予算委員会

1983-03-03 衆議院 全552発言

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会議録情報#0
昭和五十八年三月三日(木曜日)委員長の指名で
、次のとおり分科員及び主査を選任した。
 第一分科会(皇室費、国会、裁判所、会計検査
 院、内閣及び総理府所管(経済企画庁、環境庁
 、国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外
 の事項)
   主 査 橋本龍太郎君
      石橋 一弥君    久野 忠治君
      岩垂寿喜男君    坂井 弘一君
      竹本 孫一君    楢崎弥之助君
 第二分科会(法務省、外務省及び大蔵省所管)
   主 査 砂田 重民君
      高鳥  修君    宮下 創平君
      稲葉 誠一君    藤田 高敏君
      大内 啓伍君
 第三分科会(文部省及び自治省所管)
   主 査 海部 俊樹君
      亀井 善之君    三原 朝雄君
      木島喜兵衞君    武田 一夫君
      寺前  襄君
 第四分科会(厚生省及び労働省所管)
   主 査 上村千一郎君
      大村 襄治君    白川 勝彦君
      小林  進君    草野  威君
      瀬崎 博義君
 第五分科会(総理府(環境庁)及び農林水産省
 所管)
   主 査 武藤 嘉文君
      相沢 英之君    植竹 繁雄君
      江藤 隆美君    大出  俊君
      野坂 浩賢君
 第六分科会(総理府(経済企画庁)及び通商産
 業省所管)
   主 査 今井  勇君
      浦野 烋興君    小渕 恵三君
      倉成  正君    岡田 利春君
      草川 昭三君    木下敬之助君
 第七分科会(運輸省及び郵政省所管)
   主 査 越智 伊平君
      金子 一平君    鴨田利太郎君
      堀内 光雄君    沢田  広君
      中路 雅弘君
 第八分科会(総理府(国土庁)及び建設省所管

   主 査 藤本 孝雄君
      奥野 誠亮君    熊川 次男君
      村田敬次郎君    川俣健二郎君
      佐藤 観樹君
──────────────────────
昭和五十八年三月三日(木曜日)
    午前九時三十四分開議
 出席委員
   委員長 久野 忠治君
   理事 江藤 隆美君 理事 高鳥  修君
   理事 堀内 光雄君 理事 三原 朝雄君
   理事 村田敬次郎君 理事 川俣健二郎君
   理事 藤田 高敏君 理事 坂井 弘一君
   理事 大内 啓伍君
      相沢 英之君    石橋 一弥君
      今井  勇君    上村千一郎君
      小渕 恵三君    越智 伊平君
      大村 襄治君    奥野 誠亮君
      海部 俊樹君    金子 一平君
      澁谷 直藏君    正示啓次郎君
      白川 勝彦君    砂田 重民君
      田中 龍夫君    渡海元三郎君
      根本龍太郎君    橋本龍太郎君
      藤尾 正行君    藤田 義光君
      藤本 孝雄君    武藤 嘉文君
      村山 達雄君    五十嵐広三君
      稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君
      大出  俊君    岡田 利春君
      木島喜兵衞君    小林  進君
      佐藤 観樹君    沢田  広君
      土井たか子君    野坂 浩賢君
      鍛冶  清君    草川 昭三君
      柴田  弘君    木下敬之助君
      三浦  隆君    安藤  巖君
      小沢 和秋君    瀬崎 博義君
      楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 秦野  章君
        外 務 大 臣 安倍晋太郎君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        文 部 大 臣 瀬戸山三男君
        厚 生 大 臣 林  義郎君
        通商産業大臣  山中 貞則君
        運 輸 大 臣 長谷川 峻君
        郵 政 大 臣 桧垣徳太郎君
        労 働 大 臣 大野  明君
        建 設 大 臣 内海 英男君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     山本 幸雄君
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 後藤田正晴君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖縄開発庁長
        官)      丹羽 兵助君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (国土庁長官) 加藤 六月君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 谷川 和穗君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      塩崎  潤君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 梶木 又三君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長兼内閣総
        理大臣官房審議
        室長      禿河 徹映君
        青少年対策本部
        次長      瀧澤 博三君
        公正取引委員会
        委員長     高橋  元君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 佐藤徳太郎君
        警察庁刑事局長 金澤 昭雄君
        警察庁刑事局保
        安部長     大堀太千男君
        警察庁警備局長 山田 英雄君
        北海道開発庁計
        画監理官    竹下  淳君
        防衛庁長官官房
        長       佐々 淳行君
        防衛庁防衛局長 夏目 晴雄君
        防衛庁経理局長 矢崎 新二君
        防衛庁装備局長 木下 博生君
        経済企画庁調整
        局長      田中誠一郎君
        経済企画庁物価
        局長      赤羽 隆夫君
        経済企画庁総合
        計画局長    谷村 昭一君
        経済企画庁調査
        局長      廣江 運弘君
        環境庁長官官房
        長       加藤 陸美君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 大池 眞澄君
        環境庁自然保護
        局長      山崎  圭君
        国土庁大都市圏
        整備局長    京須  実君
        法務省刑事局長 前田  宏君
        公安調査庁長官 鎌田 好夫君
        外務省アジア局
        長       橋本  恕君
        外務省北米局長 北村  汎君
        外務省欧亜局長 加藤 吉弥君
        外務省経済協力
        局長      柳  健一君
        外務省条約局長 栗山 尚一君
        外務省国際連合
        局長      門田 省三君
        大蔵大臣官房審
        議官      吉田 正輝君
        大蔵省主計局長 山口 光秀君
        大蔵省主税局長 梅澤 節男君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        大蔵省国際金融
        局長      大場 智満君
        文部大臣官房長 高石 邦男君
        文部大臣官房審
        議官      齋藤 尚夫君
        文部省初等中等
        教育局長    鈴木  勲君
        文部省大学局長 宮地 貫一君
        文部省社会教育
        局長      宮野 禮一君
        文部省管理局長 阿部 充夫君
        文化庁次長   浦山 太郎君
        厚生省公衆衛生
        局老人保健部長 吉原 健二君
        厚生省薬務局長 持永 和見君
        厚生省社会局長 金田 一郎君
        厚生省援護局長 山本 純男君
        資源エネルギー
        庁長官     豊島  格君
        運輸省航空局長 松井 和治君
        郵政省電波監理
        局長      田中眞三郎君
