中西啓介の発言 (環境委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○中西(啓)委員 おはようございます。
 本日は、各党に先駆けまして、自由民主党に一番バッターを命じていただいたことに、まず心から感謝を申し上げる次第でございます。ピンチヒッターでございますので、おたおたしながらの一時間かと思いますが、ひとつ環境庁長官を中心といたしまして、私が非常に疑問に思っている点が幾つかございますので、そういう点につきまして、ひとつ明快かつ懇切丁寧に御答弁をいただければ大変ありがたいかなというふうに思っております。
 まず、環境影響評価法案に限定して御質問をさしていただくわけでございますが、この法案は、もう御承知のとおり、四十七年の六月に各種公共事業に係る環境保全対策について閣議了解をされて以来、環境庁が中心になりまして、大変多くの方々の熱心な御討議、大変な労力と時間をかけて今日まで来ておるわけでございます。私も、この環境アセスメントのパンフレットにありますように、鯨岡環境庁長官が「美しい自然、気持ちのよい環境は、人間が豊かな生活を送るための基本です。私たちは、その中で生まれ、生活し、この貴重な財産を子や孫に伝えなければなりません。」こういうふうに冒頭おっしゃっておられるわけでございます。私も全く同感でございまして、環境をよりすばらしい状態にしていくという考え方では人後に落ちない人間の一人でございます。
 そこで、これからいろいろとお伺いをしてまいるわけでございますが、まず、その基本的なスタンスをひとつお話しを申し上げて、具体的な問題に入ってまいりたいというふうに考えております。
 私、どうもこの法案が通りますと、何か大変なことになりはしないかなというふうな胸騒ぎが非常にするわけですね。非常に気にかかるわけなんです。長官は、「地球は素顔が美しい」という言葉を聞いたことございますか。これはJALのコマーシャルに出てくるのですね。地球は素顔が本当に美しいということは僕もよくわかるのでありますが、しかし、なかなか人間は、武士は食わねど高ようじというわけにはまいりませんで、やはり飯を食うていかぬことにはどうにもならぬわけです。そこで、きょうはひとつ、スポンジでふわふわとこすっていてもなかなか進展をしないかと思いますので、ちょっとたわしで冷水摩擦をするくらいのつもりで、血がうっすらとにじみ出るくらいの感じで、一遍いろいろな意見をぶつけてみたい、そんなふうな気持ちでお邪魔をしたわけであります。
 いま、これから高度成長時代から安定成長時代というよりも、むしろ低成長時代に入っていくと言われておるわけでありますが、しかし、その中でもやはりエネルギー、特に石油がいつまでも続くという保証はありませんから、当面この石油にとってかわる主力打者は原子力だと言われているわけですが、その原子力の発電所だとか、あるいはまた交通、新幹線の問題もあれば、関西新国際空港の問題もやがて実施に移されるものと私は確信をいたしておるわけでありますが、そういう問題あるいはまた都市開発等の各種のいわゆる開発事業を行いつつ、バランスのとれた発展を目指していかなければならないわけでありまして、またそれを追求していくのも政治の一つの大きな目的、役割りでもあると思うわけであります。そのときに必ず環境問題が生じてくるわけでありますけれども、その環境問題は、未然に公害を防いでいかなければならぬ、これは言わずもがなでありますが、そのためには当然このアセスメントというものは大変必要、重要であるわけでございます。
 この法案に関して申し上げますと、どうも従来の行政手法に見られないような点がいっぱい出てくるわけです。また、いろんな制約が事業の進展に大変な足かせになりはしないだろうか、そういう感じがするわけであります。同時に、国や地方における政治行政の基本にかかわる問題点も含まれているような感じが強くしてならないわけです。
 先般来から、きょうも御出席でありますけれども、わが親友の中村正三郎委員も重大な疑問を提出されたところでありますが、こうした議論を議事録等で読めば読むほど、あるいは聞けば聞くほど、慎重にも慎重を期してこの法案をますます練り上げていく必要があるのではないか、そんなふうに私自身強く感じるわけです。
 そこで、本日は、本法案に内包されている基本的事項について、環境庁長官を中心に、石川要三名政務次官もおられるわけでありますから、いろいろとお伺いをしてまいりたいと思います。
 まず初めに、訴訟についてお伺いをしてまいります。
 近年、全国各地におきまして、事業の差しとめを求める、いわゆる公害訴訟なるものが頻々として起こっているわけですね。それはもう環境庁の皆さん方が一番よく御存じのことだろうと思うわけでありますが、これらの中に、いわゆる意図的にといいますか、反対のための反対として、組織的に提起されているものも数多くあると私も聞いておりますし、また一、二現実の問題として私自身も知っております。その根拠として彼らが挙げるものは、いわゆる憲法第二十五条の生存権、「すべて國民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」この生存権や福祉国家の理念に基づくいわゆる環境権、こういうものを挙げまして盾にとってやってきているわけですが、これまでのところ、実体法上の規定を欠いているわけですね。そこで、最終的に認められていないわけですよ。しかしながら、本法案が成立をいたしますと、環境権訴訟に有力な手がかりを与えることになると私は強く感じてならぬわけです。そこら辺、ひとつ環境庁の見解をお伺いをしてまいりたい、こんなふうに思うわけでございます。

発言情報

speech_id: 109604006X01219820810_002

発言者: 中西啓介

speaker_id: 8323

日付: 1982-08-10

院: 衆議院

会議名: 環境委員会