社会労働委員会

1983-04-28 参議院 全215発言

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会議録情報#0
昭和五十八年四月二十八日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     佐々木 満君     三浦 八水君
     関口 恵造君     古賀雷四郎君
     田代由紀男君     藏内 修治君
     山中 郁子君     沓脱タケ子君
     小西 博行君     藤井 恒男君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     大城 眞順君     遠藤 政夫君
     藏内 修治君     田代由紀男君
     古賀雷四郎君     関口 恵造君
     藤井 孝男君     斎藤 十朗君
     三浦 八水君     佐々木 満君
     宮澤  弘君     鈴木 正一君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     山本 富雄君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     鈴木 正一君     森下  泰君
     山本 富雄君     関口 恵造君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     源田  実君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     源田  実君     関口 恵造君
     森下  泰君     鈴木 正一君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     石本  茂君     板垣  正君
     遠藤 政夫君     林  ゆう君
     福島 茂夫君     山東 昭子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        目黒今朝次郎君
    理 事
                田中 正巳君
                村上 正邦君
                対馬 孝且君
                渡部 通子君
    委 員
                板垣  正君
                大坪健一郎君
                佐々木 満君
                斎藤 十朗君
                山東 昭子君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                林  ゆう君
                本岡 昭次君
                中野 鉄造君
                沓脱タケ子君
                藤井 恒男君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       労 働 大 臣  大野  明君
   政府委員
       防衛施設庁労務
       部長       木梨 一雄君
       労働大臣官房長  加藤  孝君
       労働大臣官房審
       議官       小粥 義朗君
       労働省労政局長  関  英夫君
       労働省労働基準
       局長       松井 達郎君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  林部  弘君
       労働省婦人少年
       局長       赤松 良子君
       労働省職業安定
       局長       谷口 隆志君
       労働省職業安定
       局高齢者対策部
       長        増田 雅一君
       労働省職業訓練
       局長       北村 孝生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      飛田 清弘君
       法務省人権擁護
       局調査課長    堤  守生君
       外務省欧亜局大
       洋州課長     竹中 繁雄君
       水産庁漁政部企
       画課長      窪田  富君
       運輸省船員局労
       政課長      佐藤 弘毅君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部長  望月 三郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○労働問題に関する調査
 (労働行政の基本施策に関する件)
○特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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目黒今朝次郎#1
○委員長(目黒今朝次郎君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、森下泰君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正一君が選任されました。
    ─────────────
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目黒今朝次郎#2
