大原亨の発言 (社会労働委員会)
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○大原(亨)委員 それ以上の議論は私は時間がありませんのでしませんが、昭和五十五年十二月十一日の基本懇の被爆者援護の基本理念について、意見の報告がございました。その中で、これは非常に議論になっておる点でありますが、しかし、いま白川委員の話のような、一般戦争の被害に対する通念的な常識的な議論の表現もあるわけです。しかし、文章には「広い意味における国家補償の見地に立って」こういうことを述べておるわけです。またその中には、特別の犠牲を余儀なくされた者として「その被爆による放射線障害の実態に即し、「必要の原則」に従って適切妥当な救済措置を講ずべきである。」というふうな結論的な文章があるわけです。
ですから、議論は蒸し返しませんが、ハーグの陸戦法規には違法兵器の特定をしておるのではないのです。特定しておるのではなしに、攻撃の目標とか害敵の手段について一般的に規制しておるわけです。その規制にも違反するのではないかという実定法の議論があるわけです。というのは、別の条約で害敵手段に対する制限の条項があって、たとえば非戦闘員を大量に殺戮するとか、目標としてやるとか、それから列挙して、非人道的な兵器を使うとか、これまでの常識を超えたものを使うとか、こういうことを制限する別の条約がありまして、そういうところからの議論になるわけです。
それは議論いたしませんが、しかし、この被害が非常に非人道的で深刻なものであることは、基本懇も認めているところであります。ですから、日本国の議会が、平和憲法の精神に基づいて、再びこのような原爆を繰り返さない、させないという決意で、そういう国家補償の理念をここに確立するということは、私はこれは何もむちゃな議論ではないと思う。このことは、議会では理解が進んでしばしば決議になっておったのですが、なまはんかな、なまはんかなとは言いませんが、亡くなられました田中先生などは公法の専門家でありますから、そういういろいろな部面で検討してこういう結論が出たことについては、なお議会としては一つの権威を持って受けとめて、受けとめるべき点は受けとめるけれども、さらに議論を発展させる点は議論を発展させなければならぬ、こういうふうに私は思う。
そこで、第一番目に質問いたしたいのは、そういうことから言いまして、そういう精神から言いまして、五十五年十二月に基本懇の答申がありまして、被爆者対策をこのような点において是正し、改善すべきであるというふうな一定の意見が出ておるわけでありますが、その後、五十六年、七年、八年でありますが、これに基づいて政府としてはどのような措置をとったかという点を、政府委員からでもいいから簡単にひとつ答弁してください。