        郵政省人事局長 奥田 量三君
        労働大臣官房長 加藤  孝君
        労働省婦人少年
        局長      赤松 良子君
        労働省職業訓練
        局長      北村 孝生君
        建設大臣官房会
        計課長     牧野  徹君
        建設省計画局長 永田 良雄君
        建設省道路局長 沓掛 哲男君
        自治大臣官房長 矢野浩一郎君
        自治大臣官房審
        議官      田中  暁君
        自治省行政局長 大林 勝臣君
        自治省行政局選
        挙部長     岩田  脩君
        自治省財政局長 石原 信雄君
        自治省税務局長 関根 則之君
 委員外の出席者
        参  考  人
       (石油公団理事) 松村 克之君
        参  考  人
       (日本銀行総裁) 前川 春雄君
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ─────────────
委員の異動
三月三日
 辞任         補欠選任
  澁谷 直藏君     白川 勝彦君
  正示啓次郎君     宮下 創平君
  田中 龍夫君     亀井 善之君
  渡海元三郎君     石橋 一弥君
  根本龍太郎君     植竹 繁雄君
  藤尾 正行君     浦野 烋興君
  藤田 義光君     鴨田利太郎君
  村山 達雄君     熊川 次男君
  岡田 利春君     五十嵐広三君
  沢田  広君     土井たか子君
  大久保直彦君     柴田  弘君
  矢野 絢也君     鍛冶  清君
  竹本 孫一君     三浦  隆君
  小林 政子君     小沢 和秋君
  三谷 秀治君     安藤  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐広三君     岡田 利春君
  土井たか子君     沢田  広君
  鍛冶  清君     武田 一夫君
  柴田  弘君     草野  威君
  三浦  隆君     竹本 孫一君
  安藤  巖君     中路 雅弘君
  小沢 和秋君     寺前  巖君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 分科会設置に関する件
 昭和五十八年度一般会計予算
 昭和五十八年度特別会計予算
 昭和五十八年度政府関係機関予算
     ────◇─────
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久野忠治#1
○久野委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十八年度一般会計予算、昭和五十八年度特別会計予算、昭和五十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林進君。
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小林進#2
○小林(進)委員 限られた時間でございますから、私は質問を文書にして読み上げることでなるべく無駄を省いていきたいと思いますので、ひとつ答弁くださる方もそのおつもりで答弁をいただきたいと思います。しかし、用意いたしました質問が限られた時間でおさまらぬときには分科会、分科会でおさまらぬときにはまた改めて所管の委員会に行きまして質問を継続してやりたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
 まず第一番に、質問に入る前に委員長に一つ要望いたしたいと思います。
 それは、理事会でもこの問題は取り上げられたそうでございますが、私はこの予算委員会における審議をずっとながめておりまして、腑に落ちないことが一つあります。一つではありません。幾つもありまするけれども、その一つだ。それは、政府委員と称する官僚の態度に了承できないものがあります。厳重に注意するとともに、ときには政府委員たる資格の付与をとめて、国会への出入りを禁ずることも考慮されたい。
 というのは、官僚答弁は目に余るものがある。議員が質問した場合、指名された主管大臣が答弁に立つ前に、むしろ大臣を牽制するような態度で官僚が飛び出してきて、答弁席に立っててこでも働かぬような姿勢を示しているのです。これほど失礼な態度は、従来の予算委員会では見られなかった現象であります。本来役人が答弁に立つときには、まず主管大臣が担当役人をして答弁せしめるという承諾を委員長及び質問者に求め、その上で大臣から指示された役人が答弁に立つというのが順序であります。従来の慣行であります。こうして立法府の権威も保たれ、あるいは秩序も維持されるものであります。それを役人がさも議員に教えてやるような高圧的な態度で終始している。こんな失敬なことは断じて許されることではありません。かような思い上がった役人に対しては、委員長は厳重な注意を与えられるとともに、政府委員たる資格を剥奪して、国会への出入りを禁ずるくらいの処置を講ぜられること、荒舩元委員長はこの点は厳重に注意されて、委員会の権威と秩序を保たれました。あえて委員長に御要望申し上げておきます。よろしゅうございますか。
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久野忠治#3
○久野委員長 小林委員の御要望につきましては十分配慮いたしまして、この審議を円満に進めさせていただきたいと存じます。
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小林進#4
○小林(進)委員 委員長の御答弁を了承いたしまして、次に移りたいと思います。
 外務大臣に行政改革の問題についてお伺いいたしたいと思います。
 いま行革が臨調等で進められておりまするけれども、外務省はこの臨調を横目に見て外務省の行革をどのようにお考えになっているか。私ども率直に申し上げまして、経済大国としての日本の外務省の機構、人員にはまだまだ不備な点がある。特に情報収集の能力等、外務省は非常に劣っているのじゃないか。また先進国に比較いたしましても、イギリスや西ドイツあるいはイタリア等に比較しても、わが外務省の人員合わせて三千名そこそこということでは、世界の中に日本が超一級国として伍していくことに、私は人員、機構が非に足りないと思っております。この意味において、早急に外務省の機構、人員というものは五千名くらいを目途にして大いに内容を充実していただかなければならぬ。
 この問題をひとつ外務大臣に要望いたしながら、私も実は世界各地を立法府の一員として調査視察をしてまいりましたけれども、なかなか人員の足りない外交公館もありますが、中には不要のものと思わるるものもなきにしもあらず。限られた時間でありまするが、その一つにモンゴル大使館、これは私はどうも大使館を設置するまでの必要はないのではないかという感じを受けております。
 モンゴルには私はどうしても腑に落ちない点が三つばかりあります。一つは、あの国は一九二一年に成立したという建国の記念日をやっておりますが、その後において日本とモンゴル独立国家は戦争をした。そして、日本に対して大勝利を得た。戦勝国である、モンゴルは。こういうことがモンゴルの立国の歴史の中に明記せられているが、私は今日まで歴史を学びながらも、モンゴルという国に負けたという記憶はない。ところが、モンゴルに参りますと、ウランバートル等には戦勝記念碑ができていた。しかも、モンゴル独立国家は日本に勝利を得るためには、ソビエトロシアのジューコフ元帥ですか、大元帥等の大きな御協力を得た。そのためにモンゴルは勝利を得たのであるということで、どうもジューコフ公園があったり、通りがあったり、何か記念館があったりして、私どもはあそこへ行くと敗戦国の民としての待遇を受けている。これが一つ、腑に落ちない。
 第二番目は、モンゴルは戦勝国であるから、当然日本に賠償を要求する権利があるから、賠償をよこせという、そういう要求がしばしば日本に当てられている。これに対して日本政府は、賠償という形では受け入れることはできないがというようなもやもやした回答の中で、五十億円ですか日本円をお出しになって、モンゴルで羊毛のカシミアか何かの生産工場設備を、これは寄附されたのか、供与されたのか、賠償という名目で支払われたとは聞いておらないけれども、そういうことがある。非常にあいまいであります。こういう点は、やっぱり独立国家として是非善悪、白黒は明らかにしておいてもらわなければならぬ。
 それから第三番目に、モンゴルという国はソ連圏における一番ソ連に忠誠を誓った国、第一にハンガリー、第二にモンゴル、第三にキューバと言われるくらい、ソ連圏では一番忠誠の国家です。だから、ソ連がせきをするとモンゴルもせきをする。ソ連が日本に対して軍事大国だとかあるいは云々という批判をすると、必らずモンゴルの政府官僚あるいは首相ですか、大統領ですか、あるいは外務大臣等がソ連に口を合わせて日本を批判したり攻撃したりするような発言があった。あるいはまた、ソ連のイズベスチャとかなんとかという機関紙の中に、モンゴル外務大臣の名前でそういう日本排撃、批判の文章が載ったりして、大変どうも日本にとっては余り有利な国家じゃない。これが三番目。
