宮之原貞光の発言 (公職選挙法改正に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○宮之原貞光君 特に私はこの点指摘しておきたいと思うのですが、地方選挙を一年一回やるという問題ですね。これは私も新聞を見る限りでわかりませんけれども、そのメリットの点としてよく報ぜられておりますところのこのために全国規模の啓発活動で自治意識が非常に高揚する、あるいは投票率の引き上げに役立つとか、あるいは選挙経費の節減になると、こういうことが一番の理由になっておると報ぜられておるんですがね。選挙の経費の節減と、こうなりますと、それは行革の中で受けるかもしれませんけれども、中曽根さんが一番好きそうなことなんでしょうけれども、私はここで非常に問題があるのは、一体投票率の引き上げ云々ということをこういう便法を講ずることによってやろうとするところに一つの問題点があるんじゃないかと思うのです。
 なぜ投票率が低いかと、こう言うと、やっぱり一般住民の、地域住民のそれぞれの地方の行政、政治に対するところの不信感、あるいは関心度が薄いというところが一つの問題なんだ。同時に、最近の傾向としては、いわゆる首長の相乗り選挙というのがありますね。それはわが党もやはりそういう部類の中に場合によってはあるわけですけれども、非常に首長選挙は安易にもう考えてみんな乗りたがっておる。こういうことが地域住民に非常に白け選挙だという気風をつくっておる。こういうことがむしろ、投票率の引き上げ云々の問題は、問題の原因であって、それを一年のうちの一回の日を決めてやれば投票率が上がるんだという物の考え方は非常に安易であるし、便宜的な私は考え方じゃないだろうかと、こう思います。
 同時にまた、先ほど来言っておりますところの任期の四年制という問題が地方自治のあり方の問題として崩れるところの可能性も出てくる。これは一時期だと、こう言いますけれども、じゃこの法案つくって首長が今度これを実施された後に死んだりあるいは議会の解散があったら一体どうなるのか、死んでも議会の解散があってもそこまで待たなければならぬかと、こういう論理も出てくるのですよ。こうなりますと、いやそれはそのときでいいのだということになれば、これはまただんだんそういうものがふえていけばもとのもくあみになってくることは必至なんですよ。現に今日の地方選挙の実際の選挙の状況にありましても、いろいろな事情からこの統一地方選挙方式がずっとばらまかれていったところの要素があるわけでしょう。こういうところの点から言っても私は非常に問題があるのではないかと思う。
 同時に、いま一つは、これは私どもが考えなければならないのは、全国規模の一括選挙をやれば一体自治意識の確かに高揚になるかどうかということなんです。私はむしろ逆になっちゃうんじゃないだろうかと思うのです。というのは、統一地方選挙になりますと、しかも全国一斉の、また政党が表面に出ていく、言うならば全国的ないろいろな地方自治の問題でなく、国政選挙におけるところの問題点、争点というものだけが浮き彫りになって、肝心なそれぞれの地域の皆さん方の地域住民の切実な問題の争点というのはむしろ薄れてきてしまうところの危険性があるのではないだろうか。こういうようなことを考えますと、端的に言わせてもらいますけれども、この一括方式というものは角を矯めて牛を殺す結果になりやせぬだろうか、こういう危惧さえ持つものです。
 その点、何かの機会があって、また与党の皆さんといろいろ議論する機会があれば結構だと思いますけれども、こういうやはり要素も絡んでおるだけに、私はやはりこの問題については、自治省も与党の皆さんが言ってきたからそれにつじつまを合わすというような安易な気持ちでこの問題に対処しないでいただきたい。十分いろいろな角度から検討をして問題点は問題点として強く指摘をしていただきたい。この点を強くこの機会の申し上げておきたいと思いますが、その点どうお考えになりますか。

発言情報

speech_id: 109714226X00219821225_020

発言者: 宮之原貞光

speaker_id: 17438

日付: 1982-12-25

院: 参議院

会議名: 公職選挙法改正に関する特別委員会