1983-02-23
参議院
ロバート・アペルドーン
商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会
ロバート・アペルドーンの発言 (商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(ロバート・アペルドーン君)(横田謙君通訳) 委員長、そして御参会の参議院議員の先生方、私がアペルドーンでございます。在日EC企業間運営委員会の現委員長といたしまして、欧州産業、欧州企業が、一般的に言って日本市場を探求、探索する場合に直面する問題につき、少々ヨーロッパの実業界の見解を申し上げる機会をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
このような欧州企業が直面いたします問題が、現在ヨーロッパと日本の間で論じられておるような貿易摩擦の一部の原因となっていると考えられます。本日は、この連合審査会に出席できることを大変光栄に存ずる次第でありますが、このような私どもが本日論じます問題を解決するには、すべて可能なレベルでの努力を組み合わせることが肝要であることを認識するものであります。
本日は、まだ日本に足場を築いていない欧州の企業、欧州の産業、つまり、現在まで足場を築こうと試みた、あるいは試みている、ないしは今後足場を築きたい、参入したいと考えている企業の分野についてお話し申し上げます。
すでに日本で活動している、日本で代表されている欧州の企業は、世界のほかの地域で、もちろん競争には同様直面するものでありますけれども、世界のほかの地域で達成している企業の実績、パフォーマンスと比べれば、日本での成功の度合いはいささか少ないものではありますが、しかし、彼らの利益、営業利益であるとか、あるいはマーケットシェアなどを考えた場合には、すでに日本で成功をおさめたとみなしてよいものと思います。今日、日本におります欧州の企業は八百社以上に上っており、現在までの総投資額は六億米ドルを超えております。
皆さんも御周知のことと思いますけれども、何も今回がACCJあるいはEC企業間運営委員会として欧州等の企業あるいは投資家の日本で経験している問題に関する見解を述べる初めての機会であるということではないのであります。たとえば、昨年十一月二十四日には私どもの在日企業間運営委員会は、池田芳蔵氏が会長を務めておられる製品輸入対策会議に対しまして詳細な見解の陳述を行っております。そのほかの公式、非公式のもろもろの場におきましても、欧州のビジネスマンは、これはビジネスマン一般についても言えることでしょうけれども、みずからの見解を述べ、そして日本で企業活動を行ってきた経験について申し述べることを要請されてきたのであります。
本日与えられました時間が比較的短いので、本日の私自身の比較的短い口頭の発言に加えまして、池田会議に私どもが提出いたしました詳細なテキストを、一月十三日に発表された第三次市場開放パッケージ等を勘案してさらにその後内容を更新した形で提出申し上げます。この、内容を更新いたしました、アップデートいたしました私どものテキストは、本日の午後ないしは遅くとも明朝にはお届けするようにいたします。
さて、一九八三年は再び私どもすべてにとって経済的にむずかしい年となると思います。相変わらず経済成長の停滞が続き、失業率は高まり、エネルギー情勢は不明確なまま続き、そして、ことに発展途上国の債務状況をめぐって国際金融情勢は不安定な推移を見せるでありましょうし、世界の先進工業国の三つの柱、日本、米国そしてECの間で経済、貿易の面での緊張が続くと思います。ヨーロッパにおきましては、このような情勢がゆえに、いろいろなその情勢の影響あるいは圧力を感じております。そして、ヨーロッパのビジネスマンとしてこのような問題を解決するためのいろいろな機会をより真剣に、またより強固な決意をもって探求していく所存です。
日本を見た場合に、ヨーロッパのビジネスマンはヨーロッパの製品、サービスあるいは投資に関して日本市場へより良好に参入できるようにならなければいけないと考えております。少なくとも、すでに長年にわたって日本の企業がヨーロッパで享受してきたような機会と同等の機会を、ヨーロッパの企業が日本で享受できるようにしなければいけないと思います。
