松井達郎の発言 (社会労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○松井(達)政府委員 これは先生がおっしゃいましたように、去年の九月三十日に、大阪の植田満俺製錬所というところの従業員が、マンガンの製錬業務をやっておってマンガン中毒にかかったということにつきまして問題とした判決でございますが、この判決におきましては、これは事業主の責任をまず認めたわけでございますが、そのほかに国についての責任をも論じておるわけでございます。
それで、この判決の考え方につきましては、国の責任につきましては、まず労働災害の防止のための労働基準監督署等の監督機関の責任につきまして、権限行使につきまして、これは一般論としましては監督官が自由裁量でやるということであるけれども、しかし特殊の場合については責任があるということで、長年にわたり所轄の監督署がこの植田満俺を監督指導いたしたわけでございますけれども、そのうちの昭和四十三年から昭和四十六年の夏までの分につきましては、裁量の範囲を著しく逸脱して、かつ、合理性もまた著しく欠けておる特殊な場合なのだということで、このような特殊なものについては不作為の違法責任を負うということで、事業主の責任の一部について国にも連帯の責任を認めるという理論構成をとっておるものでございます。
そこで、私どもといたしましては、まずこの監督機関の責任というのは、これは監督する責任はございますけれども、しかしながら、その責任の行使につきまして損害賠償責任を持つような性格のものではないというふうに考えておるわけでございまして、その点は理論的には分かれておるわけでございます。
それで、私どもとしましては、そのほかにも、たとえば植田満俺の事業所につきまして、昭和四十二年度から衛生管理特別指導、私ども衛特と言っておりますけれども、このような事業場に指定するということで、私どもとしましては、その当時の水準といたしましては適切な指導を行ってきたというふうに思って、裁判所にその旨を弁論の際に申し上げたわけでございますけれども、残念ながらこれは認められなかったということで、この点につきましても不満があるということで、実は高裁に控訴いたしておるわけでございます。
ただ、先ほど申しましたように、私どもとしましては、労働基準監督署はやはり監督機関としての責任があるということで、この安全衛生の問題につきましては、御存じのとおり労働行政における最重点事項の一つといたしまして、安全衛生の面について力を入れているところでございます。