○委員長(目黒今朝次郎君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案について、運輸委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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目黒今朝次郎#3
○委員長(目黒今朝次郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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目黒今朝次郎#4
○委員長(目黒今朝次郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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目黒今朝次郎#5
○委員長(目黒今朝次郎君) 次に、労働問題に関する調査のうち労働行政の基本施策に関する件、特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、以上の調査及び両法律案を便宜一括して議題といたします。
 両法律案につきましては、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これよりこれらの件について直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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本岡昭次#6
○本岡昭次君 まず、中小企業に働く労働者の問題について、若干お伺いをいたします。
 中小企業がわが国経済の中で占める地位が非常に大きいものがあることは、もうこれは国民周知の事実であります。中小企業のシェアは、事業所数で昭和三十五年の九九・六%から、昭和四十四年以降は九九・四%のまま今日まで推移しておりますし、従業者数においても、昭和三十五年の七八・七%から昭和五十六年には八一・四%にもなっています。このように、中小企業が雇用吸収面においても大きな役削りを果たしていることがよくわかります。
 しかしながら、中小企業をめぐる労働環境は、高齢化及び高学歴化の進展、あるいは女子労働の増加、労働時間短縮の要請の高まり、マイクロエレクトロニクス革命の急速な普及等、今後対策を迫られている問題が山積して、ますます厳しい状態になることが予想されます。そこで、中小企業で働く労働者の労働条件の改善や福祉の向上のために労働行政の果たす役割りは非常に大きなものがあると私は考えています。
 労働大臣はどのような見解や御認識をお持ちであるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
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大野明#7
○国務大臣(大野明君) ただいま先生御指摘のように、わが国の経済社会を支えておると言っても過言ではない中小企業の皆さん方の労働条件、あるいはまた労働福祉の問題等多々ございますが、いずれにいたしましても、労働省といたしましては、今日までも中小企業に対して、また、中小企業に働く皆さん方に対しも、でき得る限りの努力はいたしてきたと思っております。
 しかしながら、いま御指摘のようなやはり新しい時代、技術革新であるとか、あるいは高齢化であるとか、いろんな問題がございますが、そういうものを乗り越えていきませんと、いずれにしても今後ともわが国の経済というものを支えていくのは中小企業であることには間違いないので、これらに対してきめ細かい施策をいたすようにがんばりたいと思っております。
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本岡昭次#8
○本岡昭次君 大臣もいま日本の経済を支えていると言っても過言でないとこう言われましたその中小企業を支えているのは労働者でありまして、そういう意味では、こういう言い方は適切でないかもしれませんが、中小企業に良質な労働力、すぐれた労働者がそこに喜んで働くという状況をつくっていかなければこれはならないわけだと私は思います。そういう意味で、中小企業に働く労働者の置かれている今日の状況が必ずしもいいと言えない。したがって、よくない環境のところによい労働者が集まるということはなかなかむずかしい、私はそういう立場でお伺いをいたします。
 幾つかの問題がありますが、まず、労働時間関係の問題から伺ってまいります。
 まず、実態をお聞きいたします。企業規模別に見た週所定労働時間、また、週休二日制の普及の状態、あるいは年次有給休暇、こうした労働時間関係について、中小企業の労働者がどういう状態に置かれているのか、ここで明らかにしていただきたいと思うんです。
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望月三郎#9
○説明員(望月三郎君) 御指摘の点につきまして、昭和五十六年の統計でございますが、労働者千人以上規模を大企業といたしまして、一番下の方の三十人から九十九人を中小企業ということで比べてみたいと思いますが、労働者一人平均過所定労働時間につきましては、大企業が三十九時間二十六分でございます。これに対しまして中小企業が四十四時間五十八分ということになっております。
 それから、週休二日制適用労働者の割合でございますが、大企業が九五%、中小企業が四三%でございます。
 それから、年次有給休暇の取得日数及び消化率でございますが、大企業が取得日数が九・九日、消化率五七・九%というのに対しまして、中小企業が六・六日、消化率五二・四%になっております。
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本岡昭次#10
○本岡昭次君 いまの実態の報告を聞きましても、大企業と中小企業の格差は歴然としております。この下に零細企業というものを加えればさらにこの格差は大きなことになってくるのじゃないかと推察ができます。
