石月昭二の発言 (運輸委員会)
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○石月政府委員 この法案に関連いたします関係企業の経営の現況と今後の見通しについて、簡単に御説明させていただきます。
初めに、内航海運業でございますけれども、御案内のように、第二次の石油危機以降、国内の景気の停滞が長引いております。加えまして、内航海運業の場合には主要荷主が素材産業でございまして、鉄鋼でございますとか、セメントでございますとか、これらの企業が非常に不振である、そういうことで五十五年以降三年間連続いたしまして輸送量が減少している状況でございます。したがいまして、運賃水準も、コストが上昇しているわりには低迷をしているという形で、経営的には非常に苦しい状態が続いております。
今後の見通しでございますけれども、一つは、当面の国内景気の回復がいかようになるかということでございますが、たとえ景気が回復いたしましても、昨今の経済情勢を見ますと、産業構造の変化によりまして比較的重量の少ない、付加価値の高い品物がふえてきておりますので、いわゆる軽くて小さくて薄くて短いもの、軽薄短小と申しておりますが、こういう方向に物流の動向が変わりつつあります。したがいまして、今後国内景気が回復したといたしましても、直ちに内航の輸送量が従来のように増加に転ずるということはないのではないか。かなりその点厳しい見通しを私ども持っておるところでございます。
次に、近海海運でございますが、近海海運の大宗貨物は御案内のように南洋材でございます。南洋材につきましては、昨今の住宅建設需要の低迷、また、これらの資源保有国でございますインドネシアでございますとか、マレーシアでございますとか、サバ、サラワクでございますとか、こういう資源保有国の原木輸出の規制によりまして輸送量が急激に減少しております。加えまして、日本船は人件費が非常に高うございますので、国際競争力を失っておりまして、この面でも近海海運の経営は非常に厳しい状況に直面しているところでございます。
今後の見通しといたしましても、これは世界的な景気の動向にもとよりよるわけでございますが、資源保有国の木材輸出規制、日本船の国際競争力等を考えた場合、今後の経営は引き続き非常に厳しい環境に置かれるであろうというぐあいに理解しております。
〔委員長退席、三塚委員長代理着席〕
次に、はしけ運送業でございますが、御案内のように、港湾整備の進捗やコンテナ輸送といった輸送革新の進展によりまして、はしけ輸送そのものが不要となりまして、いわゆる構造的な不況に陥っております。そのために、過剰はしけの買い上げという施策を、すでに四十八年度二十万積トン、五十二年度三十六万積トンを実施いたしましたが、依然として供給過剰の状態が続いている、そういうことで、実は五十七年度も第三次のはしけ買い上げということで、二十四万積トンの買い上げを実施いたしたところでございます。しかし、今後につきましてもなおかなりの需給ギャップが存在するというのが実態でございますので、今後とも過剰船腹の処理というものを行っていかなければならない。したがいまして、これに関連して相当数の離職者が出るということが予想されるところでございます。
最後に造船でございますが、造船及び修理業関係につきましても、第二次石油危機を契機とする世界経済の低迷、省エネルギーの一層の進展等によりまして、造船市況は急速に冷え込んでおりまして、昭和五十七年度の新規の受注量は四百三十五万総トンと、対前年度比四八%減ということになるなど、再び厳しい事態に直面しつつあります。このため、海運造船合理化審議会を開きまして、当面の不況対策の一つとして適切な操業調整を実施する必要があるという御提言をいただいております。当省といたしましては、この審議会の意見を踏まえまして、四月の十三日、造船法に基づき主要造船企業を対象としての操業短縮の勧告を行ったところでございます。
以上でございます。