白川勝彦の発言 (本会議)
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○白川勝彦君 私は、自由民主党を代表いたしまして、酒税法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。
わが国の公債発行残高は、昭和五十五年度末で七十一兆円に達する見込みであります。また、本年度の公債発行額は十四兆円でありますが、これは、アメリカ、西ドイツ、イギリス、フランスの公債発行額の合計にほぼ匹敵する膨大な額であります。
また、わが国の公債依存度は三三・五%でありますが、アメリカの六・四%、西ドイツの一一・五%、また、イギリスの一〇・六%、フランスの五・二%に比べるとずば抜けて高いのであります。
まさにわが国の財政は異常であると言わざるを得ないのであり、われわれは、いまいかに苦しくとも、この異常な事態を克服するために、蛮勇をふるって努力をしなければならないのであります。(拍手)
幸い、わが鈴木内閣は、財政再建を内閣の一大使命としており、昭和五十六年度予算においても、公債発行額を前年度当初予算額に比べ、さらに二兆円減額しており、また、歳出面においても、思い切った節減合理化を行っているのであります。
しかし、一方では、福祉、文教などの行政の水準を維持、向上していくことが強く要請されており、そのため、相当の財源の確保が必要なのであります。
そこで政府は、現行税制の基本的な枠組みの中で税の見直しを徹底的に行い、公正、妥当な増収措置を図ろうとしているのであります。
酒税の改正は、その増収措置の一つであり、本改正によって昭和五十六年度で二千八百億円程度の増収を期待しているのであります。
言うはやすく、行うはかたし、これがまさに財政再建であります。しかし、わが政府は、着実かつ謙虚に、この努力を始めたのであります。私は、政府のこのような姿勢を高く評価するものであります。
今回の改正案の中身について申し上げます。
御案内のように、酒税は従量税率を基本としております。すなわち、酒一本について何円の税金という決め方であります。したがいまして、酒の価格が上昇すると、酒の中に占める税金の負担割合は相対的に低下するのであります。五十三年の酒税改正後、酒の価格が相当上昇しておりますため、酒の中に占める税金の負担率は相当低くなっておるのであります。そこで、この際、従来の負担率程度まで酒税の値上げを認めていただけないだろうか、お願いできないだろうかというのが本改正案の主たる内容であります。
また、今回の引き上げ幅は、一般の酒類については二四・二%程度を原則としておりますが、清酒二級、合成清酒、しょうちゅうなど、大衆の酒と言われているものにつきましては、九・六%程度と極力圧縮しているのであります。この結果、具体的には清酒の二級一合、すなわちコップ一杯で一円四十八銭、合成清酒で一円六銭、しょうちゅうで九十二銭の負担増のお願いなのであります。
こうした配慮は、これらの酒が一般大衆の酒であること、また、これらの酒の生産が中小の業者によってなされている点を考慮したからであります。
以上の諸点を総合判断すると、今回の酒税の改正は、必要かつやむを得ないものであり、その引き上げ幅も妥当な範囲にとどまっているものと言えるのであります。
国民に対し増税のお願いをすることは、洋の東西を問わず、時代のいかんを問わず、恐縮至極のものであります。しかし、財政の健全化を図り、財政にみずみずしい活力を取り戻し、機動的な財政運営を可能にすることが、いま、わが国の最大の課題であります。
父親の愛にも似た厳しさをもって、あえていま、この酒税の改正を行わんとする本法律案に、私は、自由民主党を代表し、全面的な賛成の意を表して、討論を終わります。(拍手)