予算委員会第二分科会

1980-04-02 参議院 全71発言

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会議録情報#0
昭和五十五年四月二日(水曜日)
   午前十時一分開会
    —————————————
   分科担当委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     佐藤 昭夫君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     渋谷 邦彦君     中尾 辰義君
     佐藤 昭夫君     渡辺  武君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    主 査         栗原 俊夫君
    副主査         成相 善十君
    分科担当委員
                浅野  拡君
                金丸 三郎君
                安田 隆明君
                大木 正吾君
                中尾 辰義君
                井上  計君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       正示啓次郎君
   政府委員
       経済企画政務次
       官        堀内 俊夫君
       経済企画庁長官
       官房長      山口 光秀君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   吉岡 博之君
       経済企画庁調整
       局長       井川  博君
       経済企画庁調整
       局審議官     廣江 運弘君
       経済企画庁国民
       生活局長     小金 芳弘君
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       経済企画庁総合
       計画局長     白井 和徳君
       経済企画庁調査
       局長       田中誠一郎君
   説明員
       国土庁土地局土
       地政策課長    渡辺  尚君
       大蔵省国際金融
       局企画課長    関   要君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和五十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和五十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和五十五年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)
    —————————————
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栗原俊夫#1
○主査(栗原俊夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨日、丸谷金保君が分科担当委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が分科担当委員に選任されました。
 また本日、渋谷邦彦君が分科担当委員を辞任され、その補欠として中尾辰義君が分科担当委員に選任されました。
    —————————————
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栗原俊夫#2
○主査(栗原俊夫君) 昭和五十五年度総予算中、経済企画庁所管を議題といたします。
 それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。大木正吾君。
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大木正吾#3
○大木正吾君 大分企画庁関係で物価問題をやってきましたから何ですが、分科会ですから少し砕けた話をぜひ聞かしてほしいんです。最近の円安で二百四十九円八十銭ぐらいだったやつが二百五十三円というふうになってしまっているんですけれども、土地の高騰問題とかあるいは卸売物価の年間風速三六・一%を見ていますと、どうもやっぱり狂乱とは言えないわけでしょうけれども、またミニ狂乱とも言えないし、半狂乱といいましょうか、そういった状態に入っていく心配がありますし、同時に商品市況等もやっぱり価格景気の観がございますから、そういう点で、きのうも長官は大分財界の方々に対して厳しいお話をしたようでございますけれども、どうでしょうか、日銀をきょう呼んでいるわけじゃございませんが、思い切ってもう一遍金利を二けたに上げるとか思い切ったことをやらないと、どうも心配でならぬのですけれども、二百五十三円という状態なり、あるいは土地の増高、一般の経済界の価格景気という状況を見ますと、確かに四十八、九年のあのときとは違うとは言いながらも、少しやっぱり心配が残るわけで、ですから、マネーサプライが一二%前後かもしれませんけれども、金が偏っているという、こういう感じもしますので、きょう日銀さんを呼んでおりませんけれども、長官のこういった、きのう、きょうの状態に対しまして、物価を抑えるために相当御苦心されていることはわかるんですけれども、なお何らかの方途を講じられるお考えがあるかどうか、まず冒頭そのことをお伺いいたしたいんです。
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正示啓次郎#4
○国務大臣(正示啓次郎君) けさ寄りつきは二百五十六円、いま私の方へ報告がございました。きのう来の為替市場の状況、本当にわれわれとしてはちょっと予想外の事態でございます。この前大木委員からいろいろ日本銀行総裁等にも御質問がありましたが、日本銀行としては、バーゼルの会議でアメリカを初めとする主要国の金融最高責任者とも会いまして、いわゆる金利引き上げ競争というものの弊害、こういうことについて十分お話し合いをいたしまして、日本としては最高の九分というところへ公定歩合の引き上げをやった。それで金利の天井感が出るというふうなことも期待され、それがまた円レートにもよい影響を及ぼすということをわれわれは内々もう全部そういう期待を持っておったことはそのとおりだと思うんです。しかるに、その後アメリカは公定歩合の引き上げはやりませんでしたけれども、プライムレートが上がっておるわけで、これは日本なんかとちょっと違うわけで、アメリカではプライムレートの方が先行してそこで金利水準が決まっていく、こんなような関係になっておることはもうすでに御承知のとおりでございます。しかし、これに対しまして西ドイツなりスイスはあえて公定歩合の引き上げは差し控える、こんなような非常に冷静な対応を示しておられるわけでございますから、まさかこんなような事態に発展していくというふうには考えなかったわけでございますが、しかし、いまこういう事態が展開しておりますので、大木委員は、もっと思い切った金融政策あるいは為替政策というようなことが必要ではないか、こういう御意見のようでございますが、私は、いま恐らく日本銀行、大蔵省ではそういうふうな点も十分いろいろ考えてはおると思いますが、さしづめ一番大事なことは、この前大木委員も非常に強く主張されましたように、国際協調、これが非常に大事だと思うんです。幸いスイスとの間に二千億円というんですか、これは規模は小そうございますけれども、具体的にそういう取り決めも行われておるようです。もう一つのファクターとしては、日本の外貨準備が二百億ドルを割るというふうなことが報道されますと、これがまた若干円に対する弱気の判断の材料になっていくというようなこともありますから、私は、やっぱりそういう点はあわせてこれから為替政策というものは心配なくやっていくんだと、これはやっぱり国際協調によってそういう保証が与えられていくんだろうと思うんですが、そんなようなこともただいま具体的にやっておられると思うんです。
