渡辺美智雄の発言 (本会議)
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○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
まず、増税なき財政再建の約束の変更、これにつきましては、ただいま総理が詳しく御答弁申し上げたので、そのとおりでございます。
それから、五十九年度赤字国債の脱却の方針、これも変わらないということ、ただいま総理が答弁したとおりでございます。
その次は、五十六年度の歳入欠陥三兆円の問題、これにつきましても、いまそういうような心配が多い、それの対策としては決算の調整資金その他というお話がありました。はっきりしたことは七月上旬にならなければわからぬが、そういう懸念があるというようなお答え、そのとおりでございます。
そこで一つ、物価の問題と税収見積もりの話で、私が物価が安定したために税収見積もりに食い違いがあったということを言って歩いているんじゃないかというお話でございました。
これはもちろん物価だけではございません。ございませんが、物価というものが非常に名目成長に影響がございます。名目成長というものは税収にかなり影響がございます。税金は実質で課税をいたしません。名目課税でございます。
そこで、過去の例を見ますと、たとえば昭和四十八年のように狂乱物価のときには、名目成長一六と考えたら二一になった。卸売物価が一番敏感ですから、当初卸売物価が二%ぐらいと思ったら二〇%も上がった。こういうようなときには、非常に興味あることには税収が二〇・六%も当初見込みよりもふえたという現実がございますし、同じ四十九年は、やはりGNP一二・九と見たら一八・四、この中には、卸売物価一四・六と見たら二三・五、こういうようなときにやはり一〇%近い九・数%の税収増になっておる。
ところが、それと正反対に、昭和五十年の場合は、名目成長一五・九、約一六と見たら、これが一〇%減ってしまった。このときは、卸売物価は七・九%が一・九に非常に見込みより下がってしまった。こういうときには当初の見積もり違いが約二〇%出ております。そして三兆五千億円の見積もり違いが出ている。
そういうように非常に大きな関係がありますということを……(発言する者あり)言いわけじゃなく事実関係を私は申し上げておるわけでありまして、たとえば、今回も最初九・一%の名目の見積もりを立てたが実際は五・二というようなことで、卸売物価が四・一ぐらいで年度間推移すると思ったが一・四、これは実はありがたいことでございまして、非常にいいことである。したがって、そういう中で、しかもアメリカあたりが物価を安定させるために物すごい高金利政策をとって、その結果失業もふえておる。そういうような中で、今後もまたさらに失業がふえそうだという状態、そういう中で日本では二・四%、確かに多少ふえておりますけれども、イギリスの一一%、アメリカの九・三%とか、そういうようなものと違って、日本は失業の状況も、ほかの国と違って、同じ石油を使いながら非常にいい状態にある。したがって、サミットなどでも、日本は大変模範としなければならぬというようなことを言う人までありまして、私は経済政策が大失敗だというようには考えておりません。残念ながら税収に見込み違いがあったことは事実でございます。
それから、その次は高金利の問題……(発言する者あり)ちょっとそこ静かにお願いします。高金利の問題についてお話しいたします。
アメリカの高金利についてサミットで何か約束ができたかできないかということでございますが、これはもう本当に世界じゅうまいっておりまして、アメリカももう六%台まで物価が鎮静したんだから、何もいまさら一六・五%というようなプライムレートはなくたっていいじゃないか、預金金利も一三よりもっと下げたっていいじゃないか、これは世界じゅうから非常に強く言われたことは事実でございます。
しかしながら、これに対して向こうの言うのは、言っていいのかどうかわかりませんが、要するに、これは政府が高金利にしているんじゃないんだ、これは連邦銀行がやっているんだ、われわれもそれによって被害を受けているんだ、自動車は売れないし、住宅は建たないしということをおっしゃいまして、問題は、要するに赤字財政だからだ、結局膨大な財政赤字ということで、国家資金が優先的に市場から金を吸い上げるというような状況があるために金利が下がらないんだ、いま議会と話をして歳出カットを徹底的にやっていく、歳出カットが終われば、金利はともかくそのうち何とかなるだろうというようなお話だけであって、きちんと金利を下げますとかどうとかというようなことまで取り決めができなかったということは事実でございます。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)
〔国務大臣河本敏夫君登壇〕