中西啓介の発言 (環境委員会)

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○中西(啓)委員 当然、この法案を出されている本家本元の環境庁でありますから、出されている手前上、そういうオブラートで包んだようなふんわりした答弁しか伺えないであろうなと、予測していたとおりの御答弁が出たわけでございます。しかし、そういう訴訟に大変精通している法律の実務家、そういう人たちの意見を聞きますと、この法律では関係地域を限定しているわけですね。あるいは関係住民を特定する旨の規定があるわけでしょう。二番目に、また、関係住民に限定して意見を述べることができる、こういうふうになっているわけです。そうしますと、これは何人にも認められる憲法第十六条、いわゆる請願権ですね。請願権は「何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、」云々と書いている、あの請願権を単に確認したものじゃなくて、この法案に基づき特別に認められた権利であるというふうに理解せざるを得ぬと思うのですが、その点はどうですか。
 なぜなら、何の効果もないのであったら、関係住民に限ってというふうな、こういう規定をする必要がないと思うのです。そういうふうな点から判断していきますと、従来から根拠とされる憲法第二十五条などに加えて、本法案により環境を共有する者の利益が実体法上も認められたとして、これを根拠に環境権を主張することは明白だと思うのですよ。
 ちなみに、あの北海道の伊達火力発電所の建設等の差しとめ請求事件の昭和五十五年の判決文を読んでみますと、「立法による定めがない現在においては、いまだ、環境権を、地域住民に共通の明確かつ強固な内容と範囲をもったものとして構成したうえで排他的支配の対象とするということは困難であると考えられる」こうなっているわけです。繰り返して言いますと、立法による定めがない現在においては環境権は認められない、こういうふうに判決で言っているわけです。だから、そこら辺が僕は非常にはっきりしていると思うのですね。あるいはまた、有力な法律学者で構成する研究グループの人たちの見解では、事業者にアセスメントを義務づけること自体は公法上の義務であるけれども、同時に、民事上の注意義務を強化し、一部を創造する、こういうふうに言明しているわけです。
 これも環境庁は当然御存じだろうと思いますが、いま私が申し述べた諸点を踏まえますと、先ほどのせっかくの環境庁長官の御答弁でありますが、どうもちょっと何か避けて通っているような、何かオブラートに包んだような、そんな感じがするわけですね。だからひとつ、伊達火力発電所の判例を、これも知らぬわけないと思うのですけれども、いかなる根拠で環境権が認められないとするのか、具体的にひとつ再度御答弁をお願い申し上げたいと思います。

発言情報

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発言者: 中西啓介

speaker_id: 8323

日付: 1982-08-10

院: 衆議院

会議名: 環境委員会