米沢隆の発言 (行財政改革に関する特別委員会)

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○米沢委員 問題は「活力ある」という言葉の意味でございます。たとえば、この法案の内容を見ます限り、国民に少々迷惑をかけても国庫負担を削っていけば活力ある福祉社会になる、そういうような意味にとれないこともありません。われわれも今後の向かうべき社会として自立自助、これは結構です、全然否定もいたしません。国民はまたみんなその精神で今日まで大部分がやってきた、そうわれわれも信じております。しかし、それをいまさら総理が自立自助、自立自助と至るところで強調されて、福祉の見直し論議や財政再建論議にその言葉が使われますと、総理の言われる活力ある福祉社会というのは、いわゆる福祉の普遍主義的な福祉というのがありますね、そういうものから個別で選別して福祉をやるという昔の救貧的な福祉に逆戻りするのではないかという感じが、国民の間に率直にすることは事実だろうと思うのでございます。いままで福祉はどんどん向上してきた。しかしながら、急に自立自助を言われた。自分のことは自分でやれと言われているように見える。結果的には、政府が手を抜いてきて昔の金の要らない福祉、特に手を加えねばならないというところだけに福祉は限定をして、ほかの連中は自分でやれ、そういうふうに受け取っても仕方がない、いまそういうムードであることも実際は事実なんでございます。
 御案内のとおり、昭和五十五年九月に、厚生省の大臣官房が高齢化問題の調査結査というのを発表しました。それを読んでみますと、年をとってから不安なものは健康問題と生活費の問題だ、圧倒的にこれが高い。ということは、急速な高齢化社会の到来を前に不安であるということは、やはりそういうものが充実してない、将来に向かって不安であるとおっしゃることはまさにその点においてまだまだ安心できない状況に日本はある、そういうふうにとっていらっしゃるのじゃないか、こう思うわけでございます。
 そういうときに活力ある福祉社会を目指すと言いながらも、たとえば老後の所得保障については、ぎりぎりこういうところまでは守るんだ、ここまでは高めていくんだというものがどうも出てこない。財政の状況によってはどう変わるかわからないというような状況しか私にはわからない。あるいは健康保障についてもこういうことで必ず確保してやるという約束事がなされない、未来像がないわけです。ですから、そういうことを示さないままに、自立だ、自助だ、こう言われましたら、国民の不安が高まるのはあたりまえ。その上、自分の老後は自分で守れというような風潮が高くなってきて、その上、国の年金財政は将来にわたって大変だ、公的年金に対する不安あるいは不信感が醸成されてくる、公的年金は頼みに足らずということになる。
 今後、年金財政等を改善していく場合には、保険料を上げたりいろいろ条件を変えていかねばならない。もたないのはあたりまえ。そういうときに、どうも政府が社会保障については手を抜いていく、公的年金についても将来に余りよくないぞ、それならば保険料を上げろ、そんなのいやだ、支給条件を変えろ、そんなのばかばかしい、やめろ、こういう議論になっていったら、歓迎すべき議論ではない。そうなりますと、公的年金はもう頼みに足らずとなったら、それなら個人年金でも自前で掛けようか、あるいは企業年金をやかましく言うてつくらせようか、あるいは高めていこうかというふうに、公的年金をカバーする部分にみんな目がいってしまって、そちらの方で老後の所得保障等を考えねばならない。そういう社会になってきますと、一体公的年金とは何であったかということがやはり問題になってくるのじゃないか。そういうものはわれわれの目指すべき社会であるはずがないという感じがするわけです。
 確かに、個人年金結構、企業年金結構だ。しかし、それによって国の社会保障費は軽くなるかもしれませんけれども、個人年金がはやって、郵政の年金だとか生保の年金、信託銀行の年金、民間の活力導入ということで、それは個人年金はよろしく繁栄するかもしれません。しかし、それは持てる者だけの福祉社会だと言われても、私は仕方がないと思うのですね。そのあたりがどうも国民にとっては不安なんですね、不満なんですね。そういう意味で総理は、これからの社会保障のあり方、もう一回そこらの関連も踏まえて、どんな福祉社会、社会保障というものを考えていらっしゃるのか、お答えいただきたい。

発言情報

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発言者: 米沢隆

speaker_id: 14893

日付: 1981-10-16

院: 衆議院

会議名: 行財政改革に関する特別委員会