渡辺美智雄の発言 (本会議)
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○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
野党が一切増税を認めなければ減税はできない、こういうようなことは減税を種に増税につけ込む気かと、簡単に言えばそういう御質問だと思います。
問題は、何千億という減税をするのには、その分だけ歳出をカットするか、他の部分で税をふやすか、あるいは借金するか、三つしかないわけですから、借金はふやさない、歳出カットも、何千億というはっきりつかんだものができればいいですよ。できなければ、やはりそれにかわって、皆さん方も要するにいろいろ大企業から取れとかなんとか言っておるわけでしょう。これは言っていることは、やっぱりよけい取るわけですから、小さく解釈すればその部分においてはやはり増税になるわけです。したがって私は、要するに全体として整合性がとれなければならないという意味のことを申し上げたわけでございます。
それから大企業の優遇税制について、退職給与とか貸し倒れとかその他いっぱいまだ残っているじゃないか、これは大企業奉仕であるという御主張でございます。
われわれといたしましては、いろいろなそういう御主張があって、貸し倒れ引当金等につきましても、金融保険業を除きこれも改正をいたしておるわけでございますし、その他、目的、の達したものはやめたり、あるいは率を減らしたりして年々見直しをやっておるわけです。これは政策目的でやっているわけですから、全部なくしてしまえと言われましても、それは見解の相違でできません。しかしながら、退職給与引当金については実際の繰入率と引当率との間に差があるではないか、だからこれはもっと見直せという御主張がございます。この御主張については、引き続き検討作業を続けたいということを申し上げておるわけでございます。
それから大企業の優遇について財界が反対したので企業増税をやめちゃったという経過を説明せよということでございますが、やめちゃったわけでなくて、それは直すものは直す、検討中のものは検討中、やらないものはやらないということをはっきりさせただけでございます。
土地税制のことでございますが、これは地主や土地投機家ばかりを優遇しているじゃないか。これは八千万円を超えたものは四分の三は総合課税にしますよと。ところが、いま言ったように、いまの税率構造は非常にきつうございますから、四千万円もともかくふえてまいりますと、これはかなり高い総合課税になります。地方税とか何かで七割強の、実効税率でも五割五分以上の税金を取られるわけです。
したがって、そうなると土地を持っておいた方がいい、売らなくてもいい、固定資産税を払えばいいのじゃないかということになって、半分以上も取られてしまうのではということになって、土地が出てこない。土地が出てこなければ住宅も建てられないということになりますから、これは政策判断の問題でございまして、どちらを優先するかという問題でございます。景気対策あるいは住宅対策という点から、やはり土地を金にかえても半分なくなってしまうということよりも、この際は少しなくなる部分を小さくしても土地の供給をふやした方がいいという政策上の決定でございますから、どちらをとるかということであって、それでは土地を増加させて住宅をふやす、両方とろうということに決めたことでございますから、これはもう見解の相違でございます。
それから利子配当の総合課税について、大蔵大臣は高額所得者は九三%も取られると言うが、うそじゃないか、大違いじゃないかということであります。これは言い方の相違でありまして、たとえば八千万とか九千万とかというところで仮に百万ふえても、ふえた部分について九三%取られますよ、九十三万円。一千万円ふえると、ふえた部分については九百三十万円取られます。だから、ふえる部分については高率の課税になりますということを私は申し上げたわけでございます。しかし、下の方の部分は安いのじゃないか、したがって総合的に全体の税額では八割です。これも、あなたの言うのも正しいし、私の言うのも正しいということでございます。ふえた部分についてはと私言っているのですから。
その次は、利子配当を総合課税にせよ、税率構造の緩和は断念すべきだと。高額所得といってもいろいろございまして、ともかくこれは御時勢で、皆さんが所得税減税と言う一つは、課税最低限も五年間動かさないということがございます。したがって、これは実際課税最低限は諸外国から見れば高いのだけれども、五年間も動かさないということも事実だし、それによる重税感があるということもわれわれは認めているのです。したがって、これらについては何かうまいことがないか、方法がないかということで、ともかく大蔵委員会等で少し専門的にすぐ研究してもらおうということになっておるわけでございますから、決して認めていないわけじゃないのであります。
ただ問題は、この総合課税ということ、全部総合課税に今度はなるわけですから、そういうことになりますというと、たとえば一億とか何億とかというとぴんとこないのですけれども、仮に一千二百万円程度の所得のある勤労所得者、子供二人の標準家庭の場合に、九百万までいいんだといっても、それを知らないで、実は郵便局には余りなかった、国債も持っていなかった、銀行だけともかく五百万持っておったと、定期性預金の話ですから。そうすると、三百万まではそれは免税のことができますが、あとの残りの二百万円あるいは百万円、たとえば百万円でもいいです。七万円の仮に利息が定期でついた。そうすると、仮に千二百万円の人だと今度は地方税もかかりますから、その所得については一千百五十万から一千二百七十万ぐらいの人だと五二%、七万円の半分以上が税金になります。そういう話を私は申し上げて、したがって高額所得というけれども、税率構造の税率区分の問題について、ともかくも高額所得という概念等についても、これは昔と同じく一千万円固定ということはいかがなものかということを申し上げたわけでございます。(発言する者あり)いやいや、それは全部つながっておるわけですから。
その次は税収の見通しについて、税収不足は一兆円を超えるのではないかというお話でございます。
この点につきましては、これは額が幾らになるか、税収不足が何兆円、何千億円ということにつきましては、申告の結果がわからないということと、それから法人の決算もまだやっていないというようなことで、よく実際のところわからない。意外といいところはいいんですよ、法人でも意外といいところはいい。したがって、どういう結果になるか。悪いところはともかく去年も赤字だったが、ことしも赤字だったという点もございますし、いいところが伸びているというところもあります。悪いところはもう去年も税収に関係がなかったわけですから、いいところがふえて、どの程度までこれがふえるか、しかし去年税金を納めたところがどれくらい減るか、これについてはまだ具体的にわからないというので、はっきりしたことを申し上げることは残念ながらできないのであります。
それからグリーンカードの実施時期の問題等については、これはわれわれは法律どおり実施をするという考えでございます。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣始関伊平君登壇、拍手〕