鈴木善幸の発言 (行財政改革に関する特別委員会)

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○鈴木内閣総理大臣 今度の行財政改革が目指しておりますわが国の目標、将来に対する理念、こういう中に、一つは活力ある社会を建設することであり、一つは国際社会において増大するわが国への貢献に対する期待、これにこたえるようにしなければいけない、こういうことを申し上げておるわけであります。米沢さんも、いまそのうちのまず国内的な活力ある社会についてどういうことを考えておるのか、どういう内容のものであるか、こういう点についてお尋ねがございました。
 わが国の社会福祉の施策は、昭和四十八年を契機といたしまして急速に改善向上を見ております。今日では総体的に見れば欧米先進国の水準に達しつつある、こう思います。しかし、一方におきまして急速に到来しつつある高齢化社会、国民の多様な要請、国民のニーズ、こういうものもあるわけでございますから、私どもは新しい時代の求めるところの日本の福祉社会というものについていろいろ考えます場合に、欧米の福祉国家と言われる国々の状態も勉強いたしまして、その反省すべき点は反省も加え、そして日本の風土に合うところのものを考えていかなければいけない、このように思います。
 私は、福祉国家と言われるところの欧米先進国の実態を見ておりますと、年金制度あるいは失業手当あるいはその他の福祉対策というものは確かに整備いたしておりますけれども、それが果たして国民に幸せをもたらしておるかどうか。改善すべき点があるのではないか。年金をもらい、あるいは失業手当をもらって、そしてまだ十分働けるような年齢と健康を保持しながら、公園等でぶらぶらしておるような状態、必ずしも御本人は満足ではない、働ける問は働きたい、こういう希望を持っておると思います。と同時に、そういう一方におきまして、外国から労働者を雇い入れて、現場の労働というようなものは外国から受け入れた労働者にそれを任せておる。それで一方においては失業者が出ておる。こういうような実態も見受けられるわけでございます。そういうようなことに対する反省が欧米の福祉国家と称せられる国々においても現に出てきておる。一方において経済は、世界的な情勢でありますけれども、非常に厳しい状況下にある。そこで、財政経済の面からもこれの見直しを迫られておるというのが現状であろうかと私は思います。
 そのようなことを私どもはよく勉強し調査もして、日本はそのような方向に行ってはいけない。特に、今日、低成長時代といいますか安定成長の軌道に乗りつつありますわが国としては、この点については十分これに対応できるようなことを考えなければいけないということから、この際思い切った行財政の改善合理化を加えて、それによって国民の皆さんが、納税者の立場に立っても適正な国の負担のもとに、一方においては自立自助の精神に立脚し、家庭あるいは近隣あるいは職場、社会全体の連帯を基礎とするところの社会、しかも民間の活力を生かしたような社会、これを私は日本型の福祉社会と考えております。
 大平総理が、かつて日本型の福祉社会ということを言われました。また、経済社会七カ年計画、この中にもそういう言葉を使っておりますが、私が申し上げる活力ある福祉社会も、大平総理の言われたものも同じような考え方の上に立っておるものである、このように御理解をいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 鈴木善幸

speaker_id: 1360

日付: 1981-10-16

院: 衆議院

会議名: 行財政改革に関する特別委員会