正示啓次郎の発言 (予算委員会第二分科会)
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○国務大臣(正示啓次郎君) けさ寄りつきは二百五十六円、いま私の方へ報告がございました。きのう来の為替市場の状況、本当にわれわれとしてはちょっと予想外の事態でございます。この前大木委員からいろいろ日本銀行総裁等にも御質問がありましたが、日本銀行としては、バーゼルの会議でアメリカを初めとする主要国の金融最高責任者とも会いまして、いわゆる金利引き上げ競争というものの弊害、こういうことについて十分お話し合いをいたしまして、日本としては最高の九分というところへ公定歩合の引き上げをやった。それで金利の天井感が出るというふうなことも期待され、それがまた円レートにもよい影響を及ぼすということをわれわれは内々もう全部そういう期待を持っておったことはそのとおりだと思うんです。しかるに、その後アメリカは公定歩合の引き上げはやりませんでしたけれども、プライムレートが上がっておるわけで、これは日本なんかとちょっと違うわけで、アメリカではプライムレートの方が先行してそこで金利水準が決まっていく、こんなような関係になっておることはもうすでに御承知のとおりでございます。しかし、これに対しまして西ドイツなりスイスはあえて公定歩合の引き上げは差し控える、こんなような非常に冷静な対応を示しておられるわけでございますから、まさかこんなような事態に発展していくというふうには考えなかったわけでございますが、しかし、いまこういう事態が展開しておりますので、大木委員は、もっと思い切った金融政策あるいは為替政策というようなことが必要ではないか、こういう御意見のようでございますが、私は、いま恐らく日本銀行、大蔵省ではそういうふうな点も十分いろいろ考えてはおると思いますが、さしづめ一番大事なことは、この前大木委員も非常に強く主張されましたように、国際協調、これが非常に大事だと思うんです。幸いスイスとの間に二千億円というんですか、これは規模は小そうございますけれども、具体的にそういう取り決めも行われておるようです。もう一つのファクターとしては、日本の外貨準備が二百億ドルを割るというふうなことが報道されますと、これがまた若干円に対する弱気の判断の材料になっていくというようなこともありますから、私は、やっぱりそういう点はあわせてこれから為替政策というものは心配なくやっていくんだと、これはやっぱり国際協調によってそういう保証が与えられていくんだろうと思うんですが、そんなようなこともただいま具体的にやっておられると思うんです。
それから、もう一つは、私ども前から申し上げますように、いよいよ予算も参議院で御承認をいただいて成立する、ここで一体財政政策をどういうふうに展開していくか、四月、五月という非常に大事な物価、一種の非常時、物価の正念場というふうなことが言われておりますが、ここでやはり財政政策について本当に物価危機を乗り切るという決意を込めた決定が大蔵省を中心といたしまして関係省庁との間に話し合いをつけて発表せられる、こんなようなことで財政、金融政策の物価非常時突破、物価正念場を切り抜けていく決意のほどが示されていくんじゃなかろうか。したがって、いまここで急にどうこうということよりも、いままで懸案となっておったような問題を着々やると同時に、国際的な一種の思惑的なものがあるとすれば、それを払拭するようにじみちな努力をすることが非常に大事ではなかろうか、こんなような感じを持っておるわけでございます。