中西啓介の発言 (環境委員会)

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○中西(啓)委員 とすれば、この答申、私もちらっと読んでみたのですけれども、「行政改革を進める観点」として、「画一性を重視する行政から、それぞれの地域や部門の実情に応じた多様性とゆとりを認める行政への移行」がうたわれているわけですね。そこが一つのポイントになっているわけだし、また、国と地方の役割り分担の項目では、国の地方公共団体に対する関与を積極的に緩和する、こういうふうに強調されているわけです。ですから、このアセスメントの問題は、一つ一つの条件が全く違う地域の実情に応じて行わなければならないわけでありますが、したがって、きわめて地域性を有するものであるという考え方になると思うのです。
 また、同時に、この法律の対象事業は、いずれも地域開発の重要な柱ですね。アセスメントをやってほしいという地方もたくさんふえているという反面、開発をやってほしいという地域がさらにそれを上回る勢いでわれわれのところにも陳情が来るわけです。だから、こうした地方開発とうらはらの関係にあるアセスメントも、地方自治体のそれぞれの工夫あるいは地域特性に応じた対応を信頼して、これにゆだねることが臨調答申の精神に合致するのではないか。いわゆる中央省庁の縦割り機構、これでいつもむだもたくさんあるわけですけれども、弊害を排除して、メリット、デメリットを十分に比較考量した、真の意味での正しい総合的なプロジェクト評価が行われることになるのではないか、私はこんなふうに考えるわけです。
 この公害問題の多くがいろいろなお互いの努力で解決し、環境庁の廃止論さえ言われている昨今なんですね。ですから、何とか仕事をふやし、権限を強化していきたいというのは、私は人情論として非常によくわかるのです。わかるのですが、環境庁の立場も理解できないわけじゃないのですけれども、私も、冒頭に申し上げましたように、環境の保全が重要であるという認識において決して人後に落ちるものではありませんが、社会の厳然たる現実を無視して、このように問題の多い法案を拙速裏におつくりになろうとしている環境庁の姿勢にはどうも納得がいかぬ、そんなふうに強く感じます。
 アセスメントに関して申し上げるならば、今日の緊急の課題は、一日も早く、評価に必要な、いわゆる科学的知見の確立や、あるいは調査、予測手法の開発を行うことだと思うのです。それは率直にお認めになると思うのですが、これこそが環境庁の権威と信頼のあるアセスメント制度の確立への道ではないか、そんなふうに思うわけです。科学的に確立されている項目というのは現在ほんのわずかでしょう。幾つくらいあるのですか、二つか三つしかない。それが大事なのじゃないかな。手続だけ優先するよりその中身が大事だ。それができていないわけです。
 本日は時間の都合で、とりあえず訴訟の問題、住民意見の問題、条例の問題といったごく一部の問題点に的をしぼって質疑した次第でありますが、この法案についてほかにも、いま申し上げましたような科学的な知見の未確立の問題とか、あるいは行政改革が国家的緊急課題とされている今日、環境法体系との調整をどんなふうに考えていくのか、非常に重大な、かつ、広範囲にわたる問題が内在していることを再度強く指摘をいたしまして、ちょっとたわしでこすり過ぎた嫌いもあるかもしれませんが、しかし、円満に解決するために、けんか過ぎての棒ちぎりじゃ意味がないわけで、あえて尊敬申し上げる環境庁長官原文兵衛先生や石川要三先輩に御質問申し上げたわけでございます。どうぞよろしくひとつ御検討のほどお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 中西啓介

speaker_id: 8323

日付: 1982-08-10

院: 衆議院

会議名: 環境委員会