渡辺美智雄の発言 (本会議)

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○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
 わが国の社会保障費、防衛費というものは現在のところ諸外国に比べて低い、だから租税負担率は低いけれどもこれは年々ふえていく、したがって急スピードで負担が高まるのじゃないかということでございます。まことに先ほどるるお話があったが、そのとおりでありまして、私はむしろそのとおりのお答えをしたい、こう思っております。
 租税負担率がここのところ急に重くなった原因の一つとしては、石油ショック以来、国民経済計算上の国民所得が相対的に伸び悩んだ、しかし経費の方はふえていく、したがってそこのところで急に全体的な負担率がふえてきている、これも事実でございます。将来、しかし社会保障費やなんかふえることも事実でございます。
 赤字国債の削減をやったが、さらに財政赤字が出れば結局帳消しになってしまうのじゃないかという御心配でございます。
 私どもとしては、いろいろ見積もってやってきたわけでございますが、最終の税収の動向というものは、先ほどから返す返す言っているように、決算をしてみないとわからないというのも実は実情でございます。ただ、一月分の法人税というものは、前年対比一〇・九というように最高に伸びておるということ、特に大法人については、九月期は二三%伸びておるし、十月期は三〇%伸びておる、十一月期二〇%伸びておるということで、大法人については三カ月間とも非常にいい成績を実は出しておるのも事実でございます。物品税等についても悪かったのですが、ただ十二月、一月と二カ月間は連続して前年比二〇%を上回るという状況でありますから、それがどれだけ悪いところの部分をカバーするか、そこらのところは本当に出てみないとわからないわけでございます。しかしながら、われわれとしては、五十九年度特例国債の脱却というのが政府の基本方針でございますから、今後もその実現に向かって最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
 それから公共事業の前倒しと所得税減税というものを組み合わせてやったらどうかということでございます。
 所得税の減税という問題については、いま直ちにそれができるという状態ではないということでございます。しかしながら、これについては何とか工夫がないかというようなことで、五党間の話し合いによって大蔵委員会で予算成立後早急に検討を進めようということになっておるわけでありますから、その結果を見てどうするかを考えたい、そう思っております。
 それから課税最低限を据え置いておいて給与所得者の税負担がふえておる、給与所得控除を引き上げるということを考えてはどうか。これは、給与所得控除ということだけでございますと、これもいろいろ実は問題がありまして、たとえば一人の人の場合は一人分だけしかふえませんけれども、家の中で三人、青色申告なり法人成りなりで働いている場合は三人とも上がってしまうという問題等もあって、実はいろいろむずかしい問題がございます。いずれにいたしましても、今後ともどういうようなことがいいかということも含めて検討させてもらいたいと考えております。
 譲渡所得税の緩和は宅地供給の促進という観点から宅地だけに限定せよということでございます。しかしながら宅地以外のものも、宅地といっても住宅だけでなくて、工場その他等の土地供給というものもないわけではないわけであります。景気刺激、景気対策ということも考えて、そこに差を設けるということはなかなかむずかしい問題があるものですから、みんな一律にしたということも事実でございます。
 それから増減見積もりがない。これは先ほどもお答えいたしましたが、減税をすれば減収になるというはずじゃないか。しかしながら、土地がそれ以上に売れればその分は増収になるわけでございますから、幾らこれで売れるか、われわれはかなり効果があると思っておりますが、したがって増減の見込みというものは非常に立ちづらい。売れなければ減収になってしまうし、いままでよりも売れれば、売れ方によっては税収がふえるという問題もございますので、そこらのところはよくわからぬというのが本当のところでございます。
 それから賃借方式、公共団体等の土地確保については公共事業費の節減のため賃借方式にせよ。これも一つの考え方でございましょう。公共事業の用地は本来その公共事業をやる者が権原を取得すれば足りるわけですから、確かに所有権までなくてもそれはいいわけなんです、実際は。しかし一方、利用に支障が生じないかどうか。道路、河川のように永久的構造物の場合、返還の可能性のないものに土地を果たして提供するかどうか、いろいろそこらのところの区分けというものも大変むずかしい。しかしながら、この考え方はいい考え方でございますから、私は可能な限り今後、事業の執行官庁としてもよく検討してもらうように相談をしていきたいと思っております。
 それから土地税制については、いまお話をいたしました。
 住宅貯蓄控除の問題でございますが、これは住宅貯蓄控除を廃止するに当たりましては、すでに契約をしておった者につきましても、持ち家個人融資制度の改善による効果的な施策が受けられることといたしております。そのほかに、五十八年度以降の要件の違反についても追徴、さかのぼって取るということは行わないということも配慮しておりますので、要するにいままでの人に不当な不利益を与えるものだというふうには考えておりません。それからこれは年金などと一緒に考えられたものであって、特に融資の問題については年限を切って助成措置もとるということ等も問題でございますから、こめ制度は全体としてひとつ御検討をいただければ御理解を得られるものと、こう考えております。
 それから自然増収で所得税ばかりふえてしまうというような御指摘でございました。
 これは所得税で現在の税収の四一。大体イギリスの四一、ドイツの四一、フランスは間接税が多いから二三ぐらいになっておりますが、アメリカは七〇が所得税で守られております。法人税は、日本は三二シェアがございますが、イギリスの八、アメリカの一八、ドイツの四、フランスの一〇ということで、日本の法人税というのは企業が非常に順調なものですから、かなり税収の面では貢献をしてくれておるのも事実でございます。今後とも所得税問題等については、また全体の税率構造はどうあった方がいいかというような問題等も含めましていろいろと研究をさせていただきたい、こう考えております。(拍手)
   〔国務大臣安倍晋太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 109615254X00919820319_028

発言者: 渡辺美智雄

speaker_id: 9286

日付: 1982-03-19

院: 参議院

会議名: 本会議