金丸三郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参議院議員(金丸三郎君) 中井議員の御質問にお答え申し上げます。
第一のお尋ねの点は、このたびの改正案の審議経過等につきましてどう考えるかという点でございます。
参議院におきましては、参考人の意見聴取でございますとか公聴会の開催でございますとか、私どもは十分な御審議をいただいたものと考えておりますけれども、各党の御理解、御賛同を得られませんでしたことはまことに残念に存じております。衆議院におきましては、より十分な御審議をいただき、各党の御理解を得たいものと考えております。
第二のお尋ねは、定数是正についてのお尋ねでございます。
この点につきましては先ほどもお答えを申し上げたところでございますが、私どもも緊急を要する重要な課題と思っております。できるだけ早く結論を得、この問題の実現を図りたい、かように考えておる次第でございます。
次のお尋ねは、個人の立候補の自由の制約に関するお尋ねでございます。
この点も先ほどお答えを申し上げたところでございますが、憲法第十五条第一項に基づきます基本的人権としての参政権の一内容でございますけれども、その具体的なものは選挙制度におきまして現実に確保されなければならないものであり、その際、合理的な選挙制度に由来する制約でございますならば、私どもはその制約に服さなければならないものと、かように基本的に考えておるわけでございます。
このたびの比例代表制は、現行の全国区制の弊害を除去し、かつ政党が議会制民主主義の不可欠な要素であり、国民の政治的意思形成の媒体としての重要な機能を果たしているという現実を踏まえまして、国民の政治的意思を適正に国会に反映させようとする目的をもって行おうとするものでございまして、全国民の代表を選ぶのにふさわしい選挙制度の採用である、こういうふうに考えておるわけでございます。このような合理的な理由から、個人としての立候補の自由の制約がございましても、私どもはやはり制約されることもやむを得ない、また、憲法上見ましても合憲である、憲法の許容するところであると考えておる次第でございます。
次の政党の要件についてのお尋ねでございますが、私どもはやはり政党らしい政党であることが望ましい。政党らしい政党とは何かと考えますと、政治資金規正法に政党に関する規定がございます。公職選挙法に御承知のように確認団体の規定がございます。いわゆる国会議員五名、候補者十名というものでございます。この二つの要件とこれらとの関連を考えまして、直近の総選挙あるいは通常選挙における得票四%というものを政党の要件と考えたわけでございます。
次に、供託金についてのお尋ねでございますが、供託金の額の引き上げにつきましては、昭和五十年の前回の引き上げ以来、物価水準の動向あるいは従前の供託金額の引き上げ等の例にかんがみまして、すべての選挙を一律に倍額としようとするものでございます。
供託金の没収についての御意見でございますが、このたびの比例代表の選挙におきます供託金の制度の目的は、野方図な名簿登載者を擁立するととを防止するということでございます。したがいまして、現行法の没収の手法では制度の目的は達成することができません。したがいまして、当選人の数という選挙の結果と名簿登載者の数とを結びつけまして没収の手法を採用いたしたわけでございます。
次に、このたびの改正法案第百七十八条の三の規定についてのお尋ねでございますが、この規定は、名簿届け出政党等に所属する選挙区選出議員候補者が、みずからの選挙運動として、自己の属しております政党への支持を訴えますことは自然の現象でございまして、これを禁止するととはとうてい事実に反して、私どもは余りにも不自然だと考え、比例代表制の選挙運動をも行うごとができるという現実的な解決を図っただけでございます。決して大政党に有利な改正というものではございません。比例代表選挙と地方区の選挙が同時に行われますので、地方区、いわゆる選挙区の選挙運動が自然に行われるように法で措置をいたしたにすぎないわけでございます。
次のお尋ねは、選定罪についてでございます。
私どもは、名簿の作成が今回の拘束名簿式比例代表制のきわめて重要な点でございますので、本来ならば政党に全部任せてもいいわけでございますけれども、やはり国民の立場から名簿の作成が公正に行われることを担保いたしますために、最小限度の罰則規定を設けたものでございます。とれによって政党に対する干渉ということは私どもは万ないと、かように信じております。
次に、当選後の議員の離党につきましてのお尋ねでございます。
拘束名簿式でございますけれども、政党名を書いて投票いたしましても、当選人として国会議員になってまいりますのは自然人である候補者でございます。そして法律的に議員としての身分を取得するわけでございますから、当選後政党の所属を離れることがございましても、議員の身分がそれによって左右されるべきものではない、これが私どもの基本的な考えでございます。
政党の離合集散の場合につきましても、私は同様に考えてよろしいかと思います。ただ、名簿の取り下げの規定を設けて、繰り上げ補充の対象とはいたさないことにいたしております。
繰り上げ補充の期間の問題でございますが、これにつきましてはいろいろお考えがございましょうけれども、拘束名簿式は、政党に与えられた議席を維持するという意味合いから考えまして、任期の六年間繰り上げ補充ができるようにいたすことが妥当だと、私どもはかように考えたからでございます。
次に、国民になじまない政党投票をすることはどうかという趣旨のお尋ねでございました。
私どもも、この点は十分に今後とも考えてまいらなければならないところであると思っております。確かに、わが国は個人投票本位で、政党投票にはなかなかなじまないという心理が国民の中にあると思います。だんだんと理解は深まってまいると思いますけれども、この点は十分に考え、もしこの法律が成立をいたしましたならば、政党におきましても、あるいは政府におかれましても、この制度の趣旨を国民に徹底させ、そしてこの制度にふさわしい投票が行われますように努めてまいりますことが大事であると、かように考えておる次第でございます。
次に、わかりやすい選挙制度についてのお尋ねでございますが、投票の方法につきまして私どもが自書式を採用いたしますのは、有権者が投票に当たりまして慎重に考慮して決断するということが適当ではないかということ、また、選挙の管理、執行上の問題もございますので、自書式を採用することがやはり妥当ではなかろうかと、かように考えた次第でございます。
次に、ドント式を採用いたしますことにつきましてのお尋ねでございます。
ドント式は、得票数に比例させる方法の一つでございます。私どもは、ドント式は、端数の処理におきまして単純比例式における場合のような矛盾も生じませんし、最も合理的な制度であり、日本国民として最もわかりやすい制度であると、かように考えて、この制度を採用することといたしたのでございます。
次に、この選挙制度施行後の参議院のあり方についてのお尋ねでございます。
私どもも、参議院がチェックの機能を発揮し、また、できるだけ長期的な視野に基づいて国政を審議するということが望ましいということは、十分に考えております。参議院の独自性の発揮には、選挙制度の面からと、先ほどもお答え申し上げましたように、参議院の運営の改善あるいは制度の改善、この両面から目的を達成するように努力をしてまいるべきであろうと、かように考えておる次第でございます。この点、参議院に現在籍を置いております私どもとしては、十分な責任を感じて、そのような努力を払ってまいらなければならないと、かように考えておる次第でございます。
最後に、修正についてのお尋ねでございますが、私どもは、参議院の委員会等におきましても繰り返しお答えを申し上げましたように、私どもの案が決してベストとは思っておりません。十分に御意見をお聞かせいただき、本案に対しまして衆議院におきまして慎重な御審議を心からお願いをいたしておる次第でございます。(拍手)
〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