関晴正の発言 (本会議)

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○関晴正君 私、関晴正は、日本社会党を代表いたしまして、今次国会に提案されております酒税法の一部を改正する法律案に断固反対するものであります。(拍手)
 いま国民の最も求めているものは、長年にわたって据え置かれたところの課税最低限を引き上げろという、この要求にこたえることでなければなりません。しかるに政府は、国際的な所得税の負担の比較において低いところにあるのだから、そのことについてはしばらくがまんをいただきたい、がまんの押しつけでございます。
 しからば、このたび提案されているところのこの酒税の中身はどうでございましょうか。
 ビールの中に含まれているところの税の負担率というものは、国際的な負担率の比較においてどのようになっているのでございましょうか。アメリカは一二・八%、フランスは一六・一%、ドイツは一八・七%、イギリスは二八・二%、そしてわが日本は、四二・五%から今度の引き上げにおいて実に四七・九%という、それぞれの国に対し二倍、三倍、四倍という高負担に相なっているのであります。総理大臣あるいは大蔵大臣の常日ごろの答弁するところといかに相異なっているかということを承知しなければなりません。
 各国の事情によって、それぞれ習慣があり、それぞれ伝統があり、それぞれ歴史があるのだからやむを得ないとお答えしているようでありますが、それならば所得税についても、わが国の伝統がありとなぜ言えないのでありましょうか。これほど矛盾するような税の姿勢というものは、この機会に是正さるべきものだと思うのであります。
 さればこそ、わが日本社会党は、いましきりに国民の求めている調整減税の方向をとれ——自然増収において四兆五千億もあるのに、さらにまた、その金額はふえる方向にあること明らかなのであります。
 それをひた隠しに隠し、一日の労働の疲れをいやすところの、国民、労働者にとってかけがえのないところの酒、酒は罪悪ではありません。酒は善なるものであります。悲しいと言っては飲み、うれしいと言っては飲み、そうして酒なくして今日の国民生活の、あすの生産力を生むものはないのであります。(拍手)それに対して過酷な課税をしき、他に財源を求めようともせず、他に節減する道をもとろうとしないこの態度は、当然国民から糾弾されてあたりまえのことだと思うのであります。
 ちなみに、今度の増税の予算を見ますときに、総額一兆四千億、酒税における金額は二千八百億、まさに二割であります。大衆負担の最たるものであり、さらに、このほかに物品税あるいは取引税あるいは印紙税等々、いずれも大衆負担につながるものばかりであります。その意味において、まず大衆負担を軽くしなければならない、その方向に相反するものである点において反対せざるを得ません。
 いま一つ、清酒についても触れたいと思います。
 清酒はなかなかいま国民離れの方向にあります。しかも、特級酒、一級酒、二級酒とありますが、一升一万円もする二級酒があらわれているじゃありませんか、これは一体どういうことです。特級酒とか二級酒とか一級酒というものの定めは、法令によりますというと、品質の優良なるものを特級酒とし、佳良なるものを一級酒とし、特級でもなければ一級にも該当しないものを二級酒と名づけているのであります。アルコールの度合いや純米酒の度合いにおいて定めるのではなくて、きき酒という感覚的審査において等級を定めているこの実態は科学的ではありません。科学的な価格を採用することと科学的な審査を導入することが今日求められていることだと思います。その意味において、ウイスキーの場合は、アルコールの度合いあるいは原酒の度合いプラス、モルトの度合い、その質によって金額が変わっていきますけれども、お酒の場合はそうはなっておりません。このことについても、やはり是正していかなければならない内容が含まれているわけであります。
 いま地方の時代と言われますが、地方の時代の産業の中で残っているものというならば、造り酒屋ぐらいのものではないでしょうか。この造り酒屋も、四千軒もあったものが今日三割も減って二千八百軒というところにダウンし、今後ますますダウンの傾向は強まっていくでありましょう。そうなりますと、酒の生産形態も大メーカーに統一され、ささやかな地方の産業というものが大きく打撃を受けてくるでありましょう。
 私どもは、酒の税金というものはもうこれを限度として引き上げるべきではない。ビールの問題においては、先ほど申し上げた理由によって、これ以上高めることは、今日まで答えてきた政府の答弁と全く相異なることにおいて、やはり慎むべきものだと思うのであります。
 国民の生活を豊かにすること、国民の負担を軽くすること、そして、社会保障の道や文化の道を広げることが今日の政治に求められることでございます。他国において税金が高いという場合には、その裏打ちが他国にはきちんとあります。社会保障の制度は、より整っていることでありますし、いま一つは、軍事予算において他国には制限がないという欠陥がありましょう。わが国においては、軍事予算を許さないという制限があればこそ、この所得税率も今日において許され、これがまた守られていかなければならない必要な方針だと思うのであります。
 このことを篤と考えられ、わが国の産業をりっぱなものにするためにも、大衆負担を軽くするその立場から、断固として、この税法に反対することを申し上げて、御賛同いただきたいと思います。
 討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 109405254X00919810303_007

発言者: 関晴正

speaker_id: 25338

日付: 1981-03-03

院: 衆議院

会議名: 本会議