中曽根康弘の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 飛鳥田委員長にお答えをいたします。
まず、昨日のロッキード裁判における所見でございますが、政治家の一人といたしまして、厳粛な気持ちでこれを受けとめており、冷静にこの推移を見守っていきたいと思っております。
組閣につきまして御批判をいただきましたが、前にも申し上げましたように、私は、仕事本位で人材を抜てきする内閣をつくる、こういう考えでやっておるのでございまして、内閣を改造する意思はございません。
また、ロッキード事件につきましては、現在公判係属中の事件でございまして、行政府の最高責任者として私が意見を申し述べることは、この際差し控えさせていただきたいと思います。
さらに、辞職勧告決議の問題でございますが、これは国会の重要事項でございまして、そのような決議案が出てきた場合には、各党間で慎重に協議さるべきものであると思います。また、国会議員の身分に関する重要な問題でございますから、この前申し上げましたように、この国会議員の身分の処理につきましてはきわめて慎重を要するものである、こう考えております。
次に、日米関係の問題についてお話がございました。
同盟ということを使ったが、いかなる意味であるかということでございますが、私は、日米間は、まず第一に、民主主義と自由主義、こういう重大な信条をともにする関係にあります。第二番目に、経済、文化の膨大な交流関係を持っておりまして、お互いの関係は実に相互依存の関係にあるわけであります。第三番目には、日米安全保障条約を通じまして、日本の安全及び極東の平和及び安定維持という関係で結んでおる重大な関係にあります。この三つの重大な連帯関係、これを示しまして運命共同体、こう言ったのでございます。(拍手)
こういう日米安全保障条約を通じます日米関係は、やはりいまのような自由主義、民主主義という共通の価値観を持っておったり、文化や経済におきまして重大な連帯関係を持っておったり、あるいはさらに、防衛につきまして共同に協力しているという意味におきまして、これは一種の同盟関係にあると私は考えております。(拍手、発言する者あり)
さらに、自衛権の問題にお触れの御質問がございましたが、もとより集団的自衛権を行使することは憲法上許されておりません。したがって、あるいは中近東その他におきまして米軍が万一出動するような事態がありましても、わが国に対する武力攻撃が発生していない限り自衛隊が武力行使することはあり得ないのでございます。
さらに、いわゆる海峡封鎖の問題で御質問がございましたが、私は、日本の防衛のために、憲法及びわれわれがすでに申し上げている非核三原則、専守防衛、これらの原則を遵守して、もし万一日本に侵略が行われた場合にはわれわれは本土防衛をやらなければならない、その本土防衛の一環としてわれわれに重要な海峡の防衛もしなければならない、そういう意味においてこれを海峡のコントロールという名前を使ったのでございます。これは国土防衛を行う上において当然の行為でございまして、異を差し挟むことはないと私は確信しておるのであります。(拍手)別にいままでの政府の方針を変更したわけではございません。
いわゆる不沈空母という表現がございましたが、これは、日本列島を守るという意味におきまして、空母という言葉が必ずしも適当であったかどうかはわかりませんが、一つの比喩として用いたのであります。言いかえれば、日本列島は不沈のものである、沈まざるものである、そうしてみずから守らなければならない、それを強調したのであります。(拍手、発言する者あり)
もし万一侵略があった場合には、まず、みずからの国民の力によってみずからの国を守ることは当然のことであります。そして、日本の行政の最高責任者が、みずからの国をいかなることがあっても守り抜くという決意を表明することが、日米安保条約を有効に機能させるもとである、こういう信念を持って申し上げた次第でございまして、(拍手、発言する者あり)いわゆる不沈空母という名前は、いわば不沈列島、そういう意味で使ったということを御了承願いたい、一種の比喩であり、形容詞であるとお考え願いたいと思うのであります。
わが国の防衛政策の基本は、平和憲法のもとに、専守防衛に徹し、非核三原則を堅持し、そして日米安保体制を有効に機能させつつ、自衛のため必要最小限度の範囲内で効率的な防衛力を整備する、これがわれわれの基本方針でございます。防衛費のGNP一%の問題に関しましては、現在のところ変える必要はないと考えております。
