寺田熊雄の発言 (公職選挙法改正に関する特別委員会)

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○寺田熊雄君 「純粋な一個人の立場における国民の立候補を許さない、そうした個人への投票を認めない比例代表制は、憲法第四十三条、第十五条、第十三条、第二十一条、第四十四条ただし書き、第十四条等に違反する」というのが本改正案への最も有力な反対論であると存じます。
 これに対しては、なるほど憲法には比例代表制に関する規定がないのでありますけれども、憲法第十五条の参政権、とりわけ被選挙権は、他の国民的利益、憲法十二条、十三条にうたわれております公共の福祉を守るために必要な合理的な範囲内であればこれを制限し得るという考え方も十分に成り立つと存じます。
 憲法第十五条の参政権の中の被選挙権は、選挙権に比べますといわゆる基本的人権としての価値はいささか軽いように私には考えられるのであります。それは選挙権と違いまして衆議院議員は二十五歳以上、参議院議員は三十歳以上という制限を受けておりますし、これは公選法第十条によるものであります。一般の国家及び地方公務員もこの権利を奪われております。これも公選法の第八十九条が規定しております。また、選挙犯罪を犯した者も同様であります。これも八十六条の二で規定せられております。
 そのほか一定の金額の供託を義務づけられておるのでありまして、すべてこのような制限は他の国民的利益あるいは公共の福祉のためには被選挙権は制限し得るし、その制限の度合いも選挙権に比して大きなものであり得るということを物語っておると存じます。まして、それは憲法第十九条の思想及び良心の自由、第二十条の信教の自由、第二十一条の表現の自由のような絶対不可侵のものとは考えられません。提案者はこの被選挙権の基本的人権としての性格についてはどのようにお考えでございましょうか、まずこの一点。
 さらにまた、この基本的人権を制約する比例代表制が追求する国民的利益あるいは公共の福祉については、有権者の意思を公正かつ合理的に国会の議席に反映させるという目的、あるいは政党政治の現実を踏まえまして、政党政派の実勢力をできるだけ公正に国会の議席に反映させるためなどという説が行われておりますが、提案者はこの国家的利益についてはどのようにお考えでございましょうか、これをお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 寺田熊雄

speaker_id: 30748

日付: 1982-07-07

院: 参議院

会議名: 公職選挙法改正に関する特別委員会