林義郎の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○林国務大臣 川俣議員御指摘のとおり、この問題は大変に内外で議論を呼でいるところでございます。党内でも改正反対の御意見がありますし、また大変たくさんの方々が、ぜひ改正をすべきだという御意見もあるところであります。
私は、この前の臨時国会でもお話を申し上げたのでございますが、この問題は単に母体の保健とかあるいは優生保護とか経済的理由だけの問題――まあ法令はいまそうなっておりますが、そういった問題だけで律することのできない深い問題を持っているのではないかと思うわけであります。やはり出生というのは、人類のこれからの生存、発展のために私は非常に必要なことだと思いますし、また、それに対しましていろんな物の考え方があるわけでございますから、単に、産む権利であるとか生まれ出る権利であるとかということをもう少し深く考えてみなければならないのではないか、こういうふうに思いまして、いままで公衆衛生審議会の優生保護部会で、主としてお医者さん、母体の関係の方々にお話を聞いておったのですが、そうでなくて、宗教学者であるとかあるいは倫理学者、そういった点からも考えていかなければならないのじゃないか、こういったことで、いま一生懸命勉強をしているところであります。
いまいろいろなところで議論を聞いておりますが、たとえばキリスト教と仏教というのは大分物の考え方が違うようであります。キリスト教ではモーゼの十戒で、人を殺傷することなかれということがある。だから、やはり生まれ出る子供も殺傷することはない。ところが、仏教の方では必ずしもそういうことではなく、殺生せず、こういうことなんです。殺生せずというのは、非常に広い意味にとりますと、牛や豚なんかも殺してはいけない、こういうふうな考え方もある。それから、大乗仏教の考え方もあるわけでございます。
そういういろいろな考え方があるわけでございまして、そうしたことならば、人間が生きていくときに、やはりそういった物を食べなくちゃならない。そのときに人間のことだけ考えていいのかねという気持ちがあるわけでございまして、どうもその辺はもう少し私も勉強してみなければならないと思いますが、輪廻の思想というのがあるのですね。仏教では、人間やはりあの世に行くということ、そういったようなこともありますので、その辺も踏まえながら、また、いろんな御意見を聞きながらやはりやっていかなければならない問題だろう、こう考えておるところでございます。できるだけ予定の時日には間に合わせるように私も鋭意努力を傾けてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。