 それから、もう一つは、私ども前から申し上げますように、いよいよ予算も参議院で御承認をいただいて成立する、ここで一体財政政策をどういうふうに展開していくか、四月、五月という非常に大事な物価、一種の非常時、物価の正念場というふうなことが言われておりますが、ここでやはり財政政策について本当に物価危機を乗り切るという決意を込めた決定が大蔵省を中心といたしまして関係省庁との間に話し合いをつけて発表せられる、こんなようなことで財政、金融政策の物価非常時突破、物価正念場を切り抜けていく決意のほどが示されていくんじゃなかろうか。したがって、いまここで急にどうこうということよりも、いままで懸案となっておったような問題を着々やると同時に、国際的な一種の思惑的なものがあるとすれば、それを払拭するようにじみちな努力をすることが非常に大事ではなかろうか、こんなような感じを持っておるわけでございます。
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大木正吾#5
○大木正吾君 長官、非常にホームメードインフレに対する御警戒心も強くて、財界等に対する御指導にも苦労されているわけでございますけれども、資本収支の少しオイルダラーの日本への還流等を考えた場合に、ドイツが最近やっていますけれども、円建て国債等について中近東、特にサウジアラビアとかイラクとか、そういったところとの話し合いなどで、スワップもわかるんですけれども、やはり資本収支面からの手だてとか、これは日銀の前川さんの担当でございますけれども、やっぱり二けた台の金利も確保するぐらいの気持ちでもって当たらないと、波打ち際でもって撃退しようと言ってもどうもやっぱり限界があるという感じがいたしますので、これは企画庁の持ち場じゃありませんから、予算がいずれ上がるでしょうから、上がった前後にすかさずそういった話をぜひ大蔵大臣、日銀総裁等としていただきたいし、そうしませんと、とにかく国内物価も四月に入って公共料金が上がり、恐らく五月、六月続いて上がっていくでしょうし、春闘も控えていますからね。非常に何といいましょうか、皆さん方が不透明な状態ということを感じながら、労使交渉もそうでしょうし、同時に経済政策等につきましても会社の経営者の方々もそうでしょうけれども、要するに日本の経済の行く先について見通しのないままにみんなが苦労する、こういう状態になってしまいますから、私の希望としますれば、できることは思い切って、もう少し通貨の発行量を抑えるとか公定歩合をあと二%ぐらい上げるとか、あるいは資本収支問題で公債の発行を、どうせ五十五年度の公債発行について国内消化が完全にいけるかどうかなかなかむずかしいわけですから、そういったものについてあらゆる手法を講じるようにぜひ内閣の中でお話し合いをしてもらいたいと、こういうふうに私のこれは感想からしている助言的なことなんですけれども、お答えは要りませんけれども、そういったことを希望しておきます。
 次の問題でございますが、きのう長官大分がんばって財界の方々と話し合いされた模様ですが、そのときのやりとりを新聞で一部ちょっと拝見いたしたんですけれども、異常な決意でもって話をされた状態はわかります。同時にこういった具体的なことを言ったことは、たしか私の記憶では、最近石油の狂乱のとき前後をいたしまして余りなかったと思うんですけれども、どうでしょう、そういった意味合いでの財界の各主要業界の反応、そういうところについてお聞かせいただけませんか。
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正示啓次郎#6
○国務大臣(正示啓次郎君) きのうは、まず最初に閣議でも、大木委員も御承知のように公示地価、地価の公示が行われまして、大変な上がり方である、こんなようなことから閣議もこの問題を中心に物価対策、こういうことにほとんど終始いたした次第でございます。総理も年度開始の初日に当たって物価問題、これにひとつ全閣僚が全力投球で当たりましょうと、こんなようなことを言っておられました。そんなような空気を受けまして佐々木通産大臣と一緒に経済四団体の代表の方々にお目にかかったわけであります。ここにおける個々の話し合いということは、一応両方で了解して発表いたしましたものが新聞等で報道されておりますので御了解いただきたいと思うのでありますが、空気といたしましては、もういま大木委員が御指摘のような内外の情勢に対する認識においては、財界の方々も政府の認識も、また国会における皆様の御理解とほとんど開きはない、こういうふうに受けとめたわけであります。
 そこで、先般来申し上げたように、電灯、ガスの消費者物価への直接の影響というふうなことを具体的に数字を上げて申しまして、あと電力の間接的影響をどの程度にするかは一にかかってこれは経済界の皆様の御努力にお待ちする以外にないんだから、この際そういう点を十分御理解の上御協力いただきたいと、こういうことを強調いたしたのであります。これに対しまして私の前の発言等が若干便乗値上げというふうなふうに受けとられた点がありましたので、それに対する釈明等もございました。私は何も便乗というふうなことを具体的に考えてはいないわけでありますけれども、しかし、こういうときは財界のトップという方のいろいろの言語というものは、もう非常に大きな影響力を持つので、その点から解明せられざるままに重要なアクションがとられるというようなことについては、これはやはり今日日本の経済の一番の問題は、労使の間にいたしましても、消費者とメーカー、流通業界との間にいたしましても、相互の信頼関係——コンフィデンスの問題、リライアンスの問題こんなようなことが非常に大事な要素になっておることは改めて申し上げるまでもございませんので、そういう点については十分ひとつこれからもやってお互いに努力していこうではございませんかと、こんなようなことで話は終わっております。
 これに対して、まず財界の方から政府の努力、これについては相当厳しく批判を受けておりますので、われわれとしても今後一層行政の能率を向上する、あるいは行政改革をさらに推進する、あるいは政府のやっております、古い言葉で言いますと勧業というのでございましょうが、公共企業体の能率向上、そういう点についてもっとしっかりやらなきゃいけないんじゃないかというふうな非常な強い御指摘もあったわけでありまして、これは双方大いにこういう事態に対処して、緊張を本当に最高限度までお互いに高めて最善の努力をしなければならぬということを痛切に感じたわけでございます。
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大木正吾#7
