村山達雄の発言 (本会議)
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○国務大臣(村山達雄君) 老人保健法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
現在、わが国は、諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進んでおります。このような本格的な高齢化社会の到来に対応し、人間尊重の精神を堅持し、社会的公正を確保しつつ、効率的に機能し得る社会保障制度の確立と既存制度の見直しが喫緊の課題となっております。
わが国の老人保健医療対策は、昭和四十八年以来、医療保険制度及び老人福祉法による老人医療費公費負担制度を柱として推進されてまいりましたが、その後年々、老人医療費は増高を続け、一方、対策が全体として医療費の保障に偏り、予防から機能訓練に至る保健サービスの一貫性に欠けていること。医療保険各制度間、特に被用者保険と国民健康保険の間に、老人の加入率の差により老人医療費の負担に著しい不均衡があるなどの問題が指摘されるに至り、制度の基本的見直しについての要請が高まってまいりました。
政府といたしましては、このような要請にこたえて、長期的な展望に立って制度の基本的あり方について数年にわたり鋭意検討を続けてまいりましたが、このたび、疾病の予防や健康づくりを含む総合的な老人保健対策を推進するための制度を新たに創設することとし、この法律案をさきの第九十四回国会に提出し、今国会において引き続き御審議を煩わすこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、この法律の目的及び基本的理念であります。
まず、この法律は、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、国民保健の向上と老人福祉の増進を図ることを目的とするものであります。
また、国民は、自助と連帯の精神に基づき、みずから健康の保持増進に努めるとともに、老人の医療費を公平に負担すること、年齢、心身の状況等に応じ、適切な保健サービスを受ける機会を与えられることを基本的理念としております。
第二に、老人保健審議会でありますが、この審議会は、保健事業の関係者及び老人保健に関する学識経験者二十名以内をもって構成し、老人保健に関する重要事項について調査審議していただくこととしております。
第三に、保健事業につきましては、市町村が、健康手帳の交付、健康教育、健康相談、健康診査、医療、機能訓練、訪問指導等の各種保健事業を総合的に、一体的に行うこととしております。
このうち、医療につきましては七十歳以上を対象としておりますが、医療以外の保健事業は、壮年期からの健康管理が、老後の健康保持のためにきわめて重要でありますので、四十歳以上の者を対象として行うこととしております。
医療についての診療方針及び診療報酬は、老人の心身の特性等を考慮して、老人保健審議会の意見を聞いて定めることとしております。
また、老人の方々に健康についての自覚と適切な受診をお願いするため、医療を受ける際、外来の場合一月五百円、入院の場合四カ月を限度として一日三百円の一部負担をしていただくこととしております。
第四は、保健事業に要する費用であります。
保健事業のうち医療以外の保健事業については、国、都道府県及び市町村がそれぞれ三分の一ずつを負担することとしております。なお、その対象となった者から費用の一部を徴収することができることとしております。
医療に要する費用につきましては、国が二割、都道府県及び市町村がおのおの五%を負担するほか、医療保険各法の保険者が七割を拠出することとしております。保険者の拠出金の額は、当該保険者の七十歳以上の加入者に係る医療費の額と当該保険者の加入者の総数を基準として案分し、保険者問の負担の均衡を図ることとしております。
なお、現在、医療保険各法により療養の給付費について国庫補助を受けている保険者に対しては、拠出金の一部について、その補助率を基準として国庫補助を行うこととしております。
第五に、保険者から拠出金を徴収し、市町村に対し交付する業務は、社会保険診療報酬支払基金が行います。
第六に、関係法律の改正であります。
この法律の施行に伴い、老人福祉法の一部を改正して、老人医療費の支給に関する規定等を整理するほか、医療保険各法においては、七十歳以上の加入者について療養の給付等を行わないこととする等の改正を行うこととしております。
最後に、この法律の施行期日でありますが、老人保健審議会に関する規定は、公布の日から三月を、保健事業の実施等に関する規定は、諸般の準備が必要でありますので、公布の日から一年六月を、それぞれ超えない範囲内で政令で定める日とし、できる限り速やかに施行することとしております。
以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
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老人保健法案(第九十四回国会、内閣提出)の
趣旨説明に対する質疑