丸谷金保の発言 (予算委員会第二分科会)
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○丸谷金保君 前回決算委員会でも御質問申し上げました拘束契約の問題について、具体的な事例で御所見を伺いたいと思います。
東芝マレーシアという東京の東芝の現地法人がございますが、これがこちらの海外技術者研修協会に参っておりました使用人オンさんという方ですが、この方がやめたことに対して訴訟を提起して、契約違反ということで、現在、クアラルンプールですが、マレーシアの方で争われております。その件についてなんですが、実はその契約書と訴状を拝見いたしますと、大変どうもこういうことがいいのかなということでございます。
詳しく説明いたしますと、被告のオンさんというのは、一九七七年五月十六日の文書によると、要するに日本における研修の完了した日から東芝マレーシアに三年間勤務をするということで同意をしておるわけです。ところが被告は、研修コースを予定どおり終了して一九七七年十一月十七日に帰国、原告の会社に雇用された。一九七八年八月九日に契約に違反したとして退職をしております。これに対して東芝マレーシアから、マレーシアドルで四千四百八十七ドルの金額及びそれに対する金利、訴訟費用を支払えと、こういう訴状でございます。訴状は英文ですので、いま概略したためたものを。
それで、この訴状による契約を見ますと、研修期間の途中でもし研修生自身が会社あるいは国の信用を失墜させるような不行跡をしたり、また勉学に対し怠慢であったり無関心であると会社が判断した場合には、会社の絶対的な自由裁量によって研修を打ち切り、研修生はこの協定に盛られた特典を請求することができない、こういう条文がございます。さらに、同じく本人が勤続を同意した三年の間に不行跡、怠慢、無関心の理由で会社から解雇されたときにも、かかった費用を返さなきゃならない、こういうふうなことになっております。これは要するに会社が一方的に解雇することもできますし、それから本人がやめた場合もできると。その怠慢であるとか無関心であるとかというふうな理由というのは会社側が決めるわけです、すべて。日本と違って労働法規が非常にいろいろまだ完備されておりませんので、ほとんど会社側の意向で決められる、労働条件、給料。一番の問題は、私は東南アジア各地で日本の企業に対するいろんな批判の声を聞くのは、一つには待遇の問題でございます。それからもう一つは、非常に現地に出向く日本人が現地となじまないと。いろいろな理由もありますが、そういう中でこういういわゆる拘束契約をつけることは、せっかく国が七五%も出した研修協会の意義がなくなってしまうのではないか。これについては、前回も申し上げましたように、いろいろ通産省及び研修協会の方でもこれは好ましくないのだ、外務大臣もそういう点では好ましくないという、少なくとも日本の国内法としてはこういう拘束契約というのは好ましくないということはそれぞれ御確認をいただいているのです。ただしかし、これは日本の国内でございませんから、直接的に日本の国内で好ましくないからどこの国も好ましくないと、いきなり持っていけることではないと思います。しかし、そうは言っても、少なくとも日本の現地法人、しかも、それから送られてきて国の予算でめんどうを見る研修生、これについてこういう不当な拘束契約をつけるということは大変日本の国益の全体からいっても決してプラスになることでないんじゃないか、かように思いますが、いかがでございましょうか。