日本が現在経験しておられるもろもろの批判の多くは、一九四〇年代末から七〇年代の中ごろにかけて日本の産業が日本市場で享受してきた保護に源を見出すことができると思います。外国の企業あるいは産業は、この期間におきます日本市場のたぐいまれなる成長に参加することはできなかったのです。
その間に、日本の産業は、もちろん非常にすばらしい広範囲にわたる製品に支えられたことはありますが、ビジネスのすべての側面において確固たる足場を確保してこられたのであります。
さて、すでに存在し、そして確立されてしまった市場に参入しよう、その中でシェアを確立しようということは、今後新しく参入しようと考えているものにとってはきわめてむずかしくなるものであり、また大きなコストを伴うもので、場合によってはとても参入もできない状態になるのであります。
現在の関税障壁を軽減し、そして割り当て規制を撤廃するということは、このような状況の改善に十分寄与し得るものではないと思います。さらに、法律及び流通の観点からもたらされている現在の非関税障壁も撤廃されていかなければいけないと思います。
先ほど申し上げましたこういった過去の遺産、過去の遺物はいまだに多く存在しておりますけれども、私どもの考えでは日本が表明されている市場を開放しようという考え方とは合致するものではないと思います。
非関税障壁等の貿易への障壁を撤廃する、軽減するという必要な措置をとらないということは、いわばすでに切符が売り切れて立ち見席しか残っていないのに、あるパフォーマンスといいますか、演劇の切符を売りつけるのと同じ状況ではないかと思います。
一月十三日に、第三次市場開放策が採択されたことは、日本の最高指導者のレベルにおいて、今後継続的に日本での変革を実行していかなければいけないという信号であると感じ取り、われわれは心強く思っておるものであります。
このパッケージの一番大きな貢献といえば、この変革の過程に外国企業が少しでも参画できるようにしようというコミットメントを表明していることではないかと思います。
もちろん私どもがいろいろな話し合いを通してお願いしてきた変革あるいは改善等は、一夜にして達成できるものではないことは重々に認識しております。しかし、重要なのは、このように変革の過程が進む中で私どもの声に耳が傾けられたということであります。
このような観点から、私どもが現在伺っておりますような以下の改善策を歓迎するものであります。
一つは、日本国内でこのレベルで対話を行う機会を与えられたということであります。
第二に、日本が日本国内で現在行われております後藤田官房長官がその長を務めておられます基準・認証制度等連絡調整本部の行っておられる日本国内の法律及び各基準の、規格の国際化作業にわれわれが参画する機会を与えられたということ。
第三に、池田芳蔵氏、そして波のもとで製品輸入対策会議が民間レベルでの貿易障壁に関する作業を行っておられるということであります。この関連で、三月に山中通産大臣に提出されると伺っております報告書の中で、私どもが十一月にこの製品輸入対策会議に出しましたような意見書の中に示されておりますわれわれの提案等を十分に考慮に入れて、抜本的な、積極的な策を提言されることを望むのであります。
第四に、日本において企業活動を行う際のその構造につきまして、幾つか再検討作業を公正取引委員会が行われているという点であります。
第五に、牛場氏のもとにOTO諮問会議を設置され、そして代理人申し立て制度を設けられることによってOTO、市場に関する苦情処理機構の強化を図られたということ。
最後に、また日本で事業を行う私どもにとって、長期的な観点から最も重要な点として申し上げられますのが、私どもの企業活動と関連のあるもろもろの政府、官庁へのアクセスが強化され、そしてそれによって対話が強化されるということであります。
日本で活動しております外国人ビジネスマンにとりまして、このような手続面での改善がもたらす実際的な効果、影響というのは非常に重要な意味合いを持つものでありますし、私どもにとりましては、これは一つの大きな突破口を開いたものとも感じております。
しかし、貿易及び投資双方の面におきまして、まだまだなさねばならぬことは多く残っております。日本とECの関係は余りにも一方向の状況に置かれていると思います。
一九八二年におきます貿易収支は、EC側にとりまして百億ドル以上の赤字でありました。一方、ECに対する日本の投資は、ECによる日本への投資を十倍凌駕しておりました。
それでは、一体どういったプライオリティーを