次に、対米武器技術供与について御質問がございました。
防衛におきまする日米間の技術の相互交流を図ることが、日米安保体制の効果的運用を確保する上で重要になっている、そういうことにかんがみまして、かかる相互交流の一環として供与する道を開いたものでございます。
本件供与は、日米相互防衛援助協定の関連規定に基づく枠組みのもとでこれを実施いたしておるものでありまして、もとより、国際紛争等を助長することを回避するという武器輸出三原則等のよって立つ平和国家としての基本理念はもちろん確保されるものであります。
なお、武器輸出三原則等は、今後とも基本的には堅持していく方針でございます。
いずれにせよ、わが国の防衛は、他国に脅威を与えないように、軍事大国になることを回避しつつ、あくまで専守防衛の概念に徹して行うものであるということを申し上げておきます。
次に、私の訪米中の発言について、憲法改正のプログラムがあるのではないか、こういうお話がありましたが、私は前から申し上げておりまするように、憲法につきましては、これを研究し、議論し、勉強し、見直すということは、これは結構なことである、こう申し上げておるわけであります。
私がこのプログラムとかということを申し上げましたのは、国民的コンセンサスを形成していく上について、私はある勉強をいたしたのでございます。それは、明治十四年の政変を頭に置きまして、あのときに自由民権派の大隈さん一派が内閣を出まして、政局が重大な危機に襲われました。そのときに、中長期の計画を国が決めまして、明治十八年に内閣制度をつくる、明治二十二年に憲法をつくる、明治二十三年から国会を開設する、そういう中長期の、長い、ある程度の時間的余裕を持った国の歩みをつくることについて、国内の世論を統一いたしまして、時局は鎮静化し、そのとおりの道を日本は進んで、あのりっぱな明治時代をつくり上げたのでございます。明治十八年には内閣制度をつくり、二十二年には憲法をつくりました。
そのことを考えまして、憲法問題につきましては、できるだけ国民全体のコンセンサスをつくることが望ましい。ですから、私は、現在、中曽根内閣は憲法改正を政治日程に上せることはしないと言っておるのでありまして、中長期の目標のもとに、そういうような国民的コンセンサスをつくる方法を、与野党、国民全体で相談したらどうかなと、そういう意味で申し上げたのでございます。(拍手)
それから、外交の基本方針でございますが、わが国の外交の基本方針はあくまで平和外交でございます。それと同時に、この平和外交を通じて、国力に応じて国際的な寄与を行う、そして世界から孤立を排するというのがわれわれの目標でございます。私が申し上げたいわゆる外交五原則も、このような観点に立って申し上げたのでございます。
しかし、現在の世界情勢を見ますと、ある意味において、力の抑制力、これがお互いの均衡——阻止力が平和を維持しているということは現実の事実であって、これは否定できません。しかし、この抑制力あるいは核の均衡というものを、いかに現実的な方法を通じてレベルダウンしていくか、減殺して減らしていくかということが軍縮の課題である、そう思っておりまして、その道をわれわれは進んでいきたい、そう思っておるわけでございます。
次に、日韓関係について御質問がございましたが、今回の日韓関係の改善は、外務省を通じて、正規の道を通じて行ったのでございまして、いわゆる秘密外交というようなものではございません。
日韓関係におきましては、教科書事件等、不幸な問題がございまして、若干ぎくしゃくしたところがございました。しかし、その間におきましても、特に両国の日韓議員連盟の皆さんが非常な努力をしていただきまして、友好関係の維持に努めていただいたのでございます。その時期がようやく実ってまいりまして、外交当局を通じて折衝いたしました結果、両方の意見が合いまして、私の訪韓ということになり、いままでの問題、このわだかまりを解消いたしまして、日韓友好親善の方向へさらに前進したことを喜ぶものであります。(拍手)
さらに、わが国の外交方針につきまして御質問がございましたが、われわれは、平和外交をあくまで基準にしつつ、一面におきましては、日米友好協力関係を外交の基軸としつつ、アジアの近隣諸国を初め、各国との友好協力関係を維持発展させ、また、わが国の立場から、政治経済的役割りを積極的に果たしていくことによって、世界の平和と繁栄に貢献していきたい、これがわれわれの基本方針でございます。
