山中貞則の発言 (石炭対策特別委員会)
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○山中国務大臣 第九十八回国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭政策に対する私の所信の一端を申し述べます。
最近のエネルギー情勢を見ると、世界的に景気が低迷しているほか、省エネルギー努力及び石油代替エネルギーの開発、導入努力が成果を上げつつあり、石油需給は緩和基調で推移しております。しかしながら、中東情勢は依然流動的であり、また、中長期的にもエネルギー問題解決への努力を怠れば、エネルギー需給が不安定化、逼迫化の方向に向かうことは避けがたいものと考えられます。特に、エネルギー供給における石油依存度及び海外依存度がともに主要先進国中最も高いわが国にとって、中長期的展望のもとに、石炭を初め石油代替エネルギーの開発、導入の促進等エネルギーの安定供給のための基盤づくりを着実に推進していくことが、依然きわめて重要な課題となっております。
政府としては、このような観点から、総合エネルギー政策の柱の一つとして、石炭の安定的な供給の確保とその利用拡大を推進するため、引き続き所要の施策を推進してまいりたいと考えております。
まず、貴重な国産エネルギーである国内炭については、一昨年八月の石炭鉱業審議会の第七次答申の趣旨を尊重し、また、昨年、五年間延長の措置が講ぜられた石炭鉱業合理化臨時措置法等の関連法律に基づいて、わが国石炭鉱業の自立を目指して石炭政策を推進してまいる所存であります。
このため、石炭需要の確保に努めるとともに、各般にわたる助成措置の実施により、石炭鉱業の経営の安定を図りつつ生産体制の一層の改善を図ってまいることとしております。
その際、強調しておかなければならないのは、石炭鉱業にとって保安の確保は何物にもかえがたい不可欠の前提条件であるということであります。一昨年の北炭夕張炭鉱及び最近の真谷地、空知炭鉱での事故の教訓を十二分に生かして、対策の一層の充実を図ることにより保安の確保に万全を期してまいる決意であります。
ところで、北炭夕張社の再建問題については、昨年十月、労使間の合意が見られ、同社は会社更生法に基づき裁判所の許可を得て事業の縮小を行ったところでありますが、現在、法の定めるところに従い更生手続中にあり、裁判所の判断にゆだねられております。政府としては、管財人が関係者の理解と協力を得て将来への展望をも含めた更生計画案をできる限り早く作成されることとなるよう期待しているところであります。
今後の石炭需要の増大に対応するために重要な地位を占めるに至った海外炭については、その低廉で長期安定的な供給を図るため、産炭国における探鉱開発から輸送手段、コールセンター等国内受け入れ施設の整備に至るまでの一連の海外炭安定供給システムの確立を引き続き図っていく必要があります。このため、政府としては、新エネルギー総合開発機構による融資等所要の措置を講じてまいる所存であります。また、石炭利用技術の研究開発についても、引き続き積極的に推進してまいる考えであります。
鉱害対策及び産炭地域振興対策についても、引き続き国土保全及び民生の安定並びに産炭地域における鉱工業の計画的発展等を図る見地から各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。
鉱害対策については、昨年、十年間延長の措置が講ぜられた臨時石炭鉱害復旧法等関係法律に基づいて、今後、期間内に事業の円滑な終結を図るよう努め、累積鉱害の最終的解消を図るため最大限の努力を払ってまいる考えであります。
また、産炭地域振興対策についても、一昨年、十年間延長の措置が講ぜられた産炭地域振興臨時措置法に基づいて、産炭地域の計画的な発展を図るため、総合的、効率的な対策の実施に努めてまいる方針であります。
以上申し述べました諸施策の実施については、昭和五十八年度の石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計、電源開発促進対策特別会計の予算案において、所要の財源措置を講じております。
衆議院石炭対策特別委員会の委員各位におかれましては、以上述べました政府の方針を御理解の上、今後とも石炭対策に対し、御支援、御協力をいただきますようお願い申し上げます。(拍手)