中西啓介の発言 (環境委員会)

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○中西(啓)委員 そういう面は確かに私もよくわかります。素朴な、本当に住民の、開発はしてもらいたいが、こういう点が心配だな、そういう方々の意見を吸収する、そういう面ではよくわかるのですが、逆に私が問題にしているのは、さっきの意図的な、イデオロギー的な闘争家、要するに反対してできるだけぶっつぶしたい、ぶっつぶせなくても、できるだけ引き延ばしを図りたいということを最大の目的にしている連中を対象にして話をしてきたわけでありますけれども、そういう連中を排除できないという心配が厳然として残るわけですね。
 環境庁は、との評価基準を明確にして、事業者が困惑しないようにすると言っているわけですね。そうしますと、住民の意見をむしろ聞く必要がない、そういう理屈も成り立つと私は思うのですよ。ですから、逆に、住民に意見を求めなければならないとしているのは、いかに評価基準があいまいであるかということの証左にもなるんじゃないかな、そんな気もするわけです。環境庁の言う基準とは、住民の意見をうのみにして、これを判断基準にするんじゃないかというふうな見方もできなくはない、そんなふうにも実は思うわけであります。
 住民の意見といっても、素朴な人たちのあれはよくわかるわけでありますが、この環境問題に対する関心あるいは理解度という点については、みんなそれぞれニュアンスが全く違いますし、まちまちだろうし、主観的な要素がその内容となっているわけですけれども、事業者としてこれにいかに対応していくかということは非常にむずかしいと思うのですよ。そこで混乱に陥るということは火を見るよりも明らかになるわけですけれども、私は、結論から申し上げますと、住民の意見というのは、自然環境の保全という観点からだけじゃなしに、いわゆるいろいろな事業の行われていく場合に、その事業の持つ総合的なメリット、経済的あるいは社会的に与えるいい面での影響、効果、そういうものが何かもう一つ盛り込まれてないといいますか、取り入れられていない。この法律ではそんな感じがするわけですね。メリットといっても、国家的な必要性もあれば、あるいはまた地域開発をしていく上においての効果もありますし、あるいはまた国民生活の向上あるいは社会福祉の増進、そういうのがあるわけですけれども、そういうものはどうも余り取り入れられてない、そんな感じが非常に強くするわけです。
 こういう面で、それを支持する人たちの意見を余り聞き入れられない、そんなふうなあれになっている感じがするわけですよ。だからそこら辺ももうちょっと工夫をしてもらわなければならぬかなというわけでございます。
 アメリカのNEPAという、いわゆる国家環境政策法は、私は詳しくまだ勉強はいたしておりませんけれども、聞くところによりますと、狭い意味での環境面でのあれだけじゃなくて、先ほど私が申し上げました、いわゆるメリットについても十分配慮しておる、そんなふうに聞いておるわけでありますが、そういうアメリカのNEPAも十分参考にして、そういう一部の人たちのあれじゃなくて、全体のメリットを追求できる道ももっと開いていただきたい、そんなふうに思うわけです。
 どうもこれだけだったら、何か反対のための反対をする人だけに絶好のチャンスを法律で保障しているような、担保しているような、そんなふうにもとろうと思えばとれなくないわけです。だから、日本の場合は一たんつくった法律というのはなかなかもとへ戻せない、そういう風習がありまして、時とともに価値も変わるし、環境も変わっていくわけでありますから、人間のつくる法律ですから、先ほど環境庁長官が一〇〇%完璧な法律はあり得ないと言われましたが、トライアル・アンド・エラーで、そのときそのとき修正をしていける、そういうことになれている日本であればいいのですが、一たんつくっちゃうとなかなかできませんでしょう。憲法だって、よしあしは別にして、いろいろな国々は何回か手直しをしているわけですけれども、日本は、あの環境のもとにつくられた憲法がいまだに一字一句直されずにずっと来ている。こういう一例を考えても、一たんつくってしまうとなかなかもとへ戻せないということも考慮して、さらに鋭意あらゆる角度から検討してもらいたい、この機会に再度要請をさしていただくわけであります。
 引き続いて、関係住民の意見を聞くということは、直接民主主義を持ち込むことになってくるわけでありまして、わが国の政治風土になじまないと考えますが、その点はどうですか。

発言情報

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発言者: 中西啓介

speaker_id: 8323

日付: 1982-08-10

院: 衆議院

会議名: 環境委員会