柄谷道一の発言 (安全保障特別委員会)

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○柄谷道一君 私は四月一日の予算委員会の外交・防衛問題の集中審議の際に、総理にお伺いをいたしました。その要旨は、総理大臣として日米関係の相互信頼を高めることを重視して、財政事情にある程度目をつぶっても、防衛費の対前年度比伸び率を高めて、GNP一%以内という閣議決定を場合によっては見直しても、五六中業を予定どおり期間内に達成するという道を選択するのか、それとも、財政状況や他の政策とのバランス等を考慮して、日米関係の信頼をある程度損なうことがあったとしても、五六中業達成の期日を先送りすることもあるという道を選択するのか、きわめて防衛予算と深いかかわりを持つのでその姿勢を明らかにしてもらいたいと求めたわけでございます。それに対して総理大臣は、日本政府が防衛努力に誠意を尽くしてできる限り努力する限り、財政事情その他の問題は話せばわかってくれると思う、こうお答えになりました。で、これは私は、五六中業の期間内完全達成がされなくてもアメリカの理解が得られるという、楽観的な総理の見解を示されたものと受けとめているわけでございます。
 そこで、外務大臣は総理の訪米に終始同行されておったわけでございますが、五六中業が期間内に達成されなかった場合、総理の言動からしてこの早期達成を強く期待いたしておりますアメリカ側は、これに対して反発をし、貿易摩擦問題とも絡まって、かえって一時的に改善をした日米関係を阻害することになるのではないか。別な面から申せば、総理は一時的に日米関係の信頼関係を回復したと言っておられるけれども、これを中長期的に眺めるならば、大きな不信感の種をまいたのではないか、私はこう理解せざるを得ないわけであります。外務大臣の御認識、いかがでございますか。

発言情報

speech_id: 109813818X00419830516_026

発言者: 柄谷道一

speaker_id: 8572

日付: 1983-05-16

院: 参議院

会議名: 安全保障特別委員会