金子満広の発言 (本会議)
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○金子満広君 私は、日本共産党を代表して、鈴木内閣不信任決議案に対し、賛成の討論を行います。(拍手)
言うまでもないことでありますが、いまわが国政治に課せられている最大の責務は、金権腐敗政治の徹底的な究明であり、核戦争の阻止と軍縮、国民生活の安定と日本経済の危機の打開であります。
しかるに、発足以来二年、鈴木政治の実態は、この責務にことごとく背を向け、世紀の疑獄ロッキード事件の真相の隠蔽であり、党利党略に基づく公職選挙法の改悪の強行であり、そしてレーガン戦略に直結した空前の大軍拡、そして国家財政を破局に導く恐るべき歳入の欠陥であります。
すでにわが党は、この六月二十一日、本院における瀬長副委員長の質問で鈴木内閣の退陣を要求しましたが、いまやこの悪政に対する国民の怒りは、世論調査の結果によっても支持率わずかに三〇%、国民はすでに鈴木内閣に対する不信任を表明しているのであります。(拍手)
以下、私は具体的に不信任の理由を申し述べます。
その第一は、成立以来鈴木内閣は、口では綱紀粛正や政治倫理の確立を唱えてきましたが、実際にやってきたのは、自民党政府みずからが、ロッキード事件のその資金の受領者として国会に報告したいわゆる灰色高官について、その政治的道義的責任の追及をことごとく避け、逆に灰色高官の擁護と黒い高官の弁護であり、構造汚職を温存するということでありました。
特に、鈴木総理は、自民党総裁として、その灰色高官を重要な役職である与党の幹事長に任命したのであります。
その上、政府・自民党は、六月八日、ロッキード事件全日空ルート判決で、二階堂幹事長の資金受領が明白になったにもかかわらず、その証人喚問をかたくなに拒否しているのであります。しかも、現行議院証言法で証人喚問ができるのに、そして現に過去三十五年間にわたってこの法律によって証人喚問を行ってきたのに、いよいよ問題が核心に迫るや、突如としてその改悪を提起し、これにすべての野党が同調しないなどということを喚問拒否の理由にしていることは言語道断であり、断じて許すことはできないのであります。(拍手)有罪判決を受けた佐藤孝行君の辞職勧告決議案の本会議への上程を拒み、握りつぶすことなども、国民に対するあからさまな挑戦であります。
不信任に賛成する第二の理由は、鈴木内閣が議会制民主主義をじゅうりんし、憲法改悪をたくらむ恐るべき政権だということであります。
その最たるものが、鈴木内閣と自民党が今国会の最優先課題として四回にわたる強行採決を繰り返してきた参議院全国区制度の改悪であります。
本来、民主主義の根幹にかかわる選挙制度の改革は、各党各会派の合意のもとに進められるべきものであり、総理自身がつい先日までこのことを主張していたのであります。いま公職選挙法の改正について言うならば、何よりも参議院地方区及び衆議院選挙区における定数不均衡の是正であり、選挙活動自由の拡大であります。同時に、参議院の全国区制については、主権者である国民の意思が真に民主的に反映する比例代表制の導入であり、一切の差別を排除するということであります。
ところが、自民党案は、国民の参政権及び法のもとに平等をうたった憲法の大原則に反して、少数政党や無党派の人々から立候補の権利を奪い去るというものであり、政治活動、言論の自由を大きく圧迫するものであります。しかも、そのねらいが自民党の多数議席の確保であり、むき出しの党利党略であることは改めて指摘するまでもないことであります。したがって、わが党は抜本的修正案を提起してまいりましたが、総理は初めから修正を拒否し、本院公選法の特別委員会でも自民党が強引な採決を行ってきたことは、断じて容認できるものではありません。(拍手)
さらに指摘しなければならない問題は、自民党鈴木総裁のもとで憲法改悪の作業が現に公然と進められているという事実であります。これは歴史の歯車を逆転させ、圧倒的多数の国民の憲法改悪反対の声に敵対するものであり、絶対に許すことはできません。いま内外から厳しい非難にさらされている教科書の書きかえ問題及び靖国神社への閣僚の集団的な参拝も、この憲法改悪のたくらみと軌を一にするものであり、問われているのは鈴木内閣それ自体の政治的な責任であります。
不信任賛成の第三は、鈴木内閣がレーガン政権の核戦争政策に従い、際限なき軍拡を国民生活の犠牲の上に強行しているということであります。これは日本を限定核戦争に巻き込むという民族の存亡にかかわる重大問題であります。昨年五月鈴木・レーガン会談における日米同盟の合意は、今年度予算における軍事費の異常な突出としてあらわれました。そして、日米共同作戦の強化、さらには五六中業に見られるように総額十六兆円を超える大軍拡計画の強行へと拡大してきているではありませんか。しかも、鈴木内閣は、国会の決議と八千万人署名に示された核兵器の廃絶と核兵器使用禁止への国民の総意を無視して、昨年の秋の国連総会における核不使用決議の反対に引き続いて、先般の軍縮総会においてもこの課題に背く態度をとり続け、さらにアメリカ政府の核先制使用を容認する発言などは、世界唯一の被爆国民としてとうてい許せるものではありません。(拍手)
不信任の第四の理由は、財政再建の看板を掲げながら財政危機を一層破局に導いてきているということであります。総理は、五十九年度赤字国債脱却に政治生命をかけると幾たびも公言をしてまいりました。しかし、すでに五十六年度の二兆五千億円に続き、五十七年度にはさらに四兆ないし五兆円という歳入欠陥が出ることは不可避であります。この歳入欠陥を生んだ原因が、アメリカ従属、大企業奉仕、勤労者への実質増税、福祉、教育の切り捨てなど、鈴木内閣の経済政策がもたらした消費不況にあることは、いまや覆うべくもない事実であります。(拍手)
事態は、鈴木内閣が一日長く存在すればするほど国の安全と国民の生活はさらに深刻となり、金権腐敗政治は温存され、政治不信は一層広がるであろうことは明白であります。(拍手)
総理、あなたがいま国民に奉仕する道はただ一つ、潔くみずから退陣することであります。(拍手)
最後に、私は、広範な国民の鈴木内閣に対する非難と糾弾の声が高まっているまさにこのとき、同僚議員諸君が党派を超えてこの国民の声に正しく耳を傾け、鈴木内閣不信任決議案に賛成されることを訴えて、私の討論を終わるものであります。(拍手)