林義郎の発言 (予算委員会)
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○林国務大臣 小林議員の御質問にお答えいたします。
ただいま外務大臣から御答弁がありましたことで大要は尽きておるわけでございますが、私も今週の初めに孤児のところへお伺いしまして、来日の目的が達成されるように心から期待をいたしますし、厚生省としても一生懸命努力をするということを申し上げました。お会いしまして、本当に私はこの三十何年という形で別れておって望郷の念やみがたいというお気持ちをひしひしと胸の中に感じまして、私がお話を申し上げたならば涙を流しておられる、私も本当に胸のつかえるような思いがしたわけでございます。
だから、そういった形で、これは全くヒューマンな話である、全く人道的な考え方でやっていかなければならないと私は思いますし、その人道的な考え方に立っていくならば、いま小林先生御指摘のありました養父母の関係であるとか、残されたような関係も十分に配慮していかなければならない。過去におきましていろいろな問題があったことも承知しておりますが、そういったことが起こらないようにこれからもやっていかなければならないと思いますし、中国政府とも約一年間にわたりましてこの辺の協議をしてきたところでございます。そうした意味で、これからもできるだけ現地で混乱が起こらないようにいたすということがわれわれのやっている施策の大きなポイントでございます。
もう一つの問題の御指摘がございました。中国の人に対して、日本人だったならばこういうふうなことになるけれども中国人はどうかというような問題、正直申しまして私はあると思います。けれども、これはいま外務大臣が御答弁されましたようなことでありますし、田中総理が一九七二年の九月二十九日、日中共同声明の中に、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」というこの精神が基本として流れてなければならないのだろうと私は思うのです。そういった意味で、もちろん先ほど外務大臣からも御答弁いたしましたように、賠償権は放棄されている、しかしこれはヒューマンな気持ちである、人道の問題である、こういった形でこの問題はいろいろと考えていかなければならない問題ではないかというふうに思っておるところでございます。