○大木正吾君 財界の方がそういうことをおっしゃることは、それは一つの理屈でしょうけれども、実際問題として、これは極端なことを言いますけれども、この中にも戦争の経験者の方々が相当おられるはずなんですが、昔の職業軍人の場合でしたら大体尉官クラス、特務曹長ですね、その辺の賃金がいまの恐らく中央官庁の大体係長ぐらいが定石だったと思いますね。ただ、兵隊の場合には、大体人件費ですと、現在の公務員賃金の三分の一以下ですよ。だから、ずばっと思い切ったことをやるんだったら、そんな三万人をどうのこうのとかいうことを言っていてもしょうがないわけですからね。しかし、お金を払わなかったら自衛隊に来ないということも現実にあるわけです。だから二十四、五万の自衛隊の人件費などについても一回ばさっと、昔流の軍隊のような仕込み方があればそれは非常に特効薬的な決め手になりますよ、これは。それでも結構志願兵があったんですからね、あの当時。私そのことがいいとは思いませんけれども、思い切ってばっさりやれというのだったら、そういったことも一つの、何といいましょうか、財政的な問題について急激に物をやれというのだったら一つの考え方ではあるんです。別のことをやれ、やらぬとは言っていませんけれども、例として挙げているわけですからね。覚えがあるはずです。みんな初年兵でもって入ったら半年で伍長とか下士官か行きますわね、その途中またかわっていきますけれども、入った半年間ぐらいというものはものすごく自衛隊のほぼ三分の一ぐらいで、私は現に当時の貯金通帳、野戦でしたから、持っておりまして調べてみますと、ほぼ出てくるわけですよね。ですから、これは例として申し上げているだけのことでして、海外インフレ問題については政府の責任だという言い方は私は少しく財界も勝手過ぎると思うんですね。政府としてもずいぶんと私自身見ていまして一生懸命やっているけれども、むしろ財界の中の、これは通産省もなかなかできないと思いますけれども、やっぱり生産性の上昇、同時に最近の銀行から鉄鋼関係の大手などは借金を返していっているわけでしょう、現実に。そういった状態等を考えていきますと、やっぱりマネーが、通貨が偏在しているということもあるかもしれませんし、ちょっと手元でもって試算してみたんですけれども、配当の関係とか減価償却の場合などは相当ここ、不況期にも起きました当時と現在の状態を見ていますと、ちょっと中だるみがありますけれども、一二%から一三、四%上昇ぎみなんですね。ですから、こういった問題に政府が直接介入はできないでしょうけれども、私は、財界に対しまして何らこういった問題につきましても、やっぱりうちの竹田さんがおっしゃったときに石油の備蓄と電気料金値上げ問題で少し時期を延ばす云々という話もあったんですけれども、ちょっと見ただけでも配当の経過とかあるいは減価償却とか、同時に三月期もほとんどの企業が一部上場、二部上場含めて八割以上が大変な決算なんですね。そういったことであるにかかわらず、一部の新聞、日経新聞ですかの調査ですと、相当な品目、七割ぐらいの品目が値上がりすると、こういう傾向が書いてありますね。ですから、そういったことについて財界の反論はありましょうけれども、もう少し綿密な指導といいましょうか、誘導といいましょうか、介入はできませんけれども、やっぱりそこまでの気持ちでもって物を見ませんと、労働組合への説得力もないし、同時に、政府責任の追及ということを言うことも確かに財界は言うでしょうけれども、しかし、みずからの内部における吸収率ということは、配当を若干遠慮するとか、減価償却を少しく下げるとか、そういったことで国民に対して、中間製品あるいは最終商品もそうですけれども、とにかく値段を上げないという形でもって具体的に財界の努力ということもしてもらいたいと考えているわけですけれども、それについてなかなかこれは聖域でそこには入れないと通産省もおっしゃるかもしれませんけれども、参考までに私調べてみたら、そういった傾向値をここに幾つか持っているんですけれども、少しく去年の前半ぐらいからそういった傾向が高いものですから、むしろ一般論としまして政府が言うことは構わぬわけですから、そういうところについても少しく遠慮したらどうだということぐらいは、長官は非常に言いにくいでしょうし、同時に財界の突き上げもこわいでしょうけれども、やっぱりその辺のことを具体的に示していただかないと、財界が努力している、あるいは生産性で吸収しているということについて国民は納得せぬと思うんですね。ですから、そういったことについて政府が物を言いにくいことはわかりますけれども、何らかの方向でもってそういったことについてサゼスチョンなり、あるいは財界首脳の特に限られた方々とともに、物価が上がっちまったら純益は実質的に減るわけですから、そういった面でもうちょっと説得のある話し合いを持つように通産大臣等と一緒になってやっていただけないかと、こう考えておるんですがね。
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正示啓次郎#8
○国務大臣(正示啓次郎君) きのうも、これはわれわれから申し上げたというよりむしろ御質問に答えたわけでありますが、たとえばいま御指摘の配当、これは電力、ガスについても相当増資をしたい、それには一〇%というぐらいのことはぜひやりたいというのがもともとの申請の中にあった強い要望ではございました。これを最終的に八%ということにして御承認をいただいた。それから人件費のアップにいたしましても、公益事業としてこういう時期に最小限度のところでひとつ能率を上げるというので五・五%というふうなこと。それから原油価格の見方、円レートの見方、そういうことはいろいろ御質問があったものですから通産当局からもお答えをしたような次第でございます。そういう事態をだんだんお聞きになって、財界の代表的な方々は、これはやっぱり電力、ガスについては相当厳しい対応をしておるのだなというふうなことで、そういう実際の例をごらんになって、相当強くいま御指摘のような点についても財界も心を新たにして対処していかなければいけないというふうな空気もお持ちになった。それだけにまた政府に厳しく、君たちもしっかりやらなければいかぬ、こういうふうなことではなかったかと、こういうふうに私も理解をいたしておるわけでございます。
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大木正吾#9
○大木正吾君 まあ、労働組合の側と国民の側も全部しんぼうしているし、かずのこ倒産ということの例がこれから他の商品にも及ぶことがあるかもしれませんけれども、いずれにしましても、そういった中ですから、ただ、私が見ている限りは純益、純利益さらに減価償却、配当を遠慮しているような傾向値がほとんどないんですよ。ですから、便乗とは何だということはわかりますけれども、しかし、むしろ従来の収益なりあるいは減価償却、そういったものにつきまして少し財界も遠慮して、たとえば配当なら配当が一二%あったらそれを一一%に下げるとか、減価償却率についても少しくやっぱり遠慮するとか、そういうことを具体的な数字でもって示さなければ、単なる便乗値上げがどうのこうの言ってみても、やっぱり抽象論に終わっちまうんですね。ですから、なかなかそれは大臣の職権の中のことでもありませんですが、きょうここに土光さんもあるいは稲山さんもいないわけですから、話はなかなかしにくいですけれども、そういったことについてもぜひ視点をしっかり据えておいていただきませんと、われわれは国民とともに新聞なんか見ているわけですから、こんなにもうかっているのにまた値上げするのかということになってきてしまいますので、その辺についてなかなか入りにくいところでしょうけれども、お願いといいましょうか、要望しておきたいと思うんです。
 次に、国土庁に伺いますけれども、土地が大変な値上がりですが、まず第一に、今回の国会でもって出されました政府の税制緩和問題とこの土地の高騰問題との関係についてどうでしょう、どういう因果関係が生まれるでしょうか。土地は出てくるでしょうか。