 私の手元にあります全国中小企業団体中央会の「昭和五十七年中小企業労働事情実態調査」というものによりましても、週休二日制の実施状況が百人から三百人規模で五一・三%になっていますが、一人から九人規模というところではわずか一三%という状態であります。
 それで、週休二日制の問題にかかわらず、この労働時間短縮全体の問題については、経済社会七カ年計画、あるいはまた第四次雇用対策基本計画、こうしたものが閣議決定されている段階においても非常に重要視されて、わが国の労働時間の水準を昭和六十年までに欧米主要国並みの水準に近づけるよう努めようではないか、こういうことが閣議決定をされております。ことしは五十八年、あと二年ということで、まあ努力事項ですからできなければどうということではないと思いますが、しかし、こうした努力目標に向けて、まだ二年あるわけですから、どのように労働省として週休二日制の普及なりあるいは労働時間短縮の問題についてこれから努力していこうとされているのか、その点についてここで報告いただきたいと思います。
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松井達郎#11
○政府委員(松井達郎君) 中小企業における労働時間の短縮でございますが、先生お挙げになりましたように、週休二日制につきましてもかなり普及状況に格差があるということは残念ながら認めざるを得ないということだと思います。
 先ほど賃金福祉部長が申しましたとおり、千人以上と、それからもう一つ三十人から九十九人までというところで見ますと九対四ぐらいの、これは労働者の数にしてそうでございますし、また、企業の数にしましてもやはりその程度以上の格差があるのではなかろうかというふうに思われます。それで、どうしてそういうような格差が生ずるかということを考えてみますと、これはやはり、一般的には中小企業の経営の体質が弱いと申しますか、生産性が低いということに大きな原因があるのではなかろうかと思っておりますが、たとえばアンケートで調べてみましても、やはり中小企業において週休二日制が実施できない理由を見てみますと、やはり生産性が低いからだとか、あるいはなかなか景気が悪くてむずかしい環境にあるとか、そういうことを指摘する声があるわけでございます。
 そこで、先生御存じのように、現在の状況を反映しまして、また、先ほど御指摘のありましたように、週休二日制の推進計画におきまして総実労働時間二千時間を目標に進めるということでやってきておるわけでございますが、ここ一、二年の状況を見ましても、実は二年間で十数時間しか減らないというような状況で、いまのところ総実労働時間で二千百時間を少し切ったというような状況でございますので、目標として掲げた数字に参りますにはなかなか大変だという感じが私どもの実は率直なところでございます。
 それで、どんなふうにこれから進めていくかという問題でございますけれども、実は、先生御存じのように、ことしの二月に、銀行の土曜閉店制ということでもって全金融機関が足並みをそろえてやるというところまで参りまして、これは、月一回でございますが、ことしの八月の第二土曜日から全金融機関が足並みをそろえて土曜閉店に入るということになってまいったわけでございますが、この決定に至ります段階を見ましても、実は、昨年の四月にこの方針を大体固めたわけですが、そこで中小企業団体の方から、やはり利用者のことももっと考えるべきではないかというようなお話が出てまいりまして、かなりその調整に手間取って、一年近くかけて本決まりになったというような経緯をたどっております。私は、これも
基本的には現在の経営情勢が悪く、また、中小企業の経営が苦しいというところの状況が一つ反映したのではないかと思います。
 しかしながら、苦しいからなかなか進まないと言っているだけではこれはしようがないわけでございまして、実際問題としまして、この週休二日制につきまして、それじゃどうしてできないかということを考えてみますと、先ほどのアンケートでは経営状況のことを申しましたが、片方もう一つ、取引上の都合とかあるいは同業他社が実施していないとか、あるいは金融機関がやっていないとか、そういうような理由を挙げていらっしゃるところもあるわけでございます。今度金融機関が一歩を踏み出せばその理由の一つも解消することにはなるわけでございますけれども、それにしましても、やはり先ほど申しましたような経営上の事情とあわせて、他との並びというような問題もあるのではなかろうかと思っております。
 そこで、私どもとしましては、中小企業についてどういうふうに進めるかということでございますが、これはやはり業種として、あるいは地域として、グループでやはりこういうような時短を進めるということが、先ほど申しましたように同業他社とのつり合いとか、こういう観点からいって進めやすいのではないかというふうに考えまして、それで地域、業種の実情に応じたような進め方を地方の労働基準局ごとに進めるというようなことでやっております。
 この進め方につきましても、率直に申しまして、現在の状況を反映してはかばかしく進んでいないというのが実情だと思いますが、何にしましても、私どもとしましては今後の問題を考えてみた場合に、やはり労働時間短縮というのは、何と申しますか大きな世の中の流れであろうかというふうに思っておりますので、地域、業種の実情に応じまして着実にいま指導に努める、また、企業の実情に応じてやっていくというような方針で進めていきしたというふうに思っております。
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本岡昭次#12
○本岡昭次君 先ほども言いましたように、閣議決定で、六十年までに行政指導を重ねて、欧米主要国並みの水準に労働時間を近づけるんだと、こうやっているんですから、その努力を一層ひとつ重ねてもらいたいということを強く要望しておきます。いまのように、周辺の状況をただ見て調整をしているだけではどうにもならないんで、労働行政としての指導性の問題を発揮するようお願いをしておきます。
