1983-02-23
参議院
八百板正
商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会
八百板正の発言 (商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会)
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○八百板正君 やはり日本の農業に対して自信を持って取り組むということが私は山口参考人のおっしゃるとおり大事だろう、こういうふうに思っております。
時間もございませんから、引き続いて中村参考人にお伺いをしたいと思うんでありまするが、ちょっと言葉にこだわって物を言うようでございまするが、日本は非常に海外の市場開発に努力して苦労をした、それに比べるとECの努力にいたしましても、あるいはその他の国々の努力にいたしましても日本のような努力をしてないというふうな面のお話がございましたが、私は、これを別にその言葉を取り上げてどうこうとがめるという意味ではございませんが、日本のこの努力をしたというのは、いわゆるセールス的立場において大いに苦労をして努力したということであって、やはりわれわれの商品がさばける土壌というものは、それなりの長い歴史と文化と産業の蓄積の中で開発されておるものでありまするから、そこに乗り込んでいって、いわゆるセールス的努力をうまくやって、うんとがんばって努力して克服して、そして市場を開発したというのは、これはそのとおりでございまするけれども、やはり本当の開発というものはそういうものではないんじゃないかというふうなことを私は感じるんであります。言葉にとらわれて申し上げて恐縮でございまするが、そういう意味では、先進国でも同様でありまするが、途上国の場合特にそうでございます。その途上国の発展の基礎に対して協力するという、そういうところを忘れないで取り組んでいくという構えが、今日たとえばこれだけ世界的に大きな市場を持つ立場になった日本の自動車産業としては、そういう面についてもうちょっと御配慮があっていいのではないか、こんなふうに私は考えるわけであります。そして、競争相手としておくれた途上国に対してはこれを引き上げるための基礎的な協力が必要である、それは自動車というだけに考えてはいけないと思うんであります。同時にまた、先進国の似たような産業を持っておる国に対しても、それを競争相手として、何か打ち負かすんだというふうな、そういうふうな考え方でいきまするというと、日本はやがてだめになるんじゃないかという感じを私はいたしております。やっぱり、そういう競争相手を打倒するんだというふうな方向であっては結構でないんじゃないかというふうな感じをいたすわけであります。
これは森谷参考人のお話にも関連するわけでございますから、あわせて申し上げまして御意見を伺いたいと思うんでありまするが、日本の場合に、いわゆる日本は先端技術を駆使して、そしてこれを大量生産に向けて、何と申しましょうか、そういう面で広げていくという日本の特色なり努力が展望されておるというふうな意味に私は伺ったのでございまするが、ここでアメリカと日本を比べて、アメリカは新しい原理のものを開発するという能力において、日本よりすぐれているというふうなことをお話しいただきました。日本は、それに比べてそういう面では貧しくとも、いま申し上げましたように、その先端技術を取り上げて、そしてこれをもっと掘り下げて、これを駆使して大量生産をするというそういう能力に、あるいは勤勉な努力にたけておる、こういうことが言えるだろうと思うのでありまするが、しかし創造的な能力を日本よりは持っておるという見方に立って、アメリカの産業なり技術なりを見てまいりまするならば、これは決して日本がアメリカの優位に立ち得るということにはならないのではないか。いまこそ、なるほどいままで何といいますか、ずっと優位に立っている立場でおっとりと構えてまいりましたアメリカの産業の取り組みが、そういう創造的意欲を持った特性が積極的に発展して産業の中にあらわれてくるようになりまするというと、とてもとても日本などは及びもつかない大きな先進的な立場にアメリカが立つのではないか。アメリカを追いつき追い越すなんというんじゃなくて、ぐんぐんアメリカに離されていくのではないか、こういうふうなことを私は感じます。
そういう点から申しまして、たとえば今日エレクトロニクスとかバイオ新素材、航空宇宙、いろいろの面でアメリカとの関係が言われておりまするけれども、先ほどおっしゃいましたように、私よくわからないのでございまするが、今日いわゆるイノベーションの形でこれが非常に子供にまで普及して大衆化の方向にあるということをおっしゃいました。これに対してかなり力を入れて伸ばしていっていいという考え方だろうと思うのでありまするが、私はこれを伸ばしていくというそのものに対してどうこうというのではございません。しかし、やはり先ほどアメリカのことをちょっと触れましたように、子供の創造性を育てる、あるいは子供の意欲を育てる、あるいは困難に耐えて克服していく、あるいは持久力というようなもの、そういうふうなものをやはり子供の中に培っていくという点に欠けるものが出てくるのではないかというふうな点を私は非常に心配をするわけであります。そういうふうな点については、どんなふうなお考えをお持ちか、一言だけちょっと意見を聞かしていただきたいと存じます。
以上です。