 第四番目は、一体経済的にモンゴルから何を得るか。何もありません、あそこは。何もない。あるのは石炭だけ。その石炭を日本に買えという要望が出ているそうでありまするけれども、じゃあどうやって運搬するか。それは中国大陸を通過して大連港あたりから日本へ持っていけばいいと言っているそうだけれども、御承知のとおりモンゴルと中国とは非常に仲が悪い。仲が悪いから、モンゴルの石炭等を中国は大陸を通過させるわけがないのであります。経済的にも交流すべきものは一つもありません。
 あそこに大使館を置いているが、じゃあの大使館の仕事は一体何だ。それは、あそこにおいてソ連情報をとるくらい。あとは何も用事がない。
 ところが、用事がないのじゃないのです。大使館は非常に困っている。何で困るかというと、自分の日常生活の食事に困っている。ウランバートルにおいても食うものがないのだ。じゃどこへ一体食べ物を買いに行くかというと、国際列車に乗って、一カ月に一回とか二回ですよ。あの国際列車はウランバートルから北京まで特急で三十時間かかる。普通の急行では五十四時間かかる。その国際列車がソ連圏へ入ると、ソ連の国際列車の食堂には何もない。紅茶だかお湯だかわからないようなものが、何かちょっと出てくる、このくらいのものであって、砂糖はといったらごとごとして、つぶすのでも一時間もかかるようなかたいのが、それが砂糖だそうでありますが、出てくるだけだ。だから、北京まで買い出しに行くときには、北京大使館まで握り飯をつくっていく。握り飯をしょって北京まで行って、野菜を買ったり肉を買ったり、そして帰ってくるという、そういう状況です。大使館員も気の毒だ。なぜ一体――それはソ連圏ですから、ソ連へ行く飛行機は一時間置きも二時間置きも出ているから、何でその飛行機でソ連へ買いに行かないかといったら、ソ連はモスクワでもイルクーツクでもハバロフスクでも、食事は何もありません。肉も野菜も売っていません。ソ連の食糧の窮乏の状態は想像に余るものがあるのです。だから、しようがない。ソ連圏にいてもソ連では買えないから、北京まで買いに行っているのです。
 こういう惨たんたる状況の中で、なぜ一体こういう大使館等を設置しておく必要があるのか。私はこれは規模を小さくして、単なる公館をちょっと置く程度でよろしいと思いますが、以上の点を外務大臣に御質問いたします。
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安倍晋太郎#5
○安倍国務大臣 外務省のいわゆる外交の陣容ですが、これは諸外国に比べて、いまの日本の世界における立場からいうと非常に貧弱であると言わざるを得ないと思います。まだ外務省の定員はインドなんかにもとうてい及ばない。せめていまの三千数百人を五千人にしたいというのが外務省の悲願でございます。そのために、非常に財政が厳しい状況でありますが、外務省については定員について毎年わずかずつ伸ばしていただいておりますが、これでは不十分であります。これからの世界における日本の役割りを果たしていくためにも、あるいはまた、情報化時代でございますから、情報を収集してそして臨機応変な適宜な外交措置をとるためにも、やはりもっと充実したものにしなければならぬ。これは非常に行政改革等厳しい時代でありますが、特にこれからの日本の世界における役割りというものを踏まえてひとつ考えていくべきであるということで、私たちも常々臨調の皆さんに対しても、また財政当局に対しても、国民に対しても要望をいたしておるわけであります。
 それからモンゴルの問題でこざいますが、確かに小林委員のおっしゃるような問題もあると思います。しかし、モンゴルもソ連圏とはいえ世界の一国でありますし、日本とは歴史的には長い関係もあるわけで、深い関係とは言えないと思いますけれども、長い関係もあるわけでございますので、やはり外交の窓口をあげるということもこれは大事なことであろうと思っております。しかし、外交活動としてはおっしゃるように非常に局限されたものであることは事実であろうと思うわけでありますが、これから長い将来、先のことを考えますと、いまはそういうふうな非常に厳しい条件のもとに外交活動も十分できない、こういう状態ではありますが、将来のことを考えますと、モンゴルも日本に大使館を置いているわけでございますし「そういう立場で日本も大使館を置いて、もちろん大使館の陣容等につきましては非常に限られた陣容になっておるわけでございますけれども、しかし、将来的に見れば、いまこれをやめるということも一方的にはできないわけでございますし、将来の問題を考えますと、あそこでひとつ大使館を置きながら、そしてこれからの外交活動をもっと積極的な立場でできるような方向でいろいろと努力はしていかなければならない、こういうふうに思っておりますが、いまおっしゃいましたことは、いろいろとわれわれとしても参考になるわけでございます。これを踏まえていろいろな改善措置等は講じてまいりたいと思います。
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小林進#6
○小林(進)委員 モンゴル大使館存置の問題は、これはひとつ将来継続して私もまた改めてやらしていただくことにいたします。
 時間がありませんから、次に、これは外務大臣と厚生大臣も関係いたします。ちょうどいましゃべることは余り時宜を得ないのでありまするが、ちょっとお許しいただきたいと思うのであります、しゃべる機会がないものでありまするから。
 二十七日から中国残留孤児が四十五名日本に来て親、親類捜しということをやっております。これは人道上の問題で重大な行政の一つでありまするから、私はもとより賛成であります。賛成でありますが、これに関連して、政府は一体この問題について中国側がどう考えているかということをお考えになったことがあるかどうか。
 これは二つの問題点があります。一つは、せっかく親捜しに来たが、来たその人が結局中国における三十七年、三十八年、父として母として一緒に暮らした養父母との関係がこのために貧しくなって、定着した中国における家庭が破壊されるという問題。それからまた、本人は日本へ来たら日本の文化にあこがれて、今度は本国に帰るのがいやだ、日本に定着したいというので、二十年なり十五年連れ添ってたのが夫婦別れをするとか、あるいは産んだ子供を中国に存置をして自分だけが日本に帰ってくるとか、あらゆる悲劇が生じている。だから中国は、せっかく戦争が済んで三十七年もたって、事態が安寧定着をしているときに、むしろ死んだ子を起こすような形でこれをやっていただくことは中国側は非常に迷惑だ、こういう意見が一つある。
 しかし、それよりももっと大きな問題は、一体その残留孤児は日本人だけかという問題がある。いま来ているのは黒竜江省の孤児が一番多いのでありますが、私は黒竜江省へ毎年行っている、三江平原の問題がありますから。現地で聞きますと、一体孤児は日本人だけか。日本の一つの侵略戦争、こう言ったならば問題があるかもしれませんが、侵略戦争のために父を失い母を殺され家族を殺された中国自身の孤児が何万、何十万いるのだ。それも、中国の国土の中でいわゆる孤児として惨たんたる生活をして、いまでも日本のために家族、両親をやられたという切々たる恨みを腹の中に持ちながら、われわれはせつない逆境の中に生きてきたのだ、その生きてきたときに、われわれのせつない気持ちに対する一点の考慮もない。ただ日本の孤児だけ日本の孤児だけということでお祭り騒ぎをしていたときに、この中国の孤児の心情を一体どう考えているか。なおかつ、この戦争の惨たんあるいは悲惨な中から、われわれは日本に対する恨みも忘れたい忘れたいと思っているさなかに、この日本人孤児の問題でまた新たに日本に対する恨み、そういう気持ちにわれわれは火をつけられている、こういう問題を日本の関係者、政府はどう考えているか。
 だから、結論から言えば、本当にこの戦争の惨禍から中国の孤児も含めて何とかその傷痕をなくしたいというならば、せっかく落ちついている現状に火をつけるようなことをしないで、中国の孤児もたくさんいるようなそういう黒竜江省、吉林省や遼寧省あたりに日本の政府が――中国は一銭も賠償金を取らないでしょう。賠償金を取らない。戦争のことは過去の夢と見てあきらめているというのだから、そのことも勘案をして、その地域に対する日本人の気持ちが通ずるように、あるいは経済的援助でもしていただくとか産業的な援助をしていただく。私がやっております三江平原の農業開発等にも、そういうことを通じて温かい施策を講じてみんなが、中国の孤児も日本の孤児もともに幸せになるような、そういう政策を考えてもらえないか。これは現地の声です。こういうことに対してひとつ率直な御意見を承っておきたいと思います。
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安倍晋太郎#7
○安倍国務大臣 中国の残留孤児、日本人の残留孤児の問題については、御承知のようにこれまで八百人ぐらいから肉親捜しの依頼があるわけでございまして、これは中国に残っている日本人孤児の切実なる思いがあるわけでございますから、これに対してやはりわが国としても報いなければならぬということで今日の孤児捜しということで、後で厚生大臣からもお話があると思いますが、厚生省を中心にして国内に呼びかけて積極的に行われておるわけでありまして、テレビなんかで非常に感激的な対面もあるわけでありますが、一面においては、小林委員のお話のように、またかえって家庭悲劇というものにもつながっている面もなきにしもあらずということも聞いております。しかし、何としても残っておる孤児のああした切々たる思いをかなえさせてやりたいというのが日本としてのある意味においては責任だろうと考えております。
