渡辺喜一の発言 (決算委員会)
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○渡辺(喜)政府委員 財政投融資計画の策定に当たりましては、もちろんそのときどきの経済情勢でございますとか、金融事情とか、もろもろ勘案いたしまして、資金の最も効率的な配分ということに心がけてまいっておるわけでございます。
したがいまして、先生御指摘のように、財投計画というのは昭和二十八年度から始まっておるわけでございますが、当初におきましては基幹産業というものに非常なウエートを置いてやってまいったわけでございますが、その後の経済情勢の変化に対応いたしまして、最近におきましてはむしろ生活環境基盤の整備というふうなことにウエートを次第に移してまいっておるわけでございます。
ただ、財投の原資というのは郵便貯金が主体でございまして、さらにそのほかに年金資金等があるわけでございますが、一般会計等と違いまして、ある意味ではこれは受動的な資金でございます。集まってきた資金をいかに効率的に使っていくか、こういうところに主眼があるわけでございまして、政策的需要に応じて原資自体をふやしたり減らしたりするというふうな面はきわめて乏しいわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、何よりもまずこの集まった原資をできるだけ有効に活用したい、こういうことで対応してまいりました結果、いま申し上げましたように、経済の実態に応じた変遷を経てきておるという現状であるわけでございます。
御指摘のように、五十三年度におきましてはかなりの額の不用繰り越しを発生いたしておるわけでございます。ただ、財投の運用先というものは、どうしても経済情勢等の変化を大きく受けやすいプロジェクトが多いわけでございます。したがいまして、この繰り越し不用というものを全く出さないような運用というのはきわめてむずかしいわけでございますが、しかし、その中におきましてもできるだけそういうものを少なくしていくというのが効率的な資金運用でございますので、そういうことに努めてまいっておるわけでございますが、五十三年度につきましては、御指摘のように、民間経済が非常に沈滞しておりました中で需要を喚起したい、こういう政策目的に沿った財投計画を組んだわけでございますが、その後の経済情勢の変化、金融の非常な緩和というふうなことを受けまして資金需要が沈滞し、あるいは繰り上げ償還というふうなものが非常に出てまいりまして、資金に繰り越し不用というものが発生したわけでございます。その後そういう面につきましての努力をいたしてまいっておるわけでございまして、五十四年度につきましてはおおむね不用等は前年度の不用額を半減するというふうなことになっております。
しかし、まだ依然として不用額等もかなりの額でございますので、さらに五十五年度、今年度の計画実行あるいは来年度の計画作成というものを通じまして、できるだけ不用繰り越し等が生じないような努力を重ねてまいりたいと考えておるわけでございます。
ただ、その繰り越しにつきましては、実はこれは大部分が地方公共団体において発生しておるわけでございます。地方公共団体は出納整理期間というものがございまして、大体長期の起債等はこの出納整理期間に行うというような事情にあるわけでございます。財投の面からいきますと、三月を越えて四月、五月というのはこれは繰り越しになるわけでございますが、地方財政の方から見ますと、これは出納整理期間の中でございますので、必ずしも繰り越しということではないわけでございます。現に繰越額の大部分、地方公共団体の繰り越しはほとんどが四月、五月には支出されておる、こういうふうな事情にあるわけでございます。
問題は不用の方でございますが、不用の方も、先ほど御指摘がありましたように、相当部分というのは輸出入銀行において発生しておる。これは何といっても相手のある仕事でございます。発展途上国、中国でございますとかあるいはイラン、イラク等、あるいはまたソ連関係の案件等々、相手国の経済事情の変化あるいは政治情勢の変化等によって、出初計画したような支出がなかなか出ていかないという面があるわけでございます。そういうことはございますが、なお一層そういうところを十分精査いたしまして、今後とも繰り越し等が発生しないような努力は続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。