 労働大臣にはまた最後に総括的にお考えを伺うことにして、一応実態をいろいろ聞いてまいることにします。
 次に、賃金関係でありますが、この賃金関係の問題についても、いまの労働時間と同じように大企業、中小企業、零細企業という格差というものが相当出ているんじゃないか。一時はそれが縮小していく傾向にあったのがまた拡大しているという報道も新聞で見るわけですが、実際この企業規模間の賃金格差、あるいはまた退職金の支給状況、こうしたものは、現状どのような状態になっていますか。実態をここで報告してもらいたい。
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望月三郎#13
○説明員(望月三郎君) 最初に、賃金についての規模別格差の状況について御説明したいと思いますが、規模別賃金格差を毎月勤労統計調査の現金給与総額について見てみますと、五十七年には、事業所規模五百人以上を一〇〇とした場合、規模百人から四百九十九人では八四・四、規模三十人から九十九人では七六・二、五人から二十九人では六一・一となっております。
 先生御指摘のように、この規模別の賃金格差は、高度成長期には中小企業を中心として求人難等の事情がございましたので相当縮小したわけでございますが、四十年代におきまして縮小傾向に停滞が見られるようになりまして、特に最近に至っては、規模間の生産性格の拡大等によりましてさらに拡大をした。すなわち、事業所規模五百人以上を一〇〇とした場合に、規模三十人から九十九人では五十三年には八二・三であったものが五十七年には七六・二というようにさらに広がっておるというのが現状でございます。
 それから、退職金制度についての比較でございますが、労働省の退職金制度調査という五十六年九月にやった調査がございますが、これによりますと、何らかの形で退職金制度を有している企業の割合は、千人以上規模の企業では九九・六%やっておりますが、三十人から九十九規模の企業でも九〇・〇%となっておりまして、退職金制度は広く普及をしているというように私どもは考えております。しかしながら、十人から二十九人規模の小、零細企業では、小規模企業労働条件実態調査というのを五十五年九月にやっておりますが、これによりますと、十人から二十九人では七四・三%となっておりまして、なお制度のない企業も少なくないわけでございます。
 また、定年退職者のモデル退職金は、企業規模が大きいほど高く、たとえば高卒の管理、事務、技術労働者について見ますと、三十人から九十九人規模の企業では九百八十三万円、それから千人以上の規模の企業では千七百八万円に比べまして約六割の水準になっております。
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本岡昭次#14
○本岡昭次君 これもまた先ほどの労働時間と同様、大企業、中小企業そして零細企業、それぞれに大変な格差があるということがはっきりいたしております。私の持っている資料の中でも同じような状況が見られるわけで、このように賃金格差が一時は大企業との間に縮まる傾向があったのが、またこれが拡大をしていっている。こういう動向をこのまま放置していたのではますますその格差はひどくなって、大臣が初め言われたように、日本の経済は中小零細企業でもっていると言っても過言でないという実態の中で、そこに働く労働者は非常に低賃金。結局低賃金によって日本の経済が支えられている、低賃金と長時間労働によって支えられている、こういうことが言える、こうなるわけで、だから、労働省の労働行政がこの部分にどのようにしてメスを入れていくのかということを真剣に考えなければ、国際的な意味で言えば貿易摩擦の根幹もこういうところにあると僕は言えると思うんです。
 私は、最近アメリカに行ってあちらの労働者と会ってきましたが、貿易摩擦なんというのは、アメリカの失業者の問題がどうなるかということがその解決の基本だとはっきり言い切っていました。感情的に見れば私はそうだと思うんですね。そして、彼らの指摘するのは、長時間・低賃金、この問題を指摘し、それが日本の中小零細企業の構造的な問題として現にはっきりとここにあらわれている、こうなっているんですから、ここのところに労働省がどういうふうにしてこれから対策を講じていくのかという問題。労働省は直接やる問題ではありませんから明快な答えが出るわけもありませんが、しかし、このまま放置しておいてよいものでもないと思います。労働省のそのお考えをお聞きしたいと思います。
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松井達郎#15
○政府委員(松井達郎君) いまおっしゃいましたように、労働時間の面においても、賃金の面におきましても、あるいはその他の面におきましても、かなり大企業と中小企業との間に格差があり、そしてまた、一時見られた格差の収縮と申しますか、縮小と申しますか、これがとまり、物によっては拡大してきているというような状況があることは、残念ながらこれは事実でございます。
 私どもとしましては、このようなことが生じます基本的な背景というのは、大企業と中小企業における生産性の格差がやはりいま残念ながら現状においては開きつつあるということが反映しておるものではなかろうかと思います。
 ただ、そうは申しましても、それではどうしたらいいのかということになってまいりますと、このような基本的状況を背景にいたしまして、やはり基本は中小企業の生産性が上がるように中小企業の経営基盤が強まるということが基本だと思いますが、しかしながら、このような産業政策面での施策の充実に合わせまして、労働省としましてもやはりこれを側面的にバックアップするというようなことが重要ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味から労務管理面あるいは労働者福祉面という点での改