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渡辺尚#10
○説明員(渡辺尚君) 最近の地価の動向は、先生も御存じだと思いますが、最近の特徴が大都市圏、それも住宅地を中心に値上がりが激しい。で、地価の高騰といいますか、地価の値上がりの要因等をいろいろ分析しておるわけでございますけれども、やはり最近の傾向を見ますと、いわゆる住宅地の需給ギャップ、これによることが非常に大きいというふうに認識しておるわけでございます。そういうような背景を踏まえまして、今回の税制改正におきましては、従来の土地譲渡所得税、これの基本的な枠組みはそのまま堅持して、そして、いわゆる宅地供給、特に大都市における宅地供給という観点から見直しを行うというわけでございます。したがいまして、今回の税制改正は、いわゆる土地譲渡所得に対する公平な負担というものを維持しながら、最近の情勢に合った見直しをしていくというふうに理解をしております。
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大木正吾#11
○大木正吾君 最後の部分ですよね。最近の状況に見合ったという言葉は、それはそういう言い方をすれば簡単なんだけれども、しかし最近の情勢に見合っていますか、あの緩和問題は。むしろ、これは四十七、八年から九年ごろの問題と若干違うと思うのですけれども、ミニ開発をとにかく、土地つきの十五坪の家でもほしいというサラリーマンの心理はそれはわからぬわけではないけれども、しかし物価がどんどん上がっているときには、私が土地を一千坪持っておったら絶対放さないですよ、それはもう。もし貯金を五百万持っておったら、その金でもって虎視たんたん、建設省その他に内緒でもって調べて、どこにインターチェンジができるか調べて、その周辺の土地を買ってしまうわけですね。だから、そういう心理が動いてくるということは、これは正示さんに非常に気の毒ですけれども、インフレマインドというものが下から来るわけですからね、換物運動、アメリカほどにならないといたしましても。私はむしろ、だから今度の税制緩和問題について私自身も実は失敗した一人なんですが、たとえば税制調査会、一時四十何年ですか、四、五年ごろに一遍税率を緩和しましたね、土地成金がベストテンにずらっと入っちゃったことがあるので大変な批判を受けたんです。あのとき税制調査会のメンバーに私の名前も入っていたわけでして、そういった失敗を繰り返した経験者でございますから申し上げるんだけれども、むしろ与党多数でもってあの法案が通るとしますれば、これはある意味では若干実施を延ばして、もう少し物価の鎮静状態のときに、条例化するなり、あるいは発動する、そういうふうにでもしないと、こんなふうにしていきますと、結果的にはやっぱり土地は持っていなければ損だ、物価はまだ上がっていくぞ、こういうふうになっていきますから、そういったことを、要するにインフレ心理とかインフレマインドというもののためには、今度の税制緩和というものは私は背反逆行という感じがするので、むしろ少しく慎重に考えてもらいたい。私自身の説からしますと、これは飯田久一郎さんともずいぶん議論したことがあるんだけれども、ここにいる、きょうの主査にも怒られたことがありますが、C農地問題についても、私は東京人ですから、本当に農業経営しているかどうか、もっと厳密に調べてみなさいと。調べてみて、その一家の生計が、三多摩とか一部東京周辺にある土地のC農地にありまして、本当に農作物でもって生活をしている、半分以上生活しているならばこれはいいと。でなかったら宅地並み課税をやれと、こういうことを言って農民組合、栗原先生などの組合からばーっと電報を一千通、夜中におどしの電話もかかったこともある。大分受けたんですよ。だから、そういうこと等を考えていき、また私からすれば、やっぱり税制緩和というものはもうちょっと物価が安定しているときにやれば、これはある程度土地は出てくるだろうと思う。しかし、こういうときには少しそういったことについて厳しく考えておかなくちゃいけない。同時に土地をもしももっと解放しよう、もっと住宅地にしようというなら、逆に土地税制については一定の面積について、インフレでもって公示価格も売買価格も上がっていきますね、そういったものに対して何らかの税制上の、値上がりに対する税金を取りますよというやつをやった方がこれはある意味じゃ土地が出てきやすいかもしれないし、そういった議論は真っ向からぶつかるわけですけれども、私はそういう考え方を持っておるのです。
 もう一つは、買った土地の利用期間、住宅公団の方はおられませんでしょうけれども、政府なり公共団体が土地を造成したときに、一般に抽せんでもって分けるときには三年以内とか二年以内に必ず家を建てなさい、そういった厳しい規定があって、そして建てなかったら取り上げます、これまで入ってきているわけですからね、そういったものがある意味では、これから会社とかあるいは大きな不動産会社が土地を買うときには三年以内に必ずそれを住宅地に転用するか、あるいは住宅地としてみんなに分けていくか、三年以内にやはり目的に沿って始末をしていくということとか、そういったことをしないと、どうもやっぱりこの問題はなかなか解決をしないというのが私の説なんで、別に私に同意だということを言ってもらわぬで結構なんですが、むしろ土地問題はこう波が幾つかありますけれども、特に四十五、六年の大阪万博以降の動向を見ていますと、明らかにこれはもう大都市周辺の土地については思い切ったそういったことをやらない限りは土地は出てこないと思う。むしろインフレの中で、日本じゃ石油も鉄鉱石もないわけだから、資源がないのですから、言えば日本の資源というのは土地しかないのだから、都市周辺の土地。だからそういうことに着目すれば、公的な介入の仕方はもうちょっと、私は二つ申し上げたけれども、むしろインフレでもってじわじわ上がってきますね。それについて何%かの税金を取るとか、同時にもしも一千坪以上の分譲というもので買った方は三年以内に目的に沿った形でもって必ずしなければ銀行も金を貸さないとか、売買に介入していくとか、そういったことについて考えた方が私はやっぱり、あなたもそうでしょう。どこに住んでいるのか私は知りませんけれども、いま一番気の毒な人は官庁の課長とか係長クラスですよ。それこそいま綱紀粛正とか行政改革の問題でもって、次官の方でやめて立候補する方々が大体四千五百万ぐらい退職金をもらって、退職賞与的なものでもって二、三割また上積みしたり、しかし五千万もらったって東京の土地が何坪買えるのですか。そういう点を考えていけば、いまやめていく人はまだ幾らか買えるかもしれない。諸君が、あなたみたいな課長さん方が次官になったときにどうなるかということを考えたら、もうちょっと、いわば自分の気持ちに立って土地政策を考えないと、余り上の人の言うことばかり考えていたって全然実が上がらないわけだから、私は、そういった意味でもって今度のこの土地の税制緩和問題についてしばらく成り行きを見守るぐらいに、きのう閣議で御相談もあった模様ですけれども、してもらわぬと、正示さんの一生懸命に政治生命をかけた努力が水泡に帰する心配があるので、もう一遍国土庁なり企画庁長官の見解を聞かしてくれませんか。
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渡辺尚#12
