青山丘の発言 (本会議)

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○青山丘君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました昭和五十七年度地方財政計画並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今日の地方行政を取り巻く環境は、きわめて厳しい状況にあると言わなければなりません。すなわち、一方においては、住民要求は、各分野において以前にも増して高まってまいりました。福祉、医療、住宅、教育など諸般にわたるきめ細かい対応が求められております。他方では、財政的な制約から行政改革を進めて歳出を抑制し、同時に、住民負担となるいわゆる受益者負担の導入を図るなど、住民への協力を呼びかける努力が地方自治体に強く求められているのであります。このような中にあって、政府は、地方自治体のあるべき姿、また地方自治確立のための具体的な政策についていかなる提案をしてきたというのでありましょうか。
 わが党は、一貫して地方分権と自治の確立を基本政策として、第二交付税を初め幾多の提言を行ってまいりました。しかしながら、政府は何らの見るべき施策をも実行してこなかったと言っても過言ではありません。それどころか、むしろ多大な権限と補助金によって地方を縛りながら、住民の期待にこたえようとする地方自治体の施策を大きく阻害し続けてきたではありませんか。(拍手)
 御承知のとおり、アメリカでは、レーガン政権が新連邦主義を打ち出しました。連邦政府の権限と財源の抜本的改革によって、地方自治体の権限を一層強化しようとしております。
 鈴木総理、あなたがいま進めておられる行政改革の中で、国と地方の関係は基本的にどうあるべきと考えておられますか。総理の基本的な認識をまず伺いたいのであります。
 次に、昭和五十七年度の地方財政対策について伺います。
 政府は、地方交付税額九兆三千三百億円を見込むに当たり、一方で資金運用部より二千九十八億円を借り入れ、他方で減額留保分として一千百三十五億円を国の一般会計に貸し付けるという社会通念上理解できない、まことに不可解な方法をとっているのであります。二千億借り、一千億貸す、この貸し借りの合計三千二百三十三億円は、本来国の一般会計から支出すべき経費ではありませんか。にもかかわらず、他会計に負担をさせることは、まさに赤字国債の発行にも匹敵するものであります。歳出の節減合理化によって国債が減額されるのであれば、財政は健全化の方向とみなし得るわけであります。しかし、他会計から借り入れを受けながら国債が減額されるというのは、単なる収支のつじつま合わせにすぎません。今回の地方交付税法の改正はまさにそれであります。一般会計の収支のつじつま合わせのために地方交付税法の改正が求められているのではありませんか。
 総理、あなたは、昭和五十九年度までに赤字国債をゼロにし、財政再建を達成すると公約しておられますが、地方交付税等、他の会計に負担を転嫁して収支のつじつま合わせをする、このような他に負担を転嫁する財政再建策を今後とも推し進めようとされるのか、お尋ねをいたします。
 また、昭和五十七年度の地方財政対策では、昭和五十年以来続いてきました地方の財源不足が昭和五十七年度には解消するという認識を政府はお持ちのようでありますが、仮に百歩譲って、五十七年度に収支が均衡するとしても、地方財政はなお四十兆円にも上る多額の債務を抱えております。中長期的に見れば、依然として危機的状況にあると考えるのであります。これについてどう受けとめておられますか。
 また、このような危機を打開するために、地方財政をどのように改革するお考えなのか、総理並びに自治大臣の御見解をいただきたいのであります。
 次に、地方財政計画における単独事業費について伺います。
 公共事業費が抑制基調にある中で、地方単独事業が八・五%の伸びを確保したことは、もとより地方団体にとっては喜ばしいことではあります。しかし、これらの事業費を完全に消化することなくしては景気対策にも重大な影響を及ぼす、こう考えるのであります。すなわち、大蔵省は、国の財政が苦しいからということで、今度は地方に公共事業等を負担させようとはかったのではありませんか。また、自治省は、地方単独事業を円滑に行うために、地方自治体に対してどのような財政措置を考えておられますか。大蔵大臣と自治大臣にそれぞれお答えを願いたいのであります。
 次に、地方税制の改正についてお尋ねをいたします。
 わが党は、わが国経済の発展と国民生活の安定を図る立場から、来年度予算においては、行財政改革の断行と減税の実施による内需拡大型の予算を編成するよう強く主張してまいりました。しかるに政府は、いまや緊急かつ最大の国民的要望となっている所得税、住民税の減税を全く無視して、本格的な行財政改革に着手しないまま、財政再建の美名のもとに国民の負担を増大させることも辞さないという方針を出されたことはきわめて遺憾であります。