 同時にまた、中国でいま、戦争の結果孤児が生まれたわけでございます。これに対して日本として責任があるか。まさに私は日本あるいは日本人、日本国として反省しなければならない戦争でありましたし、当然だと思うわけであります。この問題については、お話のように、日中国交回復ができましたときは、賠償金の問題は中国がこれを放棄したわけでございますが、日本としてはそうしたこれまでの歴史の経過も踏まえ、またその反省の上に立って、中国のいわゆる国の建設に対して積極的に協力をしていくということがやはり最も大事なことだろうと私は思います。
 そういう観点から、これまでも近代化に対していろいろと日本としても経済協力を初めとして協力を進めておりますが、さらにまた、中国も五カ年計画も終わりまして新しい五カ年計画で第二次の経済協力についての要望も出ております。われわれはそうした全体的なこれまでの歴史というものを振り返りながら反省の上に立って、これはやはり積極的に進めていくべきである、こういうふうに考えて、いままさに第二次の借款問題についても全体的にこれに対して前向きで対応しようということで検討を始めておるところでございます。そうした基本的な観点から、これからも、日中関係せっかくことまでよくなってきたわけですし、いま最も両国の関係は安定しておるわけでございますから、これを崩さないで、さらにこれを進めるような中でわれわれひとつ努力を重ねていきたい、こういうふうに私は考えるわけであります。
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林義郎#8
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答えいたします。
 ただいま外務大臣から御答弁がありましたことで大要は尽きておるわけでございますが、私も今週の初めに孤児のところへお伺いしまして、来日の目的が達成されるように心から期待をいたしますし、厚生省としても一生懸命努力をするということを申し上げました。お会いしまして、本当に私はこの三十何年という形で別れておって望郷の念やみがたいというお気持ちをひしひしと胸の中に感じまして、私がお話を申し上げたならば涙を流しておられる、私も本当に胸のつかえるような思いがしたわけでございます。
 だから、そういった形で、これは全くヒューマンな話である、全く人道的な考え方でやっていかなければならないと私は思いますし、その人道的な考え方に立っていくならば、いま小林先生御指摘のありました養父母の関係であるとか、残されたような関係も十分に配慮していかなければならない。過去におきましていろいろな問題があったことも承知しておりますが、そういったことが起こらないようにこれからもやっていかなければならないと思いますし、中国政府とも約一年間にわたりましてこの辺の協議をしてきたところでございます。そうした意味で、これからもできるだけ現地で混乱が起こらないようにいたすということがわれわれのやっている施策の大きなポイントでございます。
 もう一つの問題の御指摘がございました。中国の人に対して、日本人だったならばこういうふうなことになるけれども中国人はどうかというような問題、正直申しまして私はあると思います。けれども、これはいま外務大臣が御答弁されましたようなことでありますし、田中総理が一九七二年の九月二十九日、日中共同声明の中に、「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」というこの精神が基本として流れてなければならないのだろうと私は思うのです。そういった意味で、もちろん先ほど外務大臣からも御答弁いたしましたように、賠償権は放棄されている、しかしこれはヒューマンな気持ちである、人道の問題である、こういった形でこの問題はいろいろと考えていかなければならない問題ではないかというふうに思っておるところでございます。
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小林進#9
○小林(進)委員 これに関して、大蔵大臣、一言ひとつ御回答いただきたい。いま日中共同声明の一部をお読みになりましたが、そのとおりであった。しかし、その共同声明をつくるまでに、田中元総理が北京に飛んでいってつくる前までは、特に自民党は、もう名前を言ってもいいが、亡くなられた賀屋先生等を中心に、日中の国交回復は反対だ、これをやると中国は五百億米ドルの賠償を日本に要求してくる、これでは日本は立っていけない、また戦争のような惨禍に陥るくらい惨たんたる目に遭うから、その中国賠償問題一つ考えただけでも国交正常化はやるべきじゃないという声が、当時圧倒的に与党・自民党の中に多かった。
 ところが、行って国交正常化したのを見たら、一銭の賠償金も取らない。一寸の国土も日本からは取らない。まさに無賠償、無分割の原則で温かく日中の手を結んでくれたわけでありまするから、これを考えると、惨禍に遭われていまなお苦しんでいる中国の孤児の問題等を考えた場合には、彼らが要求するような経済援助の問題や産業援助の問題で、思い切って無利子や低利子の金くらい少しお出しになって、この中国の温かい恩義に報いるくらいのお気持ちがあってしかるべきだと思いますが、どうですか。やはり財布はかたくて出しませんか。これを一言だけひとつお伺いしておきたいと思います。
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竹下登#10
○竹下国務大臣 これは私が大蔵大臣就任以前の話でございますが、一昨年の夏、円借千三百億、輸銀千億、バンクローン七百億の交渉妥結の際に、二階堂ミッションに私もお供をいたしました。そのときの相互の話し合いにおきましても、今後、それぞれ両国の立場、両国のために役立つという認識のもとに、友好を基調とした経済協力の問題についてはもとより、具体的に言えば、プロジェクトごとにいろいろな議論を詰めてまいるわけでございますけれども、そういう姿勢は今日でも貫かれておるというふうに私も理解しております。
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小林進#11
○小林(進)委員 それでは次へ移りたいと思います。
 文部大臣、共通一次試験の問題、これはもう参議院においても衆議院においても論じられておりますので、むずかしい理論はやめにいたしましても、この共通一次試験については実に評判が悪い。あらゆる父兄、関係者は皆むしろ迷惑しているという状況でございますが、すでに五回の実施を経たこの共通一次試験は、最近は特に弊害が指摘されている。それを見直すべしという論がもはや世論になっている。競争を緩和するのが最大の目標であったはずでありまするが、文部省発表の学校基本調査における私立合格率がだんだん低下している。かえって競争が激化をしているというのが現状であります。最初の目的はどこかへ行ってしまった。こうした事態について文部大臣はどういう対策をお考えになっているか。
 時間がありませんから続けて言いますけれども、まず共通一次試験の試験科目数が多過ぎるということ、これが第一、受験生が負担に耐えられない。これで共通一次離れの問題がいま起きておることは大臣御承知のとおりであります。去る十二月二十四日の参議院予算委員会において、わが党の吉田正雄君の質問に答えて文部省は、昭和六十年以降は受験生の個性と各大学の自主性を尊重するアラカルト方式へ移行するということを言明しておられるが、この際、改革は早い方がいい。まだ五十八年が済んだばかりなので、五十九年か六十年まで行ってから考えようなんというのは実に文部省方式で、時代の進展にマッチしていませんよ。だから、私は早急に行うべきだと思っておりますが、大臣いかがでございましょう。
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瀬戸山三男#12
○瀬戸山国務大臣 小林さん御承知のとおり、共通一次試験は五回目をやりました。これはお互いに実情を見ておって、受験問題、非常に悩ましく感じておるわけでございます。もう少し大学の受験の緩和の方法はないかということで案出された制度で、五回目をやっております。
 しかし、いまお話しのように、現在になりますといろいろまた欠点、難が指摘されておる。五つの教科、七つの科目をもう少し減らしたらどうかとか、あるいは時期をもう少し繰り下げたらどうかとか、あるいはいまお話しのように、選択式、アラカルト式でやったらどうかとか、いろいろあります。そういう問題がありますから、早急にとおっしゃいますけれども、こういう制度は広範な影響がありますから、そう文部省だけで簡単にまいりません。国立大学協会あるいは入試センター等でそういう問題を含めて目下改善の方法を検討中でございますから、できるだけ早く検討の結果が出るのを待って処置をしたい、かように考えております。
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小林進#13
