河本敏夫の発言 (物価等対策特別委員会)
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○国務大臣(河本敏夫君) いま二・九%という数字を申し上げましたが、これは一月から十二月までの暦年で言ったわけでございます。五十六会計年度ということになりますと、四月から三月まででございますので、この数字はまだわかっておりません。六月になりませんとはっきりいたしませんが、いずれにいたしましても五十六年度の成長が三%に達するということは非常に厳しい現状であろうと、このように判断をしております。
五十七年度のGNPの規模は二百七十七兆と想定をしております。仮に三%成長のものが五%成長になる場合に二%違う。三%と五%というと非常に大きな数字の違いのように思われますけれども、GNP全体から見ますと、五、六兆の最終需要が拡大すればそれでいいと、こういうことでありますから、仮に二百八十兆といたしますと、二百八十五、六兆の経済の規模になればいいということでございます。
そこで、いま政府の方として考えておりますことは、去る三月の中旬に五十七年度の経済運営の基本方針を決めましたが、その第一は、金融政策を引き続いて機動的に運営するということでございます。わが国の物価水準は、消費者物価に関する限り三%台が続いておりまして、また国際収支も黒字になっております。そこで、国際的な金融情勢さえ条件が変化すれば、日本の国内の需要は機動的に金利政策で展開できる条件は熟しておるわけでございますので、引き続いて環境の整備を待って機動的な展開をしていきたい、このように決めたところでございます。
それから第二点は、政府並びに地方の関係の公共事業、これは土地代を除きまして約二十四兆ございます。これを上半期七七%台の執行率を確保しようと、こういうことを決めました。したがって、上半期には約十九兆円、下半期には約五兆円と、こういう数字になります。例年は六五%前後でありますから、一二、三%も上がりますから、土地代を除きましても三兆、土地代を入れますと約四兆見当の上半期に事業量が拡大をすることになります。
それからまた住宅は、ことしは百三十万戸を計画しておりますが、その半分が何らかの形で公的資金が入る住宅計画になっておりますので、この分についても最大限上半期に繰り上げて執行をしていこうと、こういうことも決めたところでございます。
また、昨年発生いたしました災害が約一兆円ございますが、これも五十七年度中にできるだけ多くを執行していこう、できれば八割見当をやってしまおうと、こういうことも決めております。
さしあたっては、このように公共事業並びに公的住宅その他の投資を上半期に集中することによりまして景気回復策を図っていきたいとさしあたっては考えておりますが、後半民間経済の力が出てまいりますと、それはそのとおり大変結構になるわけでありますが、もしそのとおりいかないと、その場合には何らかの対策を立てなければなりません。建設省あたりからは公共事業の追加をもう少し具体的に明らかにすべきであるという要請も出ておりますが、その問題につきましては、経済の活力が維持できるような、そういう経済政策を適当な時期に具体的に考えていきましょう、ここまでは政府の方針が決まっておりますけれども、まだ具体的な中身につきましては最終の合意はできておりません。ただしかし、経済の活力を維持、拡大をすると、これがすべての政策の基本でございますので、以上申し上げましたような方向で五十七年度わが国の経済が回復するような、そういう方向に努力を集中してまいりたいと考えておるところでございます。