○説明員(渡辺尚君) 先生いま御指摘になりましたように、四十七、八年当時の一〇%、一五%というようなものと、今回の場合には四分の三という長期譲渡につきましても基本的なものは残している。それから、当然のことながら、短期課説、これは御存じのように四〇%あるいは五〇%、これも堅持されている。そういうことで、四十七、八年当時のような状況というものは起こらない。むしろ先ほど申しましたような現在の問題を踏まえた改正である。特に大都市地域の土地の高度利用ということを考えまして、いわゆる買いかえ、いろいろ条件がついてございますけれども、四階以上の高い建物を建てる場合の買いかえの特例等も今度できることになったわけであります。そういう形で、やはり四十七、八年当時とはさま変わりしておりますし、現在の問題に対応している税制であるというふうに考えております。
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正示啓次郎#13
○国務大臣(正示啓次郎君) 先ほど来、大木委員と国土庁の間で、これは国土庁の方からは今度出しております法律案、あと農住組合法ですか、こういうこともいま考えておられるようであります。私はいままで党におりましていろいろ聞きまして、こういうときの、あめとむちというふうに通常言われておりますが、それが本当によく調和のとれた土地政策として活用されてきたかどうか、こういう点について大木委員がいま御自分の体験に基づいていろいろ御提言になったわけで、これはわれわれとしては十分心して伺って参考にするようにいたしたいと思います。
 昨日の閣議では、総理も大変重大な関心を持って、われわれいろいろ申し上げて、それじゃ早速関係閣僚で土地問題これは地価はもちろん重要な問題でございますが、宅地を初め土地の供給をどうして確保していくかということと、そしていま御指摘のような物価非常事態のもとにおける地価の動向、こういうことが非常に重要な問題だからこれに万全の対策を急いで確立すべく関係閣僚会議をつくりましょうということがきのう一決して、いま国土庁を中心にいろいろ準備を早速始める、こういうことでございます。予算が成立いたしますと、これは関係省庁で相談をいたしまして特に予算に計上されておりますので、全国二十四地区を特別調査地区に指定をいたしまして、そこの情報については中央も的確にこれを把握するような体制、そういうことを一方でやり、現実の動きを見ながら中央では最高の責任者がよりより協議をして国会の御意見あるいはその他関係各方面の御意見を十分伺って機動的に土地問題に対処していかなければならない、こういうことが決められたわけであります。
 私、先ほど来伺っておりまして、本当に地価というものがどうなるか、これがある意味でインフレのバロメーターみたいな形になっておるという点にわれわれ物価担当庁としては非常な関心を持つわけでございます。そこで、きのうは閣議においてもそういう点を指摘いたしまして、これはもういまわれわれはインフレとの闘い総力戦を展開しておる最中だから、そういうときにこういう地価の動きというもの、しかも、それが実態よりも相当内輪なものであると、実態はもっとひどいものであるというふうなことからマスコミでも大きく取り上げられておるんだから、われわれとしてはこの問題に全力を挙げて解決に当たらなければならない、こういう決意で閣議はいまのようなことを決めまして、これから土地問題を具体的に処理していくに当たりまして、またいろいろと御意見もちょうだいいたしまして私どもは対処に誤りなきを期していきたいと考えます。
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大木正吾#14
○大木正吾君 土地問題について国土庁と私自身の見解は余りそぐわないんですけれども、ただ私自身、今度の税制改正の結果、またこれは失敗か成功かという問題について見た上でもって、もう少しやっぱり国会の中で、政府もやるでしょうけれども、税制だけに頼るということもどうかと思いますし、需給の関係その他ずっと見ながら考えていくべき問題だと考えていますから、とにかく政府のそういった関係の各省の方々の緊急な——とにかく、一般の物価を抑えよう抑えようとしましても、結果的にこれは一種の換物運動ですね、下手をすると。そういう傾向に走っている姿が東京都関係で一八・三%というふうな数字になっているわけですから、だから上の方で火事を消そうと思っているけれども、何のことはない、下の方でまだまだどんどん燃え盛っているか、あるいは消えたかに見えながらもくすぶっているという状態ではどうにもなりませんから、そういう点でもって、企画庁長官の方は大変なお気持ちでしょうけれども、特に国土庁等がもっとしっかり協力して、インフレ心理、そういったものについて、大体日本の問題のところはそこにあるわけですから、十分なひとつ努力をお願いいたしたいし、今後また時間があるときに私自身の見解等も述べたりする機会を持ちたいと、こう考えております。
 時間も迫っておりますから次のことに移りますが、この前、実は長官、物価集中審議のときにちょうだいいたしました企画庁の例の年間四万九千六百九十円、この中の一つを取り上げてみますけれども、百十円という授業料、これは担当の課長か局長で結構ですけれども、どういうような形でもって授業料百十円という数字が出てくるんでしょうか、これ教えてください。
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藤井直樹#15
○政府委員(藤井直樹君) 国立大学の授業料につきましては、年額三万六千円の負担増加になるわけでございます。ただ、私ども公共料金からの影響がどうなっているかということをとらえる場合には、やはり平均的なものとして考えていかざるを得ないのではないかと。これはそれぞれの公共料金の影響の範囲というのが全く違いますので、そういう意味で、国立学校授業料の場合につきましては、増収額が三十八億円ということになっておりますので、これを全世帯数の三千五百三十五万世帯で割って出したものが百十円ということになるわけでございます。
 ほかにも、たとえば国鉄の運賃とか郵便とかいろいろございますが、こういうものになりますと、法人の負担等があったりいたしますので、そういうものにつきましては家計調査から出すというようなことでやっておりますが、御指摘のような、どの料金についてどのようにして一世帯当たりを出すかということについてはいろいろ問題があるかと思いますが、平均的な世帯としてとらえるということで算定したものでございます。
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大木正吾#16
○大木正吾君 これは国立大学の授業料が上がるということは、私立あるいは公立、さらには高校関係でもやっぱり調べてみれば上がっているわけですね。私はきのうちょっと聞いてみたんですけれども、日本における大学と高校の学生の総数、高校が四百四十八万四千七百二十九人ですね、それから大学生が国立、公立、私立を含めて百八十四万六千三百六十八人。別に企画庁、人数のことは結構ですけれども、三千五百万世帯、その中でトータルしますと六百三十二万人の学生がおるわけですよ。このうちの大半の方々は授業料の値上げ問題等の影響を受けている方々なんですね。ですから、百十円という数字があくまでも企画庁の中の机上の計算で出てくる数字かもしれませんが、国民の実感というものは、特に中年の四十歳かち五十四、五歳ぐらいの方々のところの子弟が一番多いわけですね、一番苦しいわけですよ。そういうことでございますから、やっぱりこういうけたが一つぐらい違うような感じのものにこれはどうしてもなってしまうんでしてね。国立大学だけでいきますと、確かに三十九万八千三百五十九人ですから、そういったものを三千五百万世帯との関係でもって割っていきますとそういう数字が出るかもしれませんけれども、この辺はどうしても実感と合わない典型的な姿と、こう見ているんですが、私の見方は間違いでしょうか。