 特に、私は、所得税減税についてはもちろんのこと、ともすれば無視されがちな住民税減税について、政府に強くその実現を求めるものであります。
 御承知のように、住民税の課税最低限は、すでに昨年において生活保護基準額が住民税の課税最低限を上回るという逆転現象を生じるに至ったのであります。政府はこれを回避するために、昨年度限りの措置として、非課税限度額の引き上げという小手先の操作を行ったのでありますが、本年度もまた、これと同じ措置を講じようとしております。政府は、このような場当たり的な対応をいつまで続けていこうとされるのか。
 また、現在、所得税と住民税の課税最低限との間には、実に四十三万一千円の開きがあります。庶民生活の実感からすれば、住民税を納める負担が所得税よりも重く感じているのが実情であります。自治大臣は、なぜ、これらの点を主張して、住民税の減税を実行に移そうとされないのか。
 たとえば、わが党が主張するように、各人的控除を三万円ずつ引き上げても、それに要する財源は三千億円弱であります。地方財政計画四十七兆円の規模の中で、しかも一千億円以上を国に貸し付けておきながら、自治大臣は、たった三千億円の財源を減税に回すことができないとおっしゃるのでしょうか、お聞きいたしたいのであります。
 また、今後所得税減税が行われる場合には、住民税の減税も同時に行う用意があるのかどうか、総理に御答弁を求めるものであります。
 最後に、行政改革についてお聞きいたします。
 言うまでもなく、行政改革は今日最大の政治課題であります。政府は、財政再建の一環として、幾多の紆余曲折を経て行政改革への本格的取り組みに、遅まきながらその一歩を踏み出そうとしております。片や地方自治体においては、早くから行政改革を時代の要請であると認識して、その対応を進めてきたととろであります。
 しかし、そのたびごとに地方団体の行政改革を阻む大きな壁に突き当たってきたところであります。改革を阻む最も大きな壁は、国の制度及び国の行政指導に関するものでありました。現行の行財政のシステムは、国と地方の機能分担があたかも集積回路のように複雑に組み合わされて、行政改革を行おうとすればするほど、その仕組みとの調整が大きな障害となってまいります。
 具体的には、道路整備を行うにも、福祉施策を推進するにも国の許可を必要としております。そのために多大な事務手続と費用を費やしてきました。のみならず、地方自治体の自主性を著しく損なうものとなっているのであります。
 民社党は、地方自治体が公共事業を実施するに当たって、地域の実情を無視したまま不当に国が介入することを改めるため、これらの補助金を地方に一括交付し、国の計画との調整を行いつつ、地方が自主的に財政運営を行い得る体制を整備する、いわゆる第二交付税制度の実現を再三再四主張しているのでありますが、これについては、地方分権を進める立場にある自治大臣の御見解はいかがでありましょうか。
 また、政府は、補助金の整理合理化あるいは統合メニュー化方式などに加えて、さらに一歩前進した補助金制度の抜本的改革を行うべきであると考えるのでありますが、総理の前向きな御答弁を求めるものであります。
 次に、地方公務員の給与問題についてであります。
 私は、地方行政に対する不信感が国民の間に芽生えてきている最大のものは、国に比べてさえ著しく高い地方公務員の給与にあると考えるのであります。今日、地方行政の減量化、経費の節減等が厳しく求められている中にあって、国より二〇%も上回る給与の支給を行う地方団体があります。四千万円、五千万円にも上る退職金を支給する地方自治体が存在する事実は、国民の不信を買い、財界の一部で言われるような地方財政余裕論すら出てきているのであります。
 自治省は、昨年、地方団体の給与実態を公表せよと通達を出されましたが、現実にはなお多くの地方団体において公表が実施されておりません。また、公表されても、その内容は単なる年齢と職員給の一覧にすぎません。肝心の地元企業との比較、あるいは条例に違反したやみ手当やわたり、昇給短縮といった不正な給与支給実態を国民の目に明らかにしなければ、何ら問題の解決にはなりません。(拍手)
 自治大臣は、今後給与の実態公表についてさらに改善を進め、真に実のあるものにするためにどのような指導を行っていかれるのか、自治大臣のかたい決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕

発言情報

speech_id: 109605254X00819820223_014

発言者: 青山丘

speaker_id: 24104

日付: 1982-02-23

院: 衆議院

会議名: 本会議