○小林(進)委員 私は、問題はどうも国立大学協会の審議の経過にあるんじゃないかと思う。大体が審議会等を設けて隠れみのにするということですから、もとは文部官僚も悪いと思いますけれども、その審議がどうもはかどっていないということであります。来年の秋まで時間をかけてのんびりと改革案を出すというようなことが新聞等に報道されている。文部省の方針は新聞にも報道されて、世論の支持もあります。さらに、具体的には二期分離案などのすぐれた実施可能な案も提唱されている。三月いっぱいにも、あるいは四月末までにでも、やる気になれば結論を出すことができるのではないかと私は思うのでありまするが、一体なぜ国大協の審議がもたついているのか、これがどうしても私ども理解がつかない。先ほども言うように、時代の進展にマッチしていない。
 共通一次の実施が国会通過の際には、文教委員会はこれに附帯決議をつけているのであります。必要に応じて見直しのために経過を国会に報告せよという要求がつけてあるのです。どうもこの要求にもこたえていないようであります。国大協の態度のいかんによりましては、国大協の委員長でも委員でも国会へ来ていただいて、参考人として御意見を聞かなければだめな問題ではないかと私は考えておる。それほど世論は硬化しているのですよ。こういう問題について大臣、ひとつ明快な御決意のほどを承っておきたいと思います。
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瀬戸山三男#14
○瀬戸山国務大臣 国大協の審議状況等は事務当局から答弁させていただきます。
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宮地貫一#15
○宮地政府委員 お答え申し上げます。
 国大協の入試問題についての審議状況でございますが、新聞等でも報道されているとおりでございますけれども、大学入試の問題については大学関係者全体の理解を得ながら進めていくことが必要でございます。そしてまた、入試制度は大変影響の大きい問題でもございますので、共通一次についていろいろ評価されている点について御指摘のような点があることは事実でございまして、それらの点について関係者の合意を得ながら、全体の合意を得て進めていかなければならない問題でございますので、御指摘のように時間を要している点も事実でございます。私どもとしては、そういう御指摘のある点について積極的にとらえながら一日も早く改善を進めてまいりたい、かように考えております。
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小林進#16
○小林(進)委員 一日も早く改善を進めるという点だけはちょうだいいたしましょう。ただし、全体の審議が云々だとか、がちゃがちゃがちゃがちゃ言っているようなことは決まり切ったことで、それは言わずもがなの答弁です。そんなのを聞いているんじゃないのだ。私の言いたいのは、むしろ国大協に集まっている先生方、それは専門家であろうけれども、少し年をとり過ぎている。どうもアクションが遅いのではないか。いま少し新進気鋭な諸君と、ひとつ人員を入れかえることもこの際考えておいた方がよいのではなかろうか、これは私の注文であります。
 以上、注文いたしておきまして、これは文部大臣、また最後に別の問題で御質問いたします。
 次は、ひとつ厚生大臣にお伺いいたしたいと思います。
 日本ケミファの臨床データが偽造された。一体これは何種類が偽造されたのか。時間がありませんから私から言いますけれども、ノルベダンあるいはシンナミンなど相当のものが、これはみんなデータが偽造されているのでありますが、そのほかトスカーナなどという、これも偽造のものがあるのです。八十日間の製造禁止ですが、これは二月二十五日から解除になって、いまどんどんどんどん製品をおつくりなっておるようではございますが、これが社会に及ぼした影響というものは想像以上のものがある。御承知のとおり、薬なんというのは人命にかかわる鎮痛剤であったり、顔痛消炎剤であったり、あるいはトスカーナなどというのは血圧降下剤、老人病には欠くべからざるものだ。こんなのが全部偽造されているということになったら、薬なんというのは安心して飲めないのです。こういう悪徳業者を八十日間、これは重いとか軽いとか、ジャーナリストによって評価は違いますけれども、私なんかは軽過ぎると思っている。一罰百戒で、こんなのは永久に営業できないぐらいの厳罰処置可なりと思います。しかし、これを許可した責任は厚生省でしょう。厚生省の中で、一体これに対して責任をとる者が出てきましたか。責任とらない。
 同時にいま一つお伺いしたいのは、こういうデータを偽造した薬屋は、一体一会社だけですか。いいですか、ケミファだけですか。ケミファだけであったと断言し得るだけの自信が厚生官僚、まあ大臣はちょいちょいおかわりになるから大臣を責めるのは何ですが、厚生官僚の中にこれがあるかないか、確信があるかないか、それを先にひとつお伺いしておきたいと思うのであります。
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林義郎#17
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答え申し上げます。
 薬がどのくらいの数かというお話がまずございましたが、これは事務当局の方から詳しく説明をさせていただきます。
 私も、日本ケミファの事件が大変に国民に衝撃を与えたということは深く考えているところでございまして、薬というものは非常な信頼性を持っていなければならない、この信頼性が私は一番の問題ではないか、こう思いますし、そのためにわが方におきましても、薬事法に基づきましてその有効性を、また有効性等がない場合には承認を与えてはならない、こういうふうな規定になっておるところであります。審査に当たりましては、中央薬事審議会におきまして、その道の専門家の方々の御審議を経てやったものでございます。
 ただ、もう先生御指摘のように、こういうデータを偽って出したというようなことでございますから、こういった問題について当然、普通常識からすれば、そういった学会論文、学会雑誌等に出ているものを疑うということになるのは、私は大変に異例中の異例のことだろうと思うのです。だから、そういったことについてだまされたということが役所の方の責任ということではあるかもしれません。そういった意味では、役所の中の審査の仕方、審査の方法、いまの薬事審議会の審査の方法、大変たくさんの数が出ておりますから、その中でどういうふうな審査をしていくかという手続、組織等の問題につきましては、やはり検討を加えていかなければならない問題ではないかというふうに考えております。いまの点につきましては、事務当局から御答弁させることをお許しいただきたいと思います。
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小林進#18
○小林(進)委員 私は事務当局の答弁要りません。私は内務官僚、特に薬務官僚に対して信頼をしておりませんから。そんな形式的な答弁で限られた時間をとられたのじゃたまりませんから。
 そこで、私は続いて申し上げますが、形さえ整えば、偽造されようと、ペーパーメーカーといいますか、これは化粧さえしておれば、内容はどうでも、ペーパー上だけで整っていれば、これは全部許可するのですか。これが厚生官僚のいわゆる薬務行政ですか。私はその点がどうしても腑に落ちない。そうしておいて、人命に関するようなこういう重大問題をさっささっさと全部認可、許可している。そしてこれができ上がってしまうと、審議会に諮ったんだから厚生官僚は責任なしと言って、責任一つとらなければ、悪かったと国民にわびるやつ一人もいない。こんな行政が続いたら、国民の命なんか幾つあったってたまったものじゃありません。了承できませんよ。
 その問題と関連して私は言いますけれども、大臣、この前もわが党の川俣健二郎委員があなたに質問いたしました。がんの新薬がまだ許可にならない。許可にならないが、愛する妻のためにせめてこれをひとつ服用さして妻の晩年をみとりたいという声を、あなたは人道上の問題であるからといって、課長を派遣してその実情の調査をおやりになった。私はそのことに対してあなたにけちをつけようという気はない。それはあなたの行為はりっぱだ。しかし、する行為があるならば、いまこの国会の中で、これは数年ですよ、国会の中にはいわゆる特別の超党派の委員の集団も設けられている。これは丸山ワクチンです。丸山ワクチンというものをがんの薬として、これは効果がある、これをなぜ許可しないかということで、丸山ワクチンを保険薬に採用するために、これは国会議員が超党派でつくって、そしてあらゆるデータをもって厚生官僚に要望しているけれども、いまだこれを、治験薬の範囲までは持ってきたけれども、まだ一般にこれを許可しない。あなたは一人の関係者の要望で課長をお出しになったが、現在国民がどんなにこの丸山ワクチンの問題を要望しているかという実情をあなたごらんになりましたか。厚生大臣、日本医科大学へ行ってごらんになりましたか。毎日のように全国から集まっている、この丸山ワクチンを得たいということで行列をしている、この国民の切なる要望をごらんになりましたか。