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藤井直樹#17
○政府委員(藤井直樹君) 国立学校に入学している子弟を持つ親の負担ということになりますと三万六千円ということになるわけでございますので、そういう点が実感として出てくるのではないかと思います。
 それから、私どもは今回は国立学校授業料だけ取り上げておりますが、今後公立高校等の値上げの動きがございまして、これが各地方公共団体で行っておりますのが判明いたしますれば、それによってどの程度家計費がふえるかということはまたやらなくちゃいけないと思っておりますので、その場合にはさらに国立大学以外のものとしての負担増も出てまいりますので、あわせて考えてみますと今回一連の授業料の改定の家計負担というものの全貌がわかってくるわけです。とりあえず予算に計上いたします国立大学の授業料ということだけでとりますと、平均的にはそうならざるを得ないということでございます。
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正示啓次郎#18
○国務大臣(正示啓次郎君) 大木委員にちょっと私の実感を申し上げたいんですが、この予算のときに、国立大学の授業料を上げなきゃならぬ、物価問題から言うと確かに上げたくない。しかし、まあ上げざるを得ない、その一つの理由に私立大学とのバランスということがあるんです。ほっておいても私立大学の方は上がりますよと、こういうことで、いま大木委員はむしろ国立大学の授業料が主導的で私立大学、こういうんですが、まあやっぱり私立大学等も上がっていく、そこでアンバランスがますます拡大されていく。そういうことになると、やっぱり国立大学もある程度バランスを考えて上げざるを得ないんじゃないかという実感を私はしみじみ持ったんです。
 そこで、いま御指摘のような点は、実感からいってどうかとおっしゃるんですが、やはり私立大学の授業料というものは国立大学に比べて相当割り高であることもまた事実でございますので、まあまあこんなようなところで、いま藤井物価局長が御説明いたしましたようなことで、全体のCPIへの影響ということになると、いまのような点であると。これに対して、私立大学等はいまのところ入っていませんが、今後は公立大学、公立高校、そういうふうなものも含めて、できるだけ実感に沿うようなものにしていきたい、こんなような感じを持っておりますことをつけ加えてお答えしておきます。
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大木正吾#19
○大木正吾君 恐らくこの部屋の中の方で標準米を食べている方はあんまりいないと思うんですが、これは大臣には直接伺いませんけれども、この統計の米価二千円年間というのは、ちょうどこれは十二で除していきますと、ほぼ月にいたしますと大体百三、四十円でしょうか、私は東京都内の下馬生協に行っていろいろな議論をしてきたんですけれども、この数字はやっぱり標準米を食べている家庭の数字と、こういうふうな数字になるわけで、この議論をしますと、貧乏人は麦を食えと言った池田さんの話になってしまいますから、あんまり言いたくはないんですがね。だから、私が思うのは、たとえばこの中には社会保険料関係の問題が入っていないとか、これが大きいし、同時に、まあ言えばことしのベースアップによりましてサラリーマンがまた結果的には所得税が四百万の方のところでもって年間たしか三万五、六千円ふえるんですね、地方税含めたら五万円ぐらいになるんですね。ですから、そういうこと等ずっと見ていきますと、非常に生活の実感との違いがどうしても出てきてしまうわけで、問題は二つあると思うんですね。
 一つは、長官、やっぱりもっと生活の階層別に物価の影響度合いが違ってくるわけですから、だから中間層の方々のところは、レジャーを毎週出た人が月に二回にするかとか、あるいは娯楽なんかの費用を詰めることは可能だと思いますけど、とにかく一番生活の厳しいところの順位のところにいる方々は非常に厳しいと思うんですよ。
 ですから、私、なかなか物価問題については、総理府の統計に対しても、まあケースのとり方によってたくさん違ってきますから、ただ実感とあんまりかけ離れたことはまずいと思う。私自身がぶつけた十九万何がしということもずっと調べてみましたがね、これも少しくこの中から引けますから、大体十四、五万という感じが出てくるんですけど、同時に企画庁が出した四万九千何がしも、どうにも一般のサラリーマンなり国民から見た目では、やっぱり政府の認識というのはその程度なんかなあと、こういう感じになってしまうので、これから総理府の方とも御相談いただいて、物価問題に対する資料等お出しになるときには、生活の順位を五つに分けなくてもいいですよ、たとえば富裕層と中間層、そして一番生活保護世帯に近い層、三つぐらいに分けまして、そして標準米を食べている方々、そんなことを言っちゃうと、ちょっとこれは言葉の言い方、言い回しがむずかしいんですけどね、そういうふうにしませんものですから実感とどうしても離れてしまう、ここに問題があると思うんですね。ですから、その辺のことについて企画庁自身が物価について物を言う際には、こういう資料を出すときもそうですけれども、総理府と御相談なされまして、階層別、階級別に物価の指数などについてもお出しになる方が国民に対する説得力になりますよね。そういった意味でもって関係局長さんの意見なり大臣の今後の対処の仕方を少し伺っておきたいんですがね。
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藤井直樹#20
○政府委員(藤井直樹君) この前の予算委員会の集中審議のときにもお答えいたしましたけれども、たとえば公共料金の支払い額が家計消費に占める比率等は五分位によって違うということを御指摘ありまして、私の方から数字でお答えしましたが、まさに第一分位の数字と第五分位の数字とには差がございます。そういう認識は私ども持っておるわけでございまして、たとえば総理府の統計局の消費者物価につきましても、平均的な家庭だけでなくて家計支出の額によってある程度区分を設けまして消費者物価の動き等も発表するようにいたしております。そういう形で、だんだん家計下位層に即した形での統計の整備ということも進んでおりますので、私どもとしても、そういうことについてなおこれからも一層その点について十分考えに入れた形での取り扱いをしていきたいと思っております。
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正示啓次郎#21
○国務大臣(正示啓次郎君) 御指摘のように、私どもの経済見通しあるいは物価の見通し、これは相当抽象化されて、あるいは標準化されて出てくる、これが一体実際の生活実感からしてどういうふうに受けとめられるか、常に反省をしなければならぬと私ども考えます。それを裏づけるように、いま物価局長も言いましたように、生計費における実績をどういうふうにいたしておるか、これは五分位とかいろいろ分けまして細かく後づけをする、こういう態度が私はぜひ必要なことである、大事なことである、こういう認識を持っておるわけでございますので、これからもできるだけ抽象化されたものにしても工夫を加えますと同時に、ぜひとも後づけ、実績に照らして一体政策はどういうふうに国民の生活の中に反映しておるか、こういうことの後づけも注意深くやってまいらなければならぬ、かように考えて今後も努力していきたいと思っております。
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大木正吾#22