全方位外交という御指示がございましたけれども、われわれは あらゆる国と友好協力関係を結ぶという考えは基本的に堅持してまいります。しかし、これは無原則に国交を保つという意味ではあらずして、相手国の性格や、わが国の国益に照らしまして、おのずから相手国に対してニュアンスの差があることは当然でありまして、いわゆる無原則な等距離外交という方針はとる考えはございません。
われわれは、第一に、自由世界の一員といたしまして自由世界の連帯強化に努め、さらに、いわゆる発展途上国、第三世界等に対しまして友好協力の輪を広め、そして、共産圏に対しても、できるだけ友好親善の道を開くように努力してまいりたい、このように考えておるわけであります。(拍手)
北方領土を含む極東ソ連の軍備増強の事実は、これは事実でありまして、北方四島におきましては、約一個師団の兵力がすでに展開されてあり、ミグ21が飛来してきているということは認められておるところでございます。
しかし、われわれは、ソ連との関係におきましても、領土問題を解決して平和条約を締結する、そういう方針を堅持しつつ、あくまで粘り強くソ連と交渉を続けていく、そういう考えに立っていきたいと思っておる次第でございます。
次に、サミット及び第三世界その他に関する協力関係でございますが、私は、このウィリアムズバーグで行われるサミットにおきましては、やはり平和と軍縮の問題、それから世界経済活性化の問題、あるいはさらに発展途上国に対する協力の問題、あるいは科学技術その他の分野における協力問題等々の問題が議題になり得るのではないかと思います。
これらは、いずれ各国の代表が交渉いたしまして、議題を決める予定でございますので、そういう議題決定を待って私たちの態度を明確につくってまいりたいと思います。
いずれにせよ、わが国は、国際的地位にふさわしい国際的協力関係を行わなければ孤立化する危険があり、また、自由貿易を堅持して保護貿易を排除するという断固たる方針をわれわれは持っておるのでございまして、そういう意味におきましても、国際的孤立を排除するという意味から、特にLDCや第三世界等に対しても積極的に文化、経済の協力を行いたいと考えております。市場開放あるいは先進諸国との科学技術分野での協力、産業協力あるいは開発途上国に対する経済協力等もそれらの一環でございます。
次に、五十八年度予算につきまして御批判をいただきました。
五十八年度予算は、非常に厳しい財政事情のもとに、しかも高齢化社会を目前に控えているという、こういうむずかしい情勢のもとに、いかにわが国の財政の対応力をつくり上げていくかという観点に立ってつくったものでございます。歳出のすべての分野について徹底的見直しを図り、一般歳出を全体として前年度同額以下に抑制した次第でございます。
そして、社会保障関係の予算につきましては、諸施策の長期的有効性を確保するために施策の合理化、適正化に努める一方、七・八%増となった在宅福祉対策を初め老人保健事業等、真に必要な、真に困った人たちに対しては、これを徹底的に行うような重点政策を配慮したつもりでございます。
なお、国民生活にとっても重要な住宅対策につきましては、住宅金融公庫融資の拡充、これは財投規模で六・四%増になっております。税制上の改善、これは住宅取得控除限度額を五万円から十五万円に今度引き上げました。これらの充実に努めたところでございます。
文教予算につきましては、臨調答申を踏まえるとともに、実際は児童生徒数が減ってまいりました。そういう意味におきまして対前年度マイナスという形になったのでございますが、基礎科学研究の推進、生徒指導の充実等、緊要な政策については重点的に配慮しております。
同和対策につきましては、啓蒙啓発予算の大幅な増加、地域福祉対策、雇用対策等の内容改善等を図りまして、十分な配慮もいたしておるところでございます。
防衛予算につきましては、現下の国際環境に照らしまして、自主的な判断のもとに、必要最小限の経費を計上した次第でございます。
なお、年金等の給付水準の据え置きは、現下の厳しい財政事情及び物価動向の安定にかんがみましてかく措置いたしたものでございます。
さらに、五十八年度予算と景気対策との関係の御質問がございました。
