以降四年間に、既定の補助金等の件数は少なくとも四分の一を整理するという内容のもとにおきまして、まさに四党の合意事項でもあります補助金等の整理統合についてサマーレビューを行えと、そういう精神に沿って、一層厳しく作業を進めていきたいと考えております。
 それから次は、財政再建の財源調達の課題であります。
 総理からお答えがございましたが、何といたしましても、本院で決議されました五十四年十二月二十一日の国会決議というものがございます。この御指摘の趣旨に沿って、今後各方面の御意見を伺いながら、歳出歳入を通じ幅広い観点から財政再建の進め方について検討をしてまいりたい、このように考えております。
 そして、国債依存度のことにつきまして、諸外国は、石油ショック直後に大幅な財政赤字を計上したが、その後それぞれ財政の健全化に努力してきておるとの御指摘は、そのとおりであると私も思います。
 わが国の場合は、これまた総理からお答えがございましたが、石油ショックを契機とする経済の停滞、そうしてそれによる税収の伸びがはかばかしくなく、景気の回復のために公共事業を中心として財政が積極的役割りを果たす必要があったこと、これは御理解をいただけることと思います。
 そうして、第二番目に、高度経済成長期に引き上げられました福祉とか教育とか行政サービスの水準、これは税収の伸びがいかに鈍化してもこれを直ちに圧縮することは困難で不適切だという考え方でこれの水準を維持してきたと、そこにも赤字が生じた理由があります。
 政府といたしましては、大量の国債発行から速やかに脱却していきたいと、その趣旨によって今年度一兆円の減額をして財政再建の第一歩のしるしとしたところでございますが、何としても五十九年度には特例公債依存から脱却するということを目標としてこれからも努力を続けていきたいと、このように考えます。
 国債消化がむずかしくなっているが、五十五年度の国債消化の方策を問うと。
 確かに、五十五年度も五十四年度に引き続いて厳しい環境でありますが、五十五年度の発行予定額は五十四年度当初に比べ一兆円圧縮されておりますし、それと、とにかく民間消化分も五十四年度当初に比べますと二兆円圧縮されておりますので、円滑な消化が何とかできるものではないかと、これからの大きな努力の必要とするところであります。
 したがいまして、今後とも、市場の動向でございますとか投資家のニーズを勘案いたしますとともに、特に国債残高の累増、流通市場の拡大の実情に配意しながら国債管理政策の適切な運営に努めますとともに、具体的な国債発行に当たりましては、そのときどきの市場の動向、資金需給の繁閑等を十分考慮しながら円滑な消化に努めたいと思います。先般来、国債整理基金でオペをやっておりますが、これも一つの方法であります。
 それから国債を無理に消化すればマネーサプライの増加の心配があると。
 そのとおりでございます。この点につきましては、まさに金融情勢、資金需要等を十分配慮して対応しなければならないことであります。金融機関引き受けの形で国債を発行いたしますと、その代わり金が民間に支払われたときにマネーサプライの増加につながる場合もありましょう。こうした事情をも基本的に踏まえて、そこで全体としてのマネーサプライの増加が行き過ぎることのないように適切な金融政策の運営に今日も努めておるところでありますが、五十五年度につきましても御指摘のような懸念の生じないように金融政策運営全体で厳しい対応をしていかなければならないと考えております。
 それから財政再建法の問題でございます。
 これは総理からもお答えがございましたが、確かに一つの考え方であります。しかし、いま、政府といたしましては、立法を考えるということではなく、むしろ財政再建の進め方についての国民的コンセンサスを得ながら着実に努力を積み重ねていきたい、これが基本的な考え方でございます。法律をつくらなければできないという性格のものではなく、政府としては国民の皆さん方の理解と協力を得まして引き続き財政再建のための努力をしていくということが実際的効果の上がるものではなかろうかと、このように考えております。
 以上をもってお答えといたします。(拍手)

発言情報

speech_id: 109115254X00819800331_020

発言者: 竹下登

speaker_id: 22013

日付: 1980-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議