 大臣、これをごらんにならないとすれば、ちょっとおかしい。あなたは課長か何かそこに派遣されましたか。丸山ワクチンを使って治療をしている人が、いままで全国では延べ十七万六千人いるのですよ。この丸山ワクチンを注射をしてから、いいも悪いも、この十七万六千人の中で丸山ワクチンに恨みを持っておる者は一人もおりません。そしてそのカルテが全部そろっているのです。十七万六千人のカルテが全部そろっているのです。一部も欠如しておりません。あなたはそれをごらんになりましたか。いまでもこの丸山ワクチンを注射している人が日本で三万八千名いるのです。いいですか、その三万八千名の九九%がもう全部進行性の末期がんです。どこのお医者あんもさじを投げたという末期現象の患者が九九%、それが進行状態の中でこの丸山ワクチンの注射を受けているというのが現状なんです。いいですか。あなたはなぜこういうことに抵抗を続けている厚生官僚を払いのけてでもこの実情をごらんにならないのですか。一人の要望だけで課長まで派遣しておいて、十七万八千人の経験を積みデータを持って、いまなお三万八千人もの人々が皆これにすがりついてその治療を受けている、注射を受けているにもかかわらず、あなたはそれを見過ごしているというのは、ちょっと大臣としての行政に不公平があるのではないかと私は思いますが、いかがですか。
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林義郎#19
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答え申し上げます。
 TNFの問題と丸山ワクチンの問題をお引きになりまして、不公平ではないかというふうな御指摘でございますが、TNFの方の問題は各先生方のところにも、恐らく小林先生のところにも私と同じ文面の御陳情が行っていたのだろうと思います。これを読みまして、やはり切々と訴える気持ちがありますから、私も、それはなかなかむずかしい話である、まだ動物実験も完成されておらないし、そのほかのいろいろな臨床的な検査の問題もまだやらなければならないということであるし、大学の先生も、薬をいまやろうとしておられる先生も、また主治医の方も非常にむずかしいというお話でありますから、どういうふうな形でやったらいいだろうかということで、厚生大臣個人の資格として、担当の課長さんはお医者さんでありますから、その方に、行ってひとつ話をよく聞いてください、何かいい方法はないだろうか、こういう気持ちでやったわけでありまして、この気持ちにつきましては、私は丸山ワクチンを持っておられる方についても全く同じであります。
 ただ、先ほど来日本ケミファの問題で御指摘がございましたように、薬というものはやはり相当厳しい審査を経た上でやるということの国民的な信頼がそこにある、そういったことからいたしますと、いまこの薬につきましての有効性その他の問題がまだ依然としてできないというのが薬事審議会での答申でございますから、そこで治験薬という形でいま御必要な方々にはお分けをしているというのが実情だと思っております。
 私の方でいただいた数字は先生の持っている数字とちょっと違いますけれども、私は数字の問題ではないと思うのです。数字の問題ではなくて、やはりそういったことをできるだけ早く解決されるように、これは会社の方にも言わなければなりませんし、現在会社の方でいろいろな形のデータの整備その他をやっているわけでありますから、それを待ってやりたい、こういうふうに私は思っているところであります。
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小林進#20
○小林(進)委員 大臣、日本ケミファはさっきも言っているように何も内容を調査もしない、でたらめなんだ。よその資料をもって届け出の書類だけ、ペーパー上だけは整えたというのを完全だと言ってどんどん許可をしている。それから、がんの薬だって出たものは全部許可している。許可しないのが一つこの丸山ワクチンだけだ。あとは継続中はありまするけれども、がんの薬で不許可にしたものは一つもない。その許可したがんの薬の中でいわゆるピシバニール、クレスチン、これは皆大製薬メーカーです。私は、癌学会の諸君と癒着しているとは言わぬけれども、大メーカーだ。この諸君のやつを薬にして、いま一年間に幾らずつ売れていますか。何百億円ずつとのピシバニール、クレスチンは売れているが、効果があると確信を持っている者がいますか。ないからこそ何百億円も治療薬で用いながら、一方で本当に効くか効かぬかという研究機関を各関係業者から金を出していま改めて設けているじゃないですか。その研究の結果はどうなりましたか。本当に効くものであり、厚生省が許可したものなら、改めてそういう強大な研究機関を持って研究する必要はないじゃないですか。そういうでたらめをやって何百億円もがん妙薬と称して金を取りながら、効き目があるかないかの研究機関を改めて設けている。その研究機関の結果は後で資料を出してくださいよ。いま設けているはずですから。そういうことをしておきながら、一方で丸山ワクチンは一体何です。
 あなたは資料を整えてと言うけれども、あなたの前の村山厚生大臣に出した薬事審議会の答申の中には、動物の実験がまだ足りないから資料として不足だと言うのだ。そんなにネズミの実験が重要ですか。こっちの丸山ワクチンではネズミじゃない、人体だ。人間を十七万も十八万もやっているし、現在でもこの丸山ワクチンを事実使って実験をしている医者は全国で一万人です。一万人の人の保証がなければこの治験薬は買えないのですから。一万人の医者が一人一人保証して、これを売ってあげます、注射をしてあげますから丸山ワクチンを買いなさいと言ってこの先生方がやっている。ネズミの実験と人間の実験と一体どっちが重要なんです。そういうようなペーパープランやネズミだけに重心を置いてこれを許可しないところに、厚生官僚の断じて許し得ない問題がある。まだ言いますよ。限られた時間でもう時間がないから言います。
 なおかつ、ここにはこの丸山ワクチンが効くという学者の経験が、資料がこれほど来ているのでありまするけれども、これは木本哲夫という川崎医大の教授です。アメリカの学会、アメリカの医学会ですから権威があります。その資料がありますが、全部資料を出して、アメリカの学会の中でもこれは承認せられておりますよ。ここにみんな資料がありますから。なおかつ東海大学から東北大学から、あらゆる大学から、丸山ワクチンの効果ありという緻密な資料が全部出ているのです。なぜそういう資料に対して、やれ完全じゃないとか、やれいちゃもんがあるとかという、あらゆるけちをつけてこれを不許可にするのか。あなた、いま欲しいならこれを見てください。こういう優秀な、これは世界の学会の中で皆了承をされているのです。それが一体なぜやり得ないのですか。改めて私は言いますけれども、ネズミの実験データは必要だが、人間の実験データは用をなさないと言うのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
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林義郎#21
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答えを申し上げます。
 丸山ワクチンの話に関連いたしまして、いろいろなデータその他いただきましたことはお礼を申し上げたいと思いますし、いまお話にありましたように、一万の治験薬という形でいま使っておるところでございますし、そういったいろいろな形でデータが積み重ねられた上で認められてくるのだろうと私は思います。御質問は、ネズミの実験か人間の実験かと、こういうふうなお話でございますが、私は、ネズミが大事だとか人間が大事だということは申し上げるつもりはございません。ただ、薬の実験をやり、医学の研究をするときには、ネズミであるとかその他の動物を使ってやるということが、これは日本のみならず世界の常識にもなっているところでありますから、そういったデータなしに、いきなりすぐに人間様に実験をしたり何かしたら大変なことになりますから、ネズミでやっている、そういったことで、これは学会でも一般に行われている方向でありますから、そういったルールに従ってやらなければならない。先生もそうでありますし、私もそうでありますが、政治家がそういったものについて判断をして、よければいいのですが、悪いときにどうするかということがまたございますから、やはり薬の問題は冷静な科学的な評価というものをベースに置いてそれでやっていかなければならない、これが薬の信頼性を確保するゆえんのものだろう、こう私は考えているところでございまして、これからも一生懸命努力をさせることをお誓い申し上げまして御答弁といたします。
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小林進#22
○小林(進)委員 厚生大臣の答弁を私は了承できませんよ。あなた、それを役人に言われて言っているのでしょう。私は政治家だから何も許可せいと言っているのじゃないのですよ。こうやって一万人のいわゆる医学者、医学の専門家がこれを効果ありとして使っているじゃないか、一人として反対者がいないじゃないか。がんの薬でこれぐらい専門家に圧倒的支持を受けている薬は他にありますかということをあなたにいま私は聞いている。ないでしょう。それをネズミに重点を置いて、この専門家の医学者の言うことをなぜあなたは用いないのかということ。しかも、ここに川崎医科大学教授の木本哲夫先生、これほど微に入り細に入り資料をお出しになっているものがありますか。人型結核菌体抽出物質(S・SM)の臨床比較対照試験成績(東海地区の臨床試験)なんて厚生省にありますか。そうしてそれを世界の学会にもアメリカの学会にも発表せられているという、その資料を一つも重要視していないじゃないですか。そしてピシバニールだのクレスチンだとか効くか効かぬような、そんなのを厚生省の官僚は売る手伝いをしているとも言わぬけれども、結果においてはそういうわけのわからぬものだけを一生懸命に売る手伝いをしていると言いたくなるくらいの不公平な医療行政をやっているじゃありませんか、われわれから見ますれば。そこをひとつ大臣聞かしてもらいたい。これは後でまた官房長官がおいでになったときに言います。