善への援助ということを、いままでもやってきてまいりましたし、これからもやっていくべきだというふうに考えております。
 このようなことでどんなことを進めているかというふうに申し上げてみますと、たとえば労働条件一般の指導という点につきましては、特に中小企業を対象にしました相談コーナーということで労務管理の相談に当たっておりますし、またさらに、労働福祉の面という点で見ますれば、退職金の面につきまして格差が、御指摘ございましたが、私どもとしましてはやはりこの点に着目して中小企業の退職金共済制度の普及ということに努めておるわけでございます。
 また、財形の面を見ていただきましても、中小企業に対しましては貸付金利とか融資率の面で特別に大企業を上回る優遇措置を講じておりますし、また、財形におきましては、資金制度、給付金制度についても中小企業について助成金を出すというようなやり方をやっておるわけでございます。
 また、安全衛生につきましても、やはり健康診断、健康管理につきましては、特別の中小企業を対象とする助成措置を設けているわけでございまして、このようなことで私どもとしましては、直接に賃金を上げるための指導というようなことをこれはやるわけにまいりませんけれども、しかしながら、いま申し上げましたような面で福祉の向上を図る、労務管理の改善を図るということでもって指導を続け、また、今後ともさらに充実を期していきたいというふうに考えておりまます。
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本岡昭次#16
○本岡昭次君 直接賃上げの問題を労働省が指導するわけにいかぬということは、たてまえとしてはわかりますが、しかし、ここまではっきりした企業規模別の格差の問題を、ただ自然の成り行きのままに放置するということは、これは私は労働省の労働行政が無策だと言われることになると思うんです。だから、この格差が拡大していく状況を逆に縮小するためにどうすればいいかという問題を、労働省が積極的に現在の政府の政策の中にしっかりと織り込んでいくという努力が必要ではないかと思いますが、ここで意見を述べ合っている時間的な余裕がありませんから、いま答弁の中で出ました、一つの例をとればということで出てきた退職金の共済制度の問題について見てみたいと思います。
 いまも言われたように、中小企業の退職金問題について、労働者福祉ということで共済制度をつくっているということですが、その実態は、契約事業主数約三十四万四千、労働者数三百三十八万三千人、こういうことになっています。しかし、現在の国全体の中小企業事業所数は約六百二十六万、そこに働く従業者数が約四千三十九万人、このように統計上なっています。この事業所数、従業者数と比較して、先ほど言いましたように、その契約している事業主数、労働者数は余りにも少ないと私は思うんですね。だから、この委員会でこういうことをやっておりますと言えるような内容になっていない、このように考えます。また、政策推進労組会議が五十七年に行った中小企業労組のアンケートから見た労働実態というところにもこの問題が取り上げられておりまして、その中でも中退金共済の利用率は二一・四%という程度で、中小企業にとって魅力のあるものになっていないということになっています。
 それから、先ほど政府の方が出されたように、退職金の実態も大変な格差があるわけで、私の調査によっても、千人以上の企業規模で現業職三十年以上勤続で千二百三万円、これを一〇〇とすると、三十人から九十九人は五百九万円、割合でいくと四二%にしかならない、こういう実態。いろんな調査のとり方でこれは変わってくると思いますが、しかしはっきりしていることは、もう大変な格差がある。退職金は、これは賃金の後払いというふうな性格もあるわけで、そういう意味ではこの中小零細に働く労働者の置かれている状況というのは大変なものであるというふうに私は思います。それを改善していくのがこの中退金共済制度というふうにいまも言われたんですが、どうも現状は必ずしも労働省が考えているような形でこの制度は機能していない。
 どうですか、先ほどおっしゃったように、中小企業にとって、そこに働く人にもやはり退職金というのは大きな一つの魅力であるわけですから、そうした問題について、もっと利用率が高まっていく工夫とか努力、そういうものがあるのかないのかお伺いしておきます。
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望月三郎#17
○説明員(望月三郎君) 先生御指摘のように、中退金制度を私ども運営しておりますが、その加入促進というのがやはり最大の問題でございまして、先生の御指摘のように、三十人以上の企業のうち約二〇%がこの中退金制度に加入しておるわけでございますが、これではまだまだ足りないわけでございまして、私ども、年々零細企業の加入促進ということを都道府県を通じまして行政指導をしてきておるわけでございますが、それでも非常に爆発的には増加しておりませんが、年々じわりじわりと、ステップ・バイ・ステップでございますが、ふえていることは間違いない傾向でございます。
 いまちょうどこういう不況期でございますので、事業主もなかなか足踏みをするという面もございますが、この点につきましては、私どもやはり退職金というのは一つの日本の労働慣行の中で非常にいい制度だと考えておりますので、これをやはり逐次伸ばしていくということに努力を重ねておりますし、ちょうど昭和六十年が五年目の検討の時期に当たっておりますので、これに向けてできるだけこの制度が多くの皆さんに活用され、そして普及できるように、魅力あるものにしていきたいと、こう思っておりまして、審議会等に六十年を目がけて真剣な検討をお願いするという所存でございます。
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本岡昭次#18
○本岡昭次君 次に、労働災害の問題についてお伺いします。