現在はわりあいに物価が安定してきておりまして、さらに、個人消費が少しずつふえてまいりました。内需中心の成長に移行する、こういう方向で努力を続けておるところでございます。
しかし、輸出の減少、あるいは生産、出荷の伸び悩み等の厳しい現実が、やはり現在存在しておる実情でございます。われわれは、この厳しい中におきましても、財政の対応力を至急回復いたしまして、そして、一面において、歳出面における切り詰めを行いましたけれども、公共事業費関係等につきましては、昨年度と同額の予算を確保し、また、民間資金の活用等によりまして事業費の確保を図る等、景気維持拡大にも努力してきたところでございます。
なお、さらに、財政改革を通じまして財政の対応力の回復を図ることが、わが国経済の発展の上で非常に重要なことであるとも考えております。
次に、五十年度以降大量の国債に依存いたしました結果、わが国は予算の硬直性に悩んできた次第でございます。五十八年度予算の編成に当たりましては、先ほど申し上げましたように、一般歳出を前年度以下に切り詰める、税外収入を確保する、そして公債発行額を五十七年度補正予算後に比べまして一兆円減額した次第でございます。それと同時に、「増税なき財政再建」の基本理念を堅持しつつ、財政改革にさらに一歩前進したいと考えておる次第でございます。今後は、新しい観点に立った長期的な経済展望のもとに、歳出歳入の徹底的な合理化、適正化を進め、できる限り早期に特例公債依存体質からの脱却、そして、公債依存限度の引き下げに努力してまいるつもりでございます。
財政改革に当たっての基本的考えにつきましては、できるだけ明らかにいたしたいと考えておりまして、近くこれをお示しすべく検討しておるところでございます。
なお、歳出歳入構造の見直しに当たりましては、受益と負担の関係、直接税と間接税とのバランスをどうするか等の問題、これらは、究極的には国民の合意と選択にゆだねらるべきものであると考えております。
次に、税制の問題でございますが、所得税減税及び住民税減税等につきましては、財政状況から見まして、これを見送ることは税制調査会の答申におきましてもやむを得ない措置とされたところでありまして、遺憾ながら財政上やむを得ぬ措置といたした次第でございます。
さらに、これからの不況打開の対策でございますが、当面の経済運営に当たりましては、物価の安定を基礎としつつ、国内民間需要を中心とした景気の着実な拡大を図り、雇用の安定を確保して、引き続き努力してまいります。
さらに、基礎産業、素材産業の再活性化を図るなどの政策を進め、さらに生産性の向上を基本とする農林水産業の体質の強化、中小企業の振興につきましては、いわゆる承継税制問題について改革の一歩を進め、あるいは投資減税についても一歩前進させたところでございます。
また、雇用対策として、特定の不況産業及び不況地域に対する失業の予防と雇用の安定のための諸施策を充実強化しておるところでございます。
数点について御指摘をいただきましたけれども、必ずしもお考えには同調できないところがございます。
配当利子所得の問題でございますが、適正、公平な利子配当課税を実現するという政府の基本方針にはいささかも変わりがございません。今後における利子配当課税の適正なあり方については、早い機会に税制調査会で検討していただき、結論をいただきたいと思っております。
さらに、租税特別措置の見直し、この特別措置の見直しにつきましては、従来からも整理合理化を進めてきているところでございますが、企業関係の特別措置の減収額は必ずしも大きな額ではございません。大部分が中小企業とかあるいは資源エネルギー対策の項目になっておるのでございます。昭和五十八年度におきましても、しかし見直しを行いまして、各種特別償却や準備金制度について縮減を行おうとしております。また、貸し倒れ引当金につきましても、実態に応じて見直しを行っておりまして、五十八年度におきましても、金融機関の貸し倒れ引当金について、手直しを行うことといたしております。
なお、土地増価税、富裕税については、種々の問題が指摘されておりまして、五十八年度において、これを財源とすることは適当でないと考えております。
さらに、補助金につきまして御質問がございましたが、先端技術の開発については、非常に長期間、相当の額の資金を要する、しかもリスクがかなり多い、諸外国においてもある程度の援助措置を講じている、こういう状況にかんがみまして、五十八年度予算におきましては、ある程度総枠を縮減する、あるいは補助率の引き下げを行う、こういう対策をとった次第でございます。
