寺田熊雄の発言 (公職選挙法改正に関する特別委員会)

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○寺田熊雄君 次に、一定の政治団体に所属することを立候補の要件とすることは、一定の身分を被選挙権行使の要件とすることになり、それは憲法四十四条ただし書き、ひいては十四条の規定に違反するという反対論がございます。また、無所属のまま立候補するというのは一つの信条と言えるから、信条による差別にも該当するという説もあります。
 まず、身分の問題でありますが、憲法の文言は言うまでもなく社会的身分または門地による差別の禁止を規定しておるのでありまして、この社会的身分という意味は、歴史的に見て出生や職業あるいは階層によって決定せられる社会的な地位を指すことは明らかであります。これを被選挙権行使の要件としての政治団体所属というごとき政治的な資格に当てはめることは無理であると考えます。
 無所属でありたいとすることを、憲法の言う人種や性別あるいは社会的身分と並んで平等原理の一要件たる信条に含まれるとすることは、私にも牽強付会の議論のように思われます。ここに言う信条とは歴史的にはもともと信仰を意味したものでありますが、現代ではこれに政治的な主義、思想ないし信念を加えても差し支えないと存じます。したがって、それは無所属でありたいというようなきわめて部分的な政治的願望や、反対の立場をとるのにそれほど厳しい良心的な抵抗を必要としない技術的とも言える政治上の欲求あるいは考え方というようなものにまでこれを延長することは、かえって法のもとの平等を実現せんとするこの重要な憲法上の基本原理を矮小化すると申しますか、軽いものにする解釈のように思われます。これについては提案者としてはどのようにお考えでございましょうか。

発言情報

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発言者: 寺田熊雄

speaker_id: 30748

日付: 1982-07-07

院: 参議院

会議名: 公職選挙法改正に関する特別委員会