 昭和五十六年における労働災害による死傷者数は三十一万二千八百四十四人、これは休業四日以上ということによる統計です。死亡者数は二千九百十二人で、三千人を割ったということで、減少傾向にあるということで、それは非常に好ましいことであります。しかし、三千人という尊い人命を労働災害で失っていることには変わりないので、二千九百人だからよいとか三千人だから大変だということはない。一人でも人命を失うということが問題であるわけですから、そういうことでこの労働災害の問題を論じてはならないと、私は基本的に思います。
 しかし、もう一方の統計で見ますと、労働災害による被災者総数というのは、年間約百三万人にも上っております。一方、同じように統計上問題になるのは交通災害ですが、この交通災害による被災者数は約六十一万人ということで、実際社会的には交通災害で死者が八千人をどうするとかということになっておりますが、これは社会的な問題になりますが、しかし、その社会的に問題になっている交通災害よりも労働災害の方が実態としては多いんだということ。しかし、これは社会的に大きく出ないということになっておりますね。この労働災害そのものの産業別、企業規模別の発生状況というのはどういうことになっておりますか。簡単にお話ししてください。
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林部弘#19
○政府委員(林部弘君) お答えいたします。
 先生のお尋ねの、主としては規模別の問題だと思いますが、いま御指摘ございました三十一万人の死傷者、これは休業四日以上でございますが、それにつきまして三百人未満の規模の事業所における発生数と三百人以上の規模の事業所における発生数を見ますというと、規模別の統計では、死傷者のうち、三百人未満が二十八万五千四百人ということで全体の九一・二%を占めております。これに対しまして、実際に働いております労働者の全数に対する三百人未満の事業所の労働者数のウエートというのは八二・五%でございますから、現実には労働者の占める率よりも実際に災害の発生している率の方が、九一%と八二%ということで、規模の小さい三百人未満の方が多いという状況になっておるかと思います。
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本岡昭次#20
○本岡昭次君 私も詳しい資料を持っておりますから、これを見て実態がわかります。そして、いま言われましたように、企業規模の小さいほど災害が多いということがこれははっきりします。とにかくもうわが国の産業構造の特殊性から、この労働災害の面ではやはり親企業と下請事業所の問題でその格差がはっきり出ているということじゃないか。特に建設業なんていうものは、親企業があって、下請から子請、孫請、孫々とこういって、一番下の現場で働く労働者のところに労働災害がしわ寄せされていると、こういうことなんですね。そして、大企業のところで発生すればそれは社会的に問題になるんだけれども、小さな、五人とか十人とかという形である部分を受け持っている下請のところで死傷者が起きてもそれは社会的問題にならぬという、そのわが国の産業構造の特殊性が生み出している問題だと私は思っています。
 そして、それが是正をされてきているかというと、依然としてその状況は変わらない。中小零細企業に労働災害が多発をしているという状態が是正されていない。そこにまた一つの大きな問題があると思うんです。このあたりは労働大臣よく聞いておいていただきたいんですが、労働者の命と健康を守る、このことが労働福祉の基本であると思います。また、労働省はそのことに一番力を割き、そして省の総力を結集してそのための施策を推進していく、そのことが労働省の労働省たるゆえんであろうと私は思います。だから、どうやって労働災害を起こさないかという問題にかかわる対策こそ、産業構造のゆがみのようなものを直していく、是正していく基本に触れるものだと私は思いますが、こうした労働災害の持っている構造的な問題について、労働省がどういう考えを持っているのかということについてお伺いをしたいと思います。
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林部弘#21
○政府委員(林部弘君) 中小企業におきます労働災害の防止対策の問題になろうかと思うわけでございます。
 御指摘のように、中小企業集団は大企業集団に比べまして確かに労働災害の発生が多いわけでございますので、私どもといたしましても従前から重点的に取り組んできているテーマでございますが、実は、五カ年計画というものがございまして、五カ年ごとに一定の目標を掲げまして災害を減らしてまいろうということで、労働災害防止計画というものがかねてから進められているわけでございます。ちょうど五十八年度が初年度になりまして第六次の労働災害防止計画が新たに六十二年を目標に始まるわけでございますが、その中におきましても、中小企業における労働災害の防止ということを重点項目に掲げまして、自主的な労働災害の防止活動というものを活発にしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。特に、いま先生から御指摘ございましたように、親企業の下に協力事業場と申しますか、下請事業場と申しますか、そういうものがかなりたくさん系列化されているというのがわが国の特徴でもございますので、親企業を中心にいたしまして災害防止活動というものを進める、その場合に、親企業を頂点としたいろいろな災害防止のための協議組織というものがございますので、そういうものによる活動の推進を図ってまいりたい。また、地域的に、事業につきまして協同組合方式等で集団の形で安全衛生活動を推進するというような試みもかねてから進められているわけでございますので、そういうような面に特にこれからの五カ年計画の中で鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 また、零細な企業におきましては、実際に改善措置等を私どもの方から命令するなり指導いたしましても、お金の面での問題もございますので、かねてから労働安全衛生融資制度というものもございますので、ちなみに申し上げますと五十八年度の予算は百九十億円の枠でございますが、そういうものの活用も図る。あるいは中小企業に対しまして巡回安全点検制度というようなものも少しずつ拡充を図ってきておりますので、そういうような施策を通じまして中小企業対策を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