不公平税制を是正するということは、政策目的の意義の薄れたもの、あるいは効果に疑問のある租税特別措置これらについては放置することなく、常に見直しを行ってきております。そして、社会経済情勢の変化に応じて、また必要となるものについては、やはり新しい措置を講じていくことも必要であると思っております。五十八年度の税制改正におきましても、引き続き厳しい見直しを行いまして、その結果、特別措置二件を廃止する一方、構造的不況に悩む基礎素材産業の構造改善対策等、新たな情勢に応じて必要と認められた三件については、最小限の措置を講ずることといたしております。
補助金につきまして、御質問がございました。
補助金のあり方につきましては、臨調を含め、各方面でもいま見直しをやっておるところでございますが、五十八年度予算編成に当たりましても、全般にわたって見直しを行いまして、積極的に整理合理化を推進いたしました。五十八年度予算における補助金の整理状態は、全額で約四千七億円に上がっております。千六百十四件でございます。
さらに、昨年五月、私がある集会で講演しましたことにつきまして御質問がございました。
これは、いわゆる国をつくる基本的な力という意味におきまして、私は講演を申し上げたのでございます。言いかえれば、主権在民の日本にありましては、国民の力、国民の意思というものがすべての根源でございます。これが憲法をつくり、憲法を擁護しあるいは憲法を改革するという原動力になるわけでございます。国民の主権者としてのこの力というものが国を進める一番大事なものであるということを強調したのでございまして、そして、これがあるいは行政改革を行う一つの原動力にもなる、あるいはさらに教育を推進する一つの情念的原動力にもなる、あるいは憲法を守り、あるいは憲法を改革せんとする国民の活発なエネルギーの原動力になる、このエネルギーの原動力を重視した。そういう意味で、行政改革につきましてもこの力が大事なのであるということを強調した次第なのでございます。(拍手)
国鉄再建につきまして御質問がございましたが、いま国鉄は相当な危機にありまして、相当な税金を一般会計におきましても国鉄の方に向けておるわけでございます。一日も早く国鉄改革を行いまして、国民の税金を国鉄の赤字に向けない方向に持っていくということが財政改革にも沿うゆえんでございます。そこで、国鉄再建監理委員会設置のための国鉄再建臨時措置法案を提出して、御審議をお願いいたしておるところでございます。この法案やこのような国鉄改革の考えは、財界が支持しているだけではなくして、全日本国民が強く支持していると私は確信しておるものであります。(拍手)
次に、平和国家日本の歴史を変える考えでいるのかという御質問でございますが、私が申し上げましたのは、いま日本は戦後三十八年目になりまして重要な転換点に来ておる。したがって、新しい世界情勢に適合していくためには、諸制度の見直しを行って改革を行うときに来ている、そういう意味のことを申し上げた次第でございます。
その方向として第一に申し上げたのは、世界の孤児になることを防がなければならない。自由貿易体制を堅持するために、ぜひともわれわれは国際的に窓を開いていかなければならない。
第二に、日米関係を基軸にして、韓国、中国、ASEAN等、アジア・太平洋諸国との友好を重視していかなければならない。
第三に、軍備縮小への努力、みずから国を守る決意を明確にして、日米安保条約の有効な機能保持に心がけなければならない。
第四に、社会連帯の中で国民個々人が生きがいと安心を見出せる「たくましい文化と福祉の国」を目指す必要がある。個人の生きがいが国をつくり、国の方向の選択が個人の運命を左右する、こう申し上げておるのでございます。(拍手)
五番目に、行財政改革を推進して、新しい国づくりの基礎をつくる必要がある。
最後に、自由主義的経済原則を尊重する新しい長期展望をつくって、今後の経済社会の発展方向を示す必要がある、そういう数点を国の行くべき道としてお示し申し上げたのでございまして、これらは国民の皆さんに自由に御論議願いまして、この自由な御論議を通じまして、新しい、たくましい豊かな日本の方向を見出そう、このような考えに立って申し上げた次第でございます。(拍手)
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