植竹繁雄の発言 (決算委員会)
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○植竹委員 それでは次に、財政投融資の件について質問いたします。
昭和四十八年の第一次石油ショック以来、わが国の経済は、高度成長政策より安定成長へと政策の転換を行い、今日の繁栄をもたらしたわけでありますが、この中で財政投融資の果たした役割りというものはまことに大きいものがあるわけです。しかしながら、依然として高度成長時代の惰性というか、その形態は相変わらずのあり方で、現在の経済が一つの壁に行き当たったという点について問題があると思います。
そもそも、財政投融資の本来の姿というのは、国民経済全体の中から、そのニーズに従って総枠どのくらいの資金量が必要かということで決定されねばならないと思うのです。現状では、逆に郵便貯金、厚生年金の余裕金など、年々膨張する資金源に沿って、これにあわせて、その投融資先を年々拡大していくだけの、つまり資金があるから使えるのだというような惰性で投融資が行われているというのが現状でないかと思うのです。この民間の資金量が少なかった昭和三十年代の半ばごろまでは、財政投融資は電力、海運、石炭で総貸付額の八五%ぐらいを占めておりましたが、基幹産業の育成強化に大きな役割りを果たしてきたわけでありますが、その後四十年以降になりますと、財政投融資の対象というのはエネルギーや都市開発あるいは国民生活の改善という公共投資に向けられまして、また大きな役割りを演じてきたわけです。しかし現在、今日では情勢が変わりまして、民間の資金の蓄積は昔と違って非常に潤沢になってきたわけであります。もちろん、技術の開発、中小企業、農業などで特別に低利な資金を必要とする部門があるわけでありますが、これはあくまで民間の補完的な役割りを果たすのが財政投融資の本来の姿であると考えるわけです。
公共投資で財政投融資の対象になり得る部門ももちろんありますが、ここで一番ネックになっているのは、何といっても高度成長期を通じまして起きた土地の価格の上昇であるのではないかと思うわけでございます。しかしながら、いずれにしろ、財政投融資の資金源の年々の膨張に対応しては、投融資先の拡大の国民経済的なニーズが起こっていないところに現在の問題が生じておるのではないかと思うのです。
五十三年度は十四兆八千八百億円余、五十四年度は十六兆八千三百億、五十五年度は十八兆一千八百億となっております。そして五十三年度の財政投融資を見ますと、国民生活の充実という観点から、景気の回復ということで、住宅、生活環境整備、文教等、国民生活の向上と福祉の充実を目的に大型予算を組んだわけでございますが、そのうち住宅対策として前年比二〇・八%増、三兆六千七百億の財政投融資を計画して、特に住宅金融公庫につきましては、前年度に比しまして十六万戸増の五十五万戸の貸し付けを考えておりまして、さらに日本住宅公団では、一般貸付枠をこれも四九%ぐらい拡大し、住宅対策を検討しましたのですが、しかし実際に当初組まれました予算、たとえば住宅金融公庫では、二兆二千三百億の当初予算のうち二兆一千六百億しか使われておらないのでございます。また、住宅公団では、九千六百億の予算のうち実績は五千八百億で三千八百億が不用となっております。先ほどの住宅金融公庫では七百億が不用になっておるわけでございます。また日本輸出入銀行等は、八千八百六十億のうち実際に使われました量は三千八百八十億で、約五千億も不用となっておるわけでございます。さらに開発銀行におきましても、五千九百億のうち五千三百億が使われ、六百億が不用になっており、石油公団におきましてもまた八百億のうち四百億しか使われない、五〇%も不用の金が出ておるわけであります。またさらに地域振興公団の六百二十億の予算のうち、実にこれは四苦六十七億円というものが不用となっておるわけでございます。そして、この五十三年度全体では一兆五千億円、全体の八・五%というものが使われないままになっておるわけでございます。当初この五十三年度予算というものは、景気の回復ということで大型予算を組まれましたが、重点的な施策をとったこういう産業に対しましてもこれほど不用の金が残ったということはどういうことか、この点につきまして大蔵御当局の御見解を伺いたいと思います。