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本岡昭次#22
○本岡昭次君 大臣にひとつお考えを聞かしていただきたいと思います。
 以上見てきただけでも、中小企業に働く労働者の労働条件について、あるいはまた経営者の側から見ても大変な問題があるということがはっきりしたと思います。賃金、退職金、労働時間あるいは安全の問題、そのほか中高年齢化していこうとする状況、そのほかたくさんあると思うんですが、このように中小企業を取り巻く経済環境は非常に厳しく、大企業に比べて経営面でも種々の制約を受けています。しかし、日本の経済を考えていくときに、中小企業を抜きにして考えられない、これは大臣も冒頭おっしゃったとおりはっきりしています。だから、その中小企業が従来にも増して発展をしていくために、その企業を支えそこで働く労働者をどういう良好な労働環境に置くのか、また、優秀な人材を中小企業に集めるのかという問題についての労働省の行政上の対応が非常に私は大事になってくると、こう思います。そういう意味で、中小企業の労働対策あるいは福祉事業といった問題についての労働大臣の決意を最後にお伺いをしてこの質問は終わりたいと思います。
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大野明#23
○国務大臣(大野明君) 中小企業に働く方々の問題につきまして、あらゆる面からいまるる御質問がございまして、その中身については政府委員から答弁をいたしましたが、私も、先ほど申し上げましたように、わが国の経済を支えていくのは中小企業である、その体質改善のためにも、またそこに働く人たちの労働条件、福祉面、これをより以上改善していくのはもう当然のことでございます。
 私は、労働政務次官を十二、三年前にやって、労働行政に多少携わってまいりましたが、自来、もっともっと中小企業に力を入れなきゃならぬと思いつつも、労働省の中におるわけでなく、また、こういう立場にもなかったので、何というか、直接的にやることはできませんでしたが、先般も大臣に就任して直後に、中小企業関係はいまどうなっておるかということで質問したところ、これこれですという話があって、それでは物足りぬということで、四月になりまして、まあ予算委員会が終わらなければしようがなかったんですけれども、中小企業者の方々を集めた会合をいたしました。これはまた五月にやりますが。まあ大企業と違って非常に複雑多岐な面があることも事実なんです。しかしそれはやっぱり、いま中小企業の経営者の方々の日常のいろいろなことを直接聞くことが大切だ、それに対応して今度は中小企業に働く人たちからも意見を聞こう。先にまず二、三回経営者。やはり中小企業の体質というものを、たとえて言うならば、中退金の話も出ましたけれども、これは経営者ですら知らない人たくさんいるんですよ。働く人はもっと知らないわけですから、まずそこら辺、労働省もPRが下手だなと、啓蒙の仕方がよくないんじゃないかなということもちょっと感じながら第一回を終わったので、また五月の半ばに第二回をやり、数回重ねてから今度は働く人たちからも意見を聞く。そうしませんと、一方的な話だけ聞いておっても、まあ大企業みたいにパッパッとこういくわけじゃないので、中小企業は本当に職種も多いとか、あるいはまたそれに働く方々、たとえば中小企業は女子のパートが多いとか、いろいろな形で問題が複雑ですから、そういうことでいま鋭意進めておりますので、もう少しの時間をかしていただきたいと、こう思っています。
 いずれにしても、前向きで取り組んでいくという姿勢には変わりございません。
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本岡昭次#24
○本岡昭次君 次は、先日三月二十四日当社労委員会で質問をいたしました神戸精糖の労働争議問題について残った時間お伺いをしてまいります。
 そのときに、退職金の問題についてお尋ねをして、それを解決をするようにという要請をいたしました。それについては労働省も承知しておられ
ると思いますが、神戸東労働基準監督署の是正勧告書が四月五日に出されて解決をした模様でございます。しかし私は、丸紅という大商社を親会社にする神戸精糖という企業が、労働基準監督署の、是正をしなければ司法処分に付することがあるという文書勧告がされて初めて四月八日に重い腰を上げて、その争いのない部分の額、当然支払わなければならない額を本人に支払ったということは、どう考えても私は異常だと思うんですね。司法処分に付しますぞという、そういう労働基準監督署から最後のおどしみたいなものがなければ払わぬという、どう考えてもこれは異常なんです。さらにこの問題についても、労働基準監督署の指導に従って問題解決のためにその以前に会社と組合の合意で作成された退職のための新たな承諾書についても、三月三十日に会社側がそれを一方的に破棄をするというようなことを事前にやっております。さらに三十一日に労働基準監督署が社長と総務部長を呼んで口頭で退職金を払いなさいという勧告をしても、それも応じなかった。結局のところ文書勧告で司法処分にするぞと言えば、やっと支払うというのですね。私はこれは、この会社が異常なのか、あるいは労働省の行政指導というものがその程度の軽いものなのか、このどちらなのかということを考えざるを得ないんですが、どういうことなんですか、これは。