 あなたの前任者の森下前厚生大臣は、丸山ワクチンを一日も早く人命救済のために採用すべきであるというわれわれと一緒にやった猛運動家、われわれの先頭に立って闘った人ですよ。丸山ワクチンを守る議員連盟、議員懇談会の彼は有力な幹部であった。私は厚生大臣になったら必ずこれは実施いたしますと言って、彼は大手を振って厚生省に入っていった。入っていって厚生大臣になった途端にしゃべらなくなっちゃった。何でしゃべらないか。右顧左べんしているけれども、それは手にとるようにわかるんだ。官僚に十重二十重に囲まれちゃって、しゃべりたくてもしゃべれないんです。まさに厚生省は官僚天下です。その前は村山達雄先生、これは大蔵官僚から厚生官僚へおいでになったから、官僚のおやりになることは手にとるようにおわかりになっているでしょうけれども、だからなかなか慎重に発言された。
 その前の厚生大臣の園田直さんは何と言った。この人も終始一貫丸山ワクチンの支持者だった。そして、厚生大臣になると断じてこれはひとつ実施させます、私の責任でやりますと彼はしばしばわれわれにそう言ってくれたけれども、残念ながら厚生大臣の期間が短かった。その関係と官僚の抵抗で、ついに彼は厚生大臣のときに日の目を見ずしてさびしく大臣のいすを去られていった。
 そういうことで、この丸山ワクチンはそんな一遍の動物の実験がどうだなんというなまやさしい問題じゃないのです。これは日本の学会も世界の学会も専門家も挙げて支持しているというのに、大きな世界的な世論が立っているときに、断じて厚生官僚だけが抵抗している。そうしておいて、片っ方にはこういうペーパーだけで人の命を損うようなケミファなどというものをさっささっさとみんな許可しておいて、そして人の命をこれほど軽べつしておきながら、まだ一人も責任をとるやつがいないというんだ。考えたら大臣、その首を切りなさい。それでなければ官僚の姿勢なんか直りません。またそれは、課長以上局長ぐらいになったら自分のやることに対して責任を持つのはあたりまえだ。やりなさい。私はあなたと問答する気はない。やりなさい。やって責任をとらせなさい。やらなければまたこれをやるんだ。分科会から次の社労委員会でも、あなたがやるまで私はがんばる。こんなことは人道上許されるものじゃありません。もしあなた決意表明して、やるという決意があるならしゃべってもいいけれども、ぐだらぐだらする答弁なら私は聞かなくてもよろしい。よろしいですか。やりますか。
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林義郎#23
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答え申し上げます。
 先生のお話もよくわかりますし、丸山ワクチンをぜひ認めろというふうな形での議員連盟ができていることも私も承知をしておるところでございます。私の昔からの友人で現在東大の教授をしております篠原君、私は大変仲よしだったのです。彼からも、私の息子が教え子だったものですから、一遍陳情に行くという話もありますし、私もその辺、気は十分にするつもりでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、やはり科学的な評価というものが薬にとっては一番大切なことである。そうした意味でお医者の方々がいろいろな論文を出される、そういったことは当然中央薬事審議会の中にも反映されてしかるべきものであろうと私は思いますし、そういった手続を通じてやるということが薬の信頼性、ひいてはまた、丸山ワクチンの信頼性を確保するゆえんのものではないかというふうに考えているわけでございます。
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小林進#24
○小林(進)委員 またあなたが言われたから言うけれども、それほど薬の信頼性を保つと言うのならば、でたらめなデータだけでもってそれを許可しておいて、何万人、何十万人にそんなでたらめなものを飲ませていた厚生官僚をちゃんと処分することから薬の信頼性を回復しなさいよ。おやりになるならそれをおやりなさい。
 それから、篠原教授というのは東大の法学部の教授、りっぱですが、篠原さんだけじゃありませんよ。篠原教授を通じて大学の有名な教授の中でこれを飲んでいる人たちがたくさんいることはあなたも御承知のとおりです。その人たちに一人としてこれはだめだという人がいないのです。まさにその点も含めてやっていただきたいと私は思うのです。
 これをしゃべっているとだんだん時間がなくなっちゃうから次へ移りますが、もうこれは答弁じゃないのです、私は所信を述べてあなたのイエスかノーかを聞けばいいのです。
 それは麻薬と覚せい剤事犯です。これも国家、民族の将来に関する重大問題だから私は申し上げるのですが、だんだん時代の変遷はある、三十年代、四十年代、五十年代と様相は変わっているけれども、いまはこの覚せい剤の使用者の犯罪者の中のパーセンテージというものは、十九歳以下が七%も覚せい剤を用いている。二十歳以上から二十九歳までが一番多い、これは六〇%、三十歳から三十九歳までが大体一五%、四十歳から四十九歳までが五%、五十歳以上が一二・六%というくらいで、だんだん若い学生だとかそれから主婦だとかいうのがこの覚せい剤を用いてくるが、これは材料はみんな海外から入ってくるわけです。
 だから、結論を申し上げますが、私は法務委員会でもしばしば言うのですけれども、こういう覚せい剤や麻薬やアヘンなどという犯罪は情状酌量も何もないのです。これは普通の犯罪と全く違うのです。初めからもう悪いことはわかっているのだ、ちゃんとわかっているのだ。一〇〇%承知をしながらこれを流したり使用したりしているのだから、この麻薬、覚せい剤に関する限りは、情状酌量とか犯意があるとかないとか、つまらない刑法論でこんなものを取り調べている必要はないのだ。私はこれを抑えるには厳罰主義しかないと思うのです。こんなものをつくって販売したり、人の魂を濁らせたり、精神を攪乱撹乱させたりあるいは犯罪を醸成するような、こういう者には一片の同情の余地もないのだ。こういう覚せい剤などを使用したら一生刑務所にでも入れられて、もうしゃばは終わりだというくらいの厳罰主義でやらなければだめだ。あとは水際作戦です、よそから入ってくるのですから。この前、どこかの社長が四十億だか五十億の覚せい剤の材料を得たとか、きのうはアメリカの駐留軍の、何か特務曹長だとか曹長の奥さんが、四億だか五億の覚せい剤を入れたとか……(「自衛隊だよ」と呼ぶ者あり)自衛隊だ。そういうようなことをきちんとひとつやらなければいけない。これは厚生省の麻薬課と警察庁、姿勢を変えなきゃいけない、国の姿勢を。この問題についてひとつ確信のあるところを聞きたいと思う。がちゃがちゃとした理屈は要らないのです、きちっとしたところを聞きたい。
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林義郎#25
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答えを申し上げます。
 麻薬、覚せい剤の犯人は、本人が承知でそれをやっているのだから厳罰をもって処すべきである、こういうふうなお話であります。実は、私、地元で密輸がたくさん挙がりまして、しょっちゅう出ておりまして、非常に苦々しく思っているところでもございますし、これの強化を図るということは非常に必要なことだろうと思います。
 覚せい剤取締法を昭和四十八年に改正しまして、麻薬取り締まりの罰則とほぼ同一にいたしまして、最高刑として無期懲役まで、先ほどの先生のお言葉によればずっと監獄におれ、こういうふうな、そこまで科すことができるなど厳しい罰則規定に現在なっていることで御答弁といたします。
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大堀太千男#26
○大堀政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、覚せい剤の事犯は昭和四十五年以降ほぼ一貫をして増加を続けておりまして、昨年私どもで検挙いたしましたのは三万七千七百三十九件、二万三千三百六十五人というものを検挙いたしまして、そのうち約百七キログラムの覚せい剤を押収いたしました。御指摘のように、最近では主婦やあるいは少年を含む一般市民層にまで広がりつつあるということ、あるいは覚せい剤の薬事作用によると見られる殺人、放火などの凶悪事件が続発をしているということは、やはりきわめて憂慮すべき状況だろうと思います。
 わが国で使用されております覚せい剤は、そのほとんどが海外から輸入をされておることは事実であります。また、暴力団が資金源として介入をいたしまして密売ルートを支配しておるという実態にもございます。したがいまして、警察といたしまして、まず供給の遮断ということで、密輸入事犯の水際検挙、それから暴力団を中心といたしました密売組織の壊滅あるいは需要の根絶ということから末端の乱用事犯の徹底検挙、これを三本柱といたしまして強力な取り締まりを行っておりますが、もう一つ、やはり覚せい剤の乱用を根絶するような、拒絶をするような社会環境をつくるために、警察独自あるいは関係機関、団体と連携をしていろいろな啓発活動を積極的に推進しておるところでございます。今後とも、国際的な問題もございますので、関係国との連携あるいは国内では税関その他、関係機関との緊密な連携を進めて、一生懸命取り締まる所存でございます。
