田島衞の発言 (本会議)

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○田島衞君 ただいま議題となっております地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について、新自由クラブ・民主連合を代表し、若干の意見を加えながら、数点にわたり質問をいたします。
 まず、地方交付税法の改正についてでありますが、過去数年来、地方交付税の総額の算出に当たりまして、地方自治体の一般財源不足との間に著しい差額があるにもかかわらず、その補てんは交付税率の引き上げによって行うことなく、もっぱら交付税特別会計の借り入れと基準財政需要額の起債振りかえ等によって、一時的対策により措置されてきていることは周知の事実であります。そして、今回の改正の内容もまたしかりであります。
 しかし、地方交付税法上では、地方自治体の一般財源不足額に対して普通交付税の総額が引き続き著しく異なる場合には、制度の改正または交付税率の引き上げを行うことと明文をもって決められているはずであります。引き続きとは大体どのぐらいかと政府側に聞くと、大体三年程度だ、こういうことでありますから、そのような解釈からすれば、当然、政府みずから法の趣旨、目的に照らし、あるいは法六条三項の条文に照らしても、いつまでもその場しのぎの改正を繰り返すのではなく、抜本的制度の見直しをするなり、あるいは交付税率の改定を行うなりすべきだと思いますけれども、この点についてお考えはいかがか、お聞きしたいと思います。
 一つの例を取り上げてみますと、いまの都道府県段階での不交付団体といいますか、交付を受けていない団体は東京都ただ一つであります。その東京都が、では黒字団体かというとそうではない、ずっと赤字団体であります。であるにもかかわらず、その東京都が不交付団体としてたった一つ残されている。残していなければ地方交付税法そのものの存在に大きな問題が起きるからでもありましょうけれども、その東京都は大都市特有の財政需要を抱えていることは皆様も御承知のとおりであります。
 その大都市特有の財政需要について、もしそれ十分なる認識がされ、そして特有の財政需要について認められることがあるとすれば、恐らく東京都もまた交付団体になることは必至だろうと思います。そうすると、もう都道府県団体では不交付団体は一つも存在をしないということになるわけであります。それでは地方交付税法そのものの存在に大きな問題が起きるということのために、何となく無理やりに不交付団体の一つとして残されているという感じであります。
 しかし、その東京都は不交付団体であるということのために、毎年赤字財政を余儀なくされているにもかかわらず、大変な不利な立場に立たされている。たとえば、富裕団体とみなされたがゆえに、義務教育教職員の給与費国庫負担金や地方道路譲与税等についてまで減額措置を受けているわけであります。
 しかし、地方交付税の算定上、財源超過団体であることをもって直ちに富裕団体ときめつけることは大変な間違いだと思うわけであります。特に義務教育教職員の給与費国庫負担金のごときは、これは地方財政法に基づくところの国庫負担金として、その団体の財政状況がどうであろうと、それにかかわりなく国が当然支出すべきものだと思いますけれども、そのことについても大変な不利益処分を受けている。
 また、電電公社等の国有施設等の所在市町村交付金等においても、一般府県方式で算定されたものの額の十分の三に抑えられているというこの事実を一つの例として申し上げたいわけでありますけれども、要するに、長い間この地方交付税法における総額の算出において無理をしておる。そのことがいま申し上げましたような幾つかの問題を生み出しておるわけでありますだけに、もうそろそろ小手先だけの、毎年決まり切ったような改正ではなくて、抜本的に地方交付税法そのものの制度の改正なり、あるいはまた税率の引き上げなりをやらなければいけないと思いますけれども、その点について、ぜひとも明確なお答えをいただきたいと思うわけであります。
 第二点は、地方財政計画についてでありますが、このことについては、もうすでにほかの質問者からもいろいろ出ておるようでありますので重複は避けますが、明らかにつくられた数字の計画だと言わざるを得ない。歳入面においても歳出面においても、その点を明らかに感ずるわけでありますが、もしそれ、後日においてこの数字に大変な誤りがあるとわかった場合には、どのような措置をされるのか、今後どのように改められるのか、その点だけをお伺いしたいと思うわけであります。
 第三点は、地方税法の改正についてでありますが、この地方税法の改正について、具体的な内容については申し上げませんけれども、およそ税というものは、必ずその反対給付を約束するものであることは言うまでもないことであります。
 そういうことを考えてみたときに、従来、国民が納めるところの租税総額の国と地方の配分状況を考えてみますと、年度によって多少の差はありますけれども、おおむね最終的には地方団体が全体の約八〇%ぐらいを使って仕事をしているにもかかわらず、国が徴収する割合は約六〇%以上であります。本来、納税者が税金を納め、納める以上は、その税の反対給付として何かの仕事をしてもらいたいというその仕事を地方団体が八〇%やっておるとすれば、理屈どおり言えば八〇%を地方が徴収をしてもいいということにもなるでしょうけれども、それは一概に言っても無理だろうと思いますが、いずれにいたしましても、地方が租税総額の八〇%を使って住民の負託にこたえた仕事をしているにもかかわらず、六〇%以上を国が租税徴収をしているということについては、やはりそこに不合理性があるものだと考えますだけに、ぜひ国と地方の税配分の再検討をしていただきたいと思うが、その点についての政府側のお答えをいただきたいと思うわけであります。(拍手)
 よく地方自治は政治の原点だと言われます。憲法以下あらゆる法律に地方自治の本旨ということがうたわれる。うたわれるだけで、なかなかその地方自治の本旨は守られないという現状の中で、その地方自治体運営の自主性を高め、地方自治の本旨を貫くために、ぜひこの税配分の問題、地方交付税法の制度の再検討あるいは税率の問題等について検討をしていただきたいと思うだけに御質問を申し上げた次第であります。(拍手)
 それからもう一つ、増税の負担の中で苦しむ住民の立場というのは、たとえその税金が国税であろうと地方税であろうといささかも変わりはないと思いますが、国の財政事情が苦しいということのために、その影響を受けて地方行財政へのしわ寄せが行われる。そのしわ寄せの中で、地方税がいろんな形で増税をされるということは、これもまた一つの増税だと思うわけであります。このことについてもいろいろお話が出たようでありますから重複は避けたいと思いますけれども、たとえば固定資産の評価がえにしても、一体評価がえをしなければならぬ理由がどこにあるのか。何のことはない、評価がえという形で増税をしているだけだと思うわけでありますし、その評価がえをすれば必ず土地は上がる。土地が上がればそれに伴ってあらゆるところに影響が出てくるのは当然でありますけれども、これもまたお考えをいただかなければならないところだと考えるわけであります。
 最後に、総理にお伺いをしたいと思いますが、申し上げましたとおり、地方自治というものが大切なものだとすれば、その大切な地方自治の本旨を守るために、現行の地方交付税法あるいは地方税法、地方財政計画等、あらゆる面で行き詰まり、不合理性を発揮しておると思いますが、そのような現行制度の不合理性、行き詰まりに対して、総理としてどのような立場で、どのようなお考えを持って地方自治の本旨をお守りいただこうとするのか、ぜひお聞かせをいただいて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕

発言情報

speech_id: 109605254X00819820223_023

発言者: 田島衞

speaker_id: 29789

日付: 1982-02-23

院: 衆議院

会議名: 本会議