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松井達郎#25
○政府委員(松井達郎君) 私どもといたしましても、労使間の問題につきましては労使の話し合いによって円満に解決できればそれにこしたことはないというふうに思っておりますが、しかしながら、問題の事案によりましては基準法に違反するというような事柄も出てきます。そのような場合につきましては、やはりこういう問題があるぞということはその当該の経営者にも申し上げるわけでございまして、そのようなことで対処いたしておるわけでございますが、先生の御指摘の事案につきましても、やはりいまこのような問題も経営者側に話しつつ、いまおっしゃられましたような経緯をたどったわけでございまして、先般の本委員会におきまして、たしか三月の下旬だったと思いますが、私といたしましては近く円満にこの問題は解決されるのではなかろうかというふうなことを申し上げたわけでございますが、その後お話し合いの末、四月八日に退職金が支払われて解決されたということでございまして、私どもといたしましては、いろんな経緯はございましたけれども、この問題につきましてのその基準法の問題というのはこれで解消に至ったのではなかろうかというふうに思っております。
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本岡昭次#26
○本岡昭次君 いや、解消したこと、解決したことは結構でありましたと言うておるんですよ。しかし、最後に司法処分に付しますぞという文書勧告が出なければ応じないという、こういう会社の態度はいかがですかと尋ねているんですよ。丸紅という大商社が親会社としておって、こんなことまで労働基準監督署をわずらわさないかぬということ自身が私は異常だと言っているんですよ。どうですか。話し合いじゃないですよ、これは。
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松井達郎#27
○政府委員(松井達郎君) こういう労使の話し合い、いろいろと途中経過はあったろうと思いますが、別に、終わりがよければすべてよかったと申し上げているつもりはございませんけれども、しかしながら、具体的な細かい事情についてそれぞれ両者の言い分もあろうと思いますから、この場でコメントさしていただくことは控えさせていただきたいと存じます。
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本岡昭次#28
○本岡昭次君 こういうところでコメントができないというところに私は問題があると思うんですがね、またそれは別のところで論議させていただきます。
 いま一つ同じようなことがまた起こっておるんです。この社労委員会で論議することもどうかと思うんですが、しかし私は、丸紅という大商社の系列下で起こっていることだけに問題にしたいと思っています。
 今度は、三月三十一日に定年退職になった者の退職金が支払われないという、考えられないような問題がまた起こっているんですね。これについても四月二十日に労働基準監督署は社長を呼んで、そして先ほど解決したものと同じような扱いをしなさいと言って、口頭で是正勧告をしたようなんですが、どうもそれについて応じようとする気配もいまのところないようです。それで、労働基準監督署、労働基準局、ともに、組合と話しをする中で、労働基準法二十三条違反の犯罪要件を満たすには、退職日を確定しなければならないということのようなんです。労働基準法二十三条違反かどうかという問題を追及するということはもちろんこれは労働省の立場から必要です。しかし、退職金問題が、丸紅も神戸精糖も、犯罪にならなければこれを出さなくてもいいんだと、犯罪か犯罪でないかという問題で論議すること自身に私は大変腹が立つんですよ、これは。経営者なり雇用主が、三十一年七カ月も働いた人に退職金を出すということを、こんなに犯罪であるかないかのレベルの問題で論議すること自身が私は間違っていると思うんです。これは道義的な問題なんですよ。そこのところどうしても私は許せないと、こう思っているんですが、この問題についても事前に私は労働省に申し上げておりますが、どうですか、やはりこの解決の方法というのは、労基法二十三条違反、それで犯罪の要件を満たすか満たさぬかということがなければこれも解決できない問題なんですか。いかがですか。
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松井達郎#29
○政府委員(松井達郎君) いま先生のお話がございましたように、また一つ新たに一人の方から退職金の不払いの申告が出ているわけでございまして、この問題につきましても会社と労働者側との間でいろいろと話が出ているようでございまして、これは、すでに以前になされた人員整理による解雇、これを労働者側が争う、そのうちにさらに定年退職の時期が到来したというようなことで、経緯としてもそのような時の経過を踏んでおりますし、また片方、労働協約の問題とかあるいは就業規則の問題とかいろいろと複雑な問題が中に入っておるようでございまして、いま先生の御指摘の点も、そのような経過、あるいはその背景の中からいろいろと会社側もそのような問題を取り上げて議論をしておるのではないかと思います。
 ただ私どもとしましては、その中で、その退職金の問題について労使の間でどの点が争いのない部分であるのか。もし仮に争いのない部分があるとすれば、それについては退職金を払ってもいいのではないかというふうにも思われますので、このような部分につきましては、両方の考え方を少し整理してもらうというようなことで時間がかかるかもしれませんが、私どもとしましては、いま申し上げた、労使の間に争いのない部分については処理できますようにできるだけ指導いたしてまいりたいというふうに思っております。
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