本岡昭次の発言 (社会労働委員会)

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○本岡昭次君 直接賃上げの問題を労働省が指導するわけにいかぬということは、たてまえとしてはわかりますが、しかし、ここまではっきりした企業規模別の格差の問題を、ただ自然の成り行きのままに放置するということは、これは私は労働省の労働行政が無策だと言われることになると思うんです。だから、この格差が拡大していく状況を逆に縮小するためにどうすればいいかという問題を、労働省が積極的に現在の政府の政策の中にしっかりと織り込んでいくという努力が必要ではないかと思いますが、ここで意見を述べ合っている時間的な余裕がありませんから、いま答弁の中で出ました、一つの例をとればということで出てきた退職金の共済制度の問題について見てみたいと思います。
 いまも言われたように、中小企業の退職金問題について、労働者福祉ということで共済制度をつくっているということですが、その実態は、契約事業主数約三十四万四千、労働者数三百三十八万三千人、こういうことになっています。しかし、現在の国全体の中小企業事業所数は約六百二十六万、そこに働く従業者数が約四千三十九万人、このように統計上なっています。この事業所数、従業者数と比較して、先ほど言いましたように、その契約している事業主数、労働者数は余りにも少ないと私は思うんですね。だから、この委員会でこういうことをやっておりますと言えるような内容になっていない、このように考えます。また、政策推進労組会議が五十七年に行った中小企業労組のアンケートから見た労働実態というところにもこの問題が取り上げられておりまして、その中でも中退金共済の利用率は二一・四%という程度で、中小企業にとって魅力のあるものになっていないということになっています。
 それから、先ほど政府の方が出されたように、退職金の実態も大変な格差があるわけで、私の調査によっても、千人以上の企業規模で現業職三十年以上勤続で千二百三万円、これを一〇〇とすると、三十人から九十九人は五百九万円、割合でいくと四二%にしかならない、こういう実態。いろんな調査のとり方でこれは変わってくると思いますが、しかしはっきりしていることは、もう大変な格差がある。退職金は、これは賃金の後払いというふうな性格もあるわけで、そういう意味ではこの中小零細に働く労働者の置かれている状況というのは大変なものであるというふうに私は思います。それを改善していくのがこの中退金共済制度というふうにいまも言われたんですが、どうも現状は必ずしも労働省が考えているような形でこの制度は機能していない。
 どうですか、先ほどおっしゃったように、中小企業にとって、そこに働く人にもやはり退職金というのは大きな一つの魅力であるわけですから、そうした問題について、もっと利用率が高まっていく工夫とか努力、そういうものがあるのかないのかお伺いしておきます。

発言情報

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発言者: 本岡昭次

speaker_id: 10540

日付: 1983-04-28

院: 参議院

会議名: 社会労働委員会