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小林進#27
○小林(進)委員 くどいようだが、これだけは民族やわれわれの魂を腐らせる実にけしからぬことですから、これには、警察庁なかなかがんばっています、それでいいです。厚生省の麻薬取り締まりはまだ検挙率が少ない。それから大蔵大臣、いまの麻薬、覚せい剤の問題はあなたの大蔵省の関税も非常に影響いたしますから、これは大蔵省、警察庁、それから厚生省、三者横の連絡をとりながら絶対的に撲滅する。一年と言いたいけれども、まあ無理だから、三年間でわが日本からはこの麻薬、覚せい剤犯罪を撲滅するというひとつ目標を掲げて堂々と取り組んでもらいたい。特に関税の違反が多いのですよ。大蔵大臣、ひとつがんばっていただきたいと思います。もう時間がないから、残念だが、これはまた次の委員会で私はやります。
 次には、老人医療の問題だ。これは重大問題。老人保健法は今日昭和のうば捨て山法だ。お年寄りは死んでしまえという、こういういわゆる老人保健法をつくり上げたんだな。いいですか。ちょっとこれはしゃべっていると時間がなくなっちゃうけれども、いま大体孤独の老人が九十万人以上おりますね。孤独の老人ですよ。家族は何にもいないんだ。それから、半年以上入院をしている老人が三十万人以上いるでしょう。これに対して、いまこの老人保健法は何と言った。いいですか。
 ちょっと申し上げますけれども、六十九歳までは注射料はまだ普通並みにやってもらえるから、大体一日七百五十円の範囲で注射や治療をしてもらえるが、七十歳以上になるとこの老人保健法で途端にこれはもう注射はできない。症状の軽重、緊急性あるいは必要性などというものは一切関係なく、点滴注射料として同じ注射は一日二百円、二百円以上使っても金は払わぬよ、こういうふうに制限されてしまう。いいですか。お年寄りは、あなた方もう注射なんか七十歳以上は打ってもらえないんだよ。六十九歳までで。
 それから、四月一日から実施される事項で、老人を六〇%以上収容しているいわゆる老人病院では、老人の医療料金として別に点数が使われる。たとえて言えば、この法律によれば、一般臨床の検査、いわゆる検査項目というものは三十一項目あるんだが、各項目とも月一回ずつ検査を実施していただくことになりますると、六十九歳までは一万二千円ぐらいを要する、それを老人は全部臨床検査を受けていたが、それが七十歳になると途端に月千五百円。何やっても千五百円だから、医者は千五百円では、一万二千円だからちょいちょい丁寧に検査するけれども、何をやってもトータルは千五百円以上払わない、打ち切りだから、これではやりませんよ。だからこれは老人は死んでいきなさい。
 注射はどうだ。注射は、皮下注射でも、静脈でも、点滴注射でも、どれをやっても七十歳以上は一カ月千円だ。これは何をやっても千円以上払わない。
 それからまた、目や耳、鼻、お年寄りは耳や目が一番やられるんだ。この処置としても、目や耳もみんな含めて月三百円だ。それ以上は何やっても全然払いませんよというのだ、これは。いいですか、一日十円ですよ。目が悪いといって医者のところに行っても、医者はそれで目を診ても十円しか医療費をもらえないから、まあまあよそへいらっしゃいというようなもので、医者だって商売だからめんどうは見ないですよ。
 さらに、心電図や内臓の超音波検査は、月に何回やろうと、原則として月一回しか認めない。どんなに心臓ががたがたしても月一回しか診ない。そして、それでは私はつらいから心電図をもっととってもらいたい、検査をしてもらいたい、そのためには、いわゆる差額は患者の小林進自体が払いますよと言ったところで、差額の個人負担はだめよと言って断られる。個人負担も差額の徴収もやらせない。そして、しかし何をやっても月に三百円以上は、金は厚生省が払ってくれないという、これが一体うば捨て山でなくて何ですか。
 七十歳になると途端にこういう冷遇を受けるのです。そして厚生官僚はこれに対して、お年寄りなんか入院しても孤独になるから、早くうちへ帰して、在宅治療といって、うちに置いて、そして訪問看護婦だとかホームヘルパーなどが行って、きめの細かい親切な治療や手当てをしてくれるところに老人の人間性が生まれ変わるのでございます、こういう説明を官僚はしている。説明をしながら、経済的には、いままでの老人医療からこれをやることによって費用は六分の一だ。六分の一の費用でこれは上がるのです。だから、老人保健法というものはまさに国の経費を、いわゆるいままでのやつを六分の一の安上がりにしようとするためにこういう法律をつくったんだ。喜んでいるのは大蔵大臣だけですよ。あとはもう年寄りは全部うば捨て山に捨てられるのと同じ状況ですよ、これは。こういう残酷非道なことをやってまで一体臨調、行政改革をやる必要があるのですか。いいですか。こういうひどいことをやって、もう時間がないから、もっと残虐なことを説明したいが、私は結論として申し上げる。
 こういう老人保健法の実施は、しばらくテスト期間を置くということで、延期したらどうですか。四月一日から実施することを延期し、そしていま少しきめの細かい処置を講ずるというふうにやるべきであると思うが、いかがですか。
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林義郎#28
○林国務大臣 小林議員の御質問にお答え申し上げます。
 老人保健法はうば捨て山をつくるのではないか、そういう御指摘でございますが、私はそうは考えておりません。今回の老人診療の設定に当たりましては、老人の心身の特殊性を踏まえて、やはり長期的に入院をしているということは不必要な場合には是正をしていかなければならない。入院して治療をするよりは、できるだけ地域から及び家庭における医療というような形へ転換していった方が御本人のためにも望ましいことであろうし、それからいまのお話の投薬、注射、点滴等についても、日常の生活指導に重点を置いて指導していくという形にしたわけでございます。主としてまた、老人のみを収容している病院につきましては、それにふさわしい診療報酬体系を設定いたしまして、医療の適正化を図るというのを基本にしてやっているわけでございます。
 いま先生からお話のありました注射料がどうだとか耳がどうだ、目がどうであるとかという話につきましては、私から細かくお答えするよりは、お許しいただければ事務当局からお答えをさせますのでお許しをいただきたいと思いますが、私ども考えておりますのは、決してうば捨て山にするとか――やはり老人の方々に適正な診療を受けていただく、これがわれわれの願いであり、また、そうした形によりまして健康な老人になっていただくということが私たちの基本的な考え方であることを申し上げまして、御答弁とさせていただきます。
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小林進#29
○小林(進)委員 全く厚生大臣気の毒だけれども、官僚の作文読んでいるだけです。あなた、勉強足りないよ。世の中で一番悪いのは文部官僚と厚生官僚だ。これはやっているけれども、これくらい始末に負えない官僚はいないのです。あなた、その官僚に追い回されている。
 特に厚生省が悪いのは横割り行政ができてない。あなた、在宅でやれと言ったって、一体六十万の孤独な老人が病院を追い出されてどこへ行って住むのですか。どこへ行ってやるのですか。そういうことをやるならば、ちゃんとそういう孤独な老人を入れる保護施設というものがこの法律に並行してできてなくちゃいかぬ。社会局及び保険局やっているかね。何にもできてない。それから、在宅できめの細かいめんどうを見ると言うが、一体ホームヘルパーは何人いるかね。九十万人も孤独の老人がいるのに、それをめんどう見るホームヘルパーがいま日本には一万人しかいない。スウェーデンなんか人口が八百万人という日本の十五分の一もないようなそういう国でも、在宅のめんどうといえばホームヘルパーは二万人からおりますよ。ここで初めて手が届く老人の保護ができるだろうけれども、それがたった一万人で、それを二万人にするのに何年かかる。それから訪問看護と言うが、一体看護婦何人いるかね。老人を病院からおっぽり出して在宅へ行きなさいと言って在宅へ行って、その訪問看護婦は何人います。全国でまだ三万人もいないでしょう。そんなもので、言葉ではできても実際やれますか。
 あなたはきめ細かくと言ったけれども、これをきめ細かくやっておったら、それをあなた方の言葉どおりに実施するのに何年かかる。十五年かかるか二十年かかるか。そんなときには皆死んでしまう、老人は。あなたはこういう息の長いことをやっていると言うのだけれども、ここでも厚生官僚は言っている。いやいや、これはいい制度ですからこれを完了するには十年か十五年かかりますと。あすも知らぬ老人に十五年も二十年もかかる長期の政策をやって、何で一体人助けになるのです。だめです、そんなことは。ですから、一番悪いのは、厚生省の各局の中で横割りの政策が何もない。何もできてない。老人医療設備の一つもできてない。ホームヘルパーもない。看護婦も足りない。だからあなた、何を言ってもだめだ。この法律を延期しなければだめだ。――しゃべるならしゃべりなさい。時間もないが、しゃべりなさい。
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