中村茂の発言 (建設委員会)

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○中村(茂)委員 私は、ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法案に対する日本社会党提案の修正案について、その趣旨と概要について御説明いたします。
 今日、わが国の勤労者の住宅難は特に大都市において深刻であります。この住宅難の原因につきましては、土地問題、国土利用の問題等、幾つかの大きな問題がありますが、私は、何といっても政府が国民の住宅に責任を持たないという無責任な姿勢が根源であると考えます。政府は、国民に自助努力を強調し、持ち家を押しつける一方、地価、建材の上昇を初めとする諸物価の高騰、そうした中での賃金引き上げの抑制等、勤労者の生活をますます苦しくしております。住宅政策を住宅ローン政策、一億総借金状態へと追い込んできたのであります。
 日本住宅公団は、設立以来すでに百万戸の住宅供給を行っております。住宅を特殊法人に供給させるその背景、その思想にもろ手を挙げて賛成するものではありませんが、個別原価主義家賃で供給されてきた公団賃貸住宅は、いまや大都市の勤労者の貴重なストックとなっております。しかし、そうした公団住宅も、政府の地方自治権の制限、そしてインフレ、地価上昇によって、近年では供給戸数が大幅に減少するとともに、高い、狭い、遠いという非常に勤労者の住宅として生活にそぐわない矛盾が出てきております。
 そのような中で、五十二年に国会で決議した公団の長期未利用地、がらあき団地の対策をも誠実に実行せず、今年度においては産業基盤、大企業優先の予算運営、赤字国債発行を原因とする財政危機の打開のためと称し、公団への利子補給金すら当初予算においてゼロ査定をしたのであります。
 こうした政府の姿勢は、住宅・都市整備公団法に如実に示されています。
 第一に、第一条、目的にだれのために住宅供給を行うのかが入っておりません。これは明らかに欠陥法であります。住宅公団法は「住宅に困窮する勤労者のために」と明記されているのを初め、公営住宅法、住宅金融公庫法及び住宅供給法にはすべて対象者が明記されているその中で、本法のこの目的は、政府の国民無視を最も顕著に示しているものであります。
 第二には、行政改革といいながら役員はわずかに五名を削減するだけで、政府みずからが決定した四分の一削減すら実行しておりません。高級官僚の天下りも何ら是正する方向が示されておりません。
 第三に、新公団で国民に喜ばれる住宅を供給していこうというより、住宅は無理だから都市整備をという公団の性格の変更が見られる点であります。私どもは都市再開発そのものに反対ではありませんが、その手法、目的については現行法とは異なった立場をとっております。特に、公団が賃貸住宅の供給を行わず、銀行、百貨店等のために業務型再開発を行うことには反対であります。
 第四に、新公団は勤労者にとってどのような利益があるのか、全くないと言ってよいでしょう。公団と入居者の関係の円滑化、高騰している家賃の抑制策について何ら新しい施策がありません、
 私どもは、以上のような点を指摘し、本法は、住宅公団の住宅政策の真の拡充にはならないと判断し、修正案を提案した次第であります。
 次に、修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、公団の名称は、住宅公団を総合的に拡充し、その業務の中心が住宅の供給、管理にあることを明確にするため、「日本住宅総合整備公団」とすることにいたしました。
 第二に、第一条の目的に、住宅に困窮する勤労者のために、良質、低廉な家賃の賃貸住宅を供給することが公団の主な任務であることを明記いたしました。
 第三は、役員の数でありますが、総裁一人、副総裁一人、理事十人以内及び監事二人以内の計十四人以内といたしました。これは現行住宅公団の役員数であります。天下りは当然自粛することを期待します。
 第四は、賃貸住宅運営協議会の設置であります。公団の業務は国民に開かれたものでなければなりません。職員も生きがいある労働を保障する必要があります。公団への参加が必要と考えます。特に家賃の変更や住宅の維持、管理、補償については居住者と職員の意見が尊重されなければなりません。賃貸住宅運営協議会は、住宅の管理、公団家賃制度全体を居住者、職員、公団、学識者十名で協議する機関といたします。わが党は参加を主張しますが、少数の管理委員を出すことで、政府や公団の無策、放漫経営の責任を労働条件の切り下げや家賃値上げの形で、職員、入居者に転嫁される危険性がある経営参加には賛成できません。これが議決機関である管理委員会への参加方式をとらなかった理由であります。
 第五は、新公団が行う区画整理事業、都市再開発事業については必ず住宅あるいは宅地の開発を伴うよう、政府原案にある施行範囲の拡大は削除いたしました。住宅、宅地を供給するはずの公団が業務型の再開発を推進することは公団の性格を変えることであり、認めることはできません。
 日本社会党は、すべての勤労者の生活に対する責任を持ち、関係住民、労働組合、職員の要望を受け入れるため、修正に努力を行ってまいりました。私どもは、国民の期待にこたえる公団の拡充を目指し、本修正案を提案した次第であります。
 速やかに御可決あらんことをお願いいたしまして、趣旨と概要の説明を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 中村茂

speaker_id: 18125

日付: 1981-04-15

院: 衆議院

会議名: 建設委員会