○大木正吾君 下馬生協へ行ってみたんですが、結局四十八年ごろの生活水準をそのまま今日の物価の上昇に移しまして試算いたしますと、二十七万——当時十二万一千六百九十九円ですけれども、今日の段階でも、一月ですけれども試算をいたしますと二十七万何がしですね。この方の場合には、たとえば結局外食を減らすとか、奥さんと一緒に食事する、五十二歳の方ですから、減らすとか、あるいは着る物ですね、いろいろ流行がございますけれども、そういったものを節約するとか娯楽費を少し削るとか、そういった中でこれは一月の実消費支出が二十三万八千百九十四円、こうなっているわけで、本人の努力でもって四万円ほど節約をしているわけですね。こういうケースもあります。
 私は、やっぱり総理府が出すときには、あるいは企画庁も協力していただくでしょうけれども、こういった実際の例と同時に全体の統計の数字と、要するに国民に対して余りにも実感が違うようじゃこれはまずいと思うんですよ。だから、実際家計簿をつけている家庭、世帯からやっぱりやってみる。同時に全体の統計、さっきの百十円の授業料じゃありませんけれども、ああいう試算もしてみる。両方ぶつけてみて実際こうなっているんだということになれば、もうちょっと世論に対する物価問題などについては信頼がわいてきますから、そういう点でもって今後の対処手法をお願いしておきたいんです。
 その次の問題ですけれども、長官、コストプッシュ問題について、人件費はコストのもちろん有力なものでございますけれども、プッシュ要因としてことし作用しているかどうかについては、どういう御感想でしょうか。賃金問題人件費です。
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正示啓次郎#23
○国務大臣(正示啓次郎君) 労働生産性の問題といわゆるコスト要因との関係についての御質問かと思います。
 私は詳しいことは、あるいは政府委員から補足してもらった方がいいかと思いますが、とにかく日本の最近における労働生産性の向上は、これはもう本当に著しいものがございまして、いままでの実績から見ますると、非常に消費者物価の安定あるいはまた企業の中でのいわゆるコストの吸収、そういう面において大きな役割りを果たしておられることは私よく理解をいたしておるつもりでございます。そういうわけで、賃金と労働生産性との関係を常に大所高所から考えておられる組合及び経営者の方々の自主的な交渉というものはりっぱな私は成果を上げておられると、こういうふうに考えております。なお、これらの点につきましては、私どもは雇用全体をひとつ大きく見守っていく必要があろう、また、物価を初めとして生活の実質を向上さしていく必要がある、こういう認識を強く持つわけでございまして、この点も労使双方非常によく理解され、そういう点においても良識ある解決を図っておられることは世界の私はりっぱな実例として誇るに足るものではないか、こんなような感じを持っております。
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大木正吾#24
○大木正吾君 日本がスタグフレーションに入っていないという、まあスタグフレーションの傾向はありますけれども、入るかどうかの入り口に立っているかもしれませんけれども、しかし、アメリカとかヨーロッパと違うのは、賃金に関しましての物価スライド条項がないということが結果的にはコストプッシュの中の人件費のウエートがプッシュ要因といたしましては小さいと考えていいわけでしょう。
 私も事務局長をやった立場で、皆さん方から大分二、三年前には憎まれた立場なんですけれども、ずっと見ていますと、最近の労働団体の交渉力というのは、何というのか、なまくらでもって、だらしがなくて、むしろどんどんどんどん下降しているわけですね。去年の場合でも国民所得全体を見まして、賃金が六%前後ですからね、そうして全体的に八・四ということでもって、国民所得自身も五十年、五十一年不況当時、五十一年のときから見ても下がっているわけですよね。そういう点になりますと結果的に、まあスタグフレーションといいましょうか、要するに、むしろ購買力が落ちるという心配が逆にありまして、もっと労働組合の幹部よ、しっかりしなさいよということを言いたいわけだけれども、相当にやっぱり遠慮してやっている、こういう感じがありますし、このことは物価問題のときにやりましたので、これ以上言いませんが、長官の口から、どれぐらいがいいということはもちろん言えないでしょうけれども、いま出ている六%弱というようなばかげたことでいけば、まさしく経済のバランスが崩れてしまうということなども心配でございますしね。
 それから同時に、これを延長していきますと、実は話題が変わりますが、最後にちょっと関連して伺っておきたいのは、企画庁は、七カ年計画ですね、ああいったものについてはもうやらないということなのか、やるのか。やる場合には、たとえば国際的な経済動向ですね、金融まで全部入ってきますから、その方から攻めてきてやるのか。日本をまず、いわば日本的な経済の計画をつくってからよそを見るのか。それはなかなかウエートの置き方ですからね。だから、いままでの経済計画を見ていますと、やっぱり国内的な要因を中心としながら国際動向を見る、こういうパターンであったと思うんですがね。むしろ最近の傾向を見ていると、やっぱり外国の方がインフレが激しいですから、スタグフレーションが激しいですから、たとえば外国の経済状態を見ながら企画庁自身が何らかの経済計画を持ち、同時に大蔵省は、大臣がはっきり私に対して答えた中にあるんだけれども、財政計画をつくると、こうおっしゃっているんですね。財政計画といいますと、財政収支試算とはもう違って、なかなかこれは大変なことなんですよ。まあどういう気持ちでおっしゃったかわかりませんけどね。五年計画が三年ぐらいにアフターケアしなきやならなかったことで、五年、五年とこうやったけれども、実際には二年半ぐらいでもってつぶれたのがずっと実情ですからね、日本の経済というものは。
 そういう点等を考えていきますと、要するに経済のパターンが外国輸出貿易に依存をする形に、長官の期待したのはやっぱり内需へいきたかったけれども、そうなってしまった。そういったこととの関係で、今後の経済動向に対しての見通し等の作業にいつごろから入って、そして日本の国民が、やっぱり日本の政府、大蔵省、企画庁等は日本経済をあっちに引っ張っていくんだなということについて、七カ年計画がどうなるのか、将来どうするのか、その問題について大蔵省との関係も含めて話を少し聞かしていただけませんか、今後の作業の問題です。
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正示啓次郎#25
○国務大臣(正示啓次郎君) 大変むずかしい問題を提起されたわけでありますが、まずわれわれは、第二次大平内閣発足が去年の十一月の初めでございましたが、以来もう物価問題が当面の最喫緊の問題である、こういう認識を持ちまして進んでまいったわけであります。しかしながら、と同時に物価の安定ということを至上命令にしながらも、しかし雇用問題、景気の堅実なる維持拡大、こういうことをまた片時も忘れてはいかぬ、こういう非常にむずかしい選択を迫られまして、これによってやってまいりました。
 そこで、大木委員も御承知のように、新経済社会七カ年計画につきましては、五十四年度の実績見込み、それから五十五年度の予算、こういうことを経済見通しというふうなことを基礎にいたしましてフォローアップを行いまして、経済審議会において御討議がございまして、これが政府に報告されたわけであります。そのとき不幸にして総理は国会の関係で出席できませんでしたから、私が終始その審議会に出まして、いろいろ委員の方々からも御意見をちょうだいいたしました。まあ、委員の方々の中にはこのフォローアップで五十四、五十五は来たけれども、しかし、あと四カ年間、これとの関係はどうするんだというふうな点から、いまお話しのように、一体そういう中期的な見通しというものがつくれるのかどうかというふうな点も御議論になったわけであります。一方、国会の予算審議では、大蔵省が何とかして財政計画をつくりますというところへ答弁をいたしましたので、先ほどお示しのようなことになったと思うんです。やっぱり世界の基本的な諸条件というものができるだけ早く新しい安定の見通しが立てられるようになることを私は心から希望するわけでございます。原油を初めまた国際関係その他、やはり一応の安定というところへ一日も早く到達をいたしまして、その基礎の上にやはり新しい中期的な経済の見通しあるいは経済運営の基本的な政策のポイント、ポイントが形づくられるということが一番望ましいことなんです。私は一日も早くそういう事態が来ることをこいねがっておるわけでございますが、差し当たりは仰せのように、各国ともインフレーションあるいはスタグフレーションとの闘いで日夜これ忙殺されるというふうな事態がいま続いております。しかし、こんなような事態はそう長々と続いてはなりませんので、一日も早く総理の訪米、あるいはわれわれもまたパリ等においてOECD等々の接触もございます。ベネチアのサミット、その他あらゆる機会に国際的な交流を通じまして日本経済の実情というものを諸外国に理解をしていただく、また諸外国の実情をわれわれも十分理解をすることによってそうした新しい事態に対処するお互いの努力の足並みもそろっていく、その上に一つの安定する見通しを一日も早く手がかりをつかんで、私は、やはりできたら財政計画とともに経済の中期的な見通しというものを新しい実情に合わしてつくっていく努力は、また、そういう心組みというものは片時も忘れずにそういう努力をやっていくべきである、こんなような感じを一応参考までに申し上げておきます。
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大木正吾#26
○大木正吾君 終わりますが、とにかく先進工業国でもって財政計画も経済計画も持たない国というのは、今日のいまの時点で日本だけですからね。ですから、どんなにローリングが激しくても、やっぱりたとえば二百四十兆といった七カ年計画の社会資本投資、国民の立場からしますれば、あれは本当に、経済がどっちに揺れようとも、あのウエートは下げずにやってくれるものだろうと、こう考えているに違いないですね。同時に経済が何%ぐらい実質上がるかということは、企業の経営者などにとっては非常にこれは大事な問題でございますしね。税金が二六・五%の負担率になるんだということになれば、自動増税装置が入っているから大体物品税を少しふやせば済むんだということかもしれませんけれどもね。そういった姿については、ことしなんかは原油が若干だぶついてきているわけだし、上げればそう上げる条件はないですからね。私は、この国会が予算が終わったらすぐに大蔵省と相談されまして何らかのものを示せなかったら、それはもう政府の資格なしですよ、はっきり申し上げて。政府が国民に対してこういう道を経済政策なり財政政策で歩きますよということ示せなかったなら、これは私はやっぱりどんなにりっぱなことを言ったって、言えば倫理観とか何とかと総理が訴えてますけれどもね、国民が飯を食う道といいましょうか、生活をしていく路線がはっきりせぬということは、全く無政府とはあえて申し上げませんけれども、不親切きわまりない政府になりますから、ぜひこのことは早急に大蔵と連絡を取り合ってやっていただきたい、このことを申し上げて終わります。
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栗原俊夫#27
○主査(栗原俊夫君) 以上をもって大木正吾君の質疑は終了いたしました。
 次に、中尾辰義君。
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中尾辰義#28
○中尾辰義君 それでは、引き続いて物価対策についてお伺いします。
 とにかく経企庁長官、物価対策は本年度最大の要件でもありますから、各委員会でいろいろと風当たりも強いでしょうけれども、ひとつがんばってもらわにゃいかぬでしょう。そこで、政府は昨年の十一月に次いで三月十九日には「当面の物価対策について」という総合物価対策を発表したわけですけれども、その中身は第二次物価対策とどういう点が異るのか。余り新しい要旨も出てないように思いますし、果たしてこれで物価が鎮静するのか、その期待はわれわれとしては余り持てないように思うんですが、総理は六月ごろは物価は鎮静すると、こういうこともおっしゃっていますけれども、どういうふうに長官はお考えになっていらっしゃるのか、まずその辺から。
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正示啓次郎#29
○国務大臣(正示啓次郎君) 文章をごらんいただいて、また同じようなことを書いておるなという御印象をお受けになるのは、私は大変これはやむを得ないことだと思うんですが、一応いま中尾委員御指摘の前文に二つのことを強くうたい出しております。それは「適切な総需要の管理」ということを申したわけでありますが、これはちょっといままではそういうこと思い切って言っておりません。どういう意味かと申しますと、いままでは便乗値上げを排除するとか、需給の適合を図ってそれに対応する個別物資対策をやるとかというふうなことはよく言っております。また、財政金融政策についても締めぎみにやるというようなことは言っておりますが、ここで総需要の適切なる管理をうたい出した気持ちは、これは仮需だけではなくて実需についても物価動向からいって調節を必要とする場合はこれを思い切ってやると、こういう意味を打ち出しておるわけでございます。
 そこで、同じ第一項目の財政金融の問題につきましても、財政についてこれから予算が成立いたしまして、それを実行する段階になりますと、まあまあ普通ならば四半期に分けてどうだというふうなところが出てまいると思いますが、しかし四月、五月は物価の危機だ、これはもう非常時だというふうな気持ちから公共事業の執行についても思い切った調節、管理をしていただくということが各閣僚の同意のもとにここにうたい上げられたと、こういうふうに御理解いただきたいと思うんです。
 それから金融の面につきましては、いまの円レートなんかは非常に弱いものですから、これからどうなるかというふうな御不安もあるようですが、私は、やっぱり日本銀行、大蔵省は本当に思い切って、本年もわずかの期間に二回にわたって、しかも最高限度まで公定歩合を引き上げたという英断はこれは大いに買っていただきたいと思うのでして、そういうこととコレスポンドするように適切なる総需要の管理ということを申しておるのであります。
 それからもう一つは、生産性向上ということをその前文の終わりの方に強調しております。これは実は大平総理がいままで初めて、便乗値上げを排除というふうな消極的なことではなくて積極的に生産性を向上してコスト増の部分を吸収するんだと、こういう気持ちを入れてくださいと、私も全く同感でございましたので早速それを入れさせていただいた。こういう点で、二次対策とはわれわれの少なくとも意気込みがやや違っておるという点をまず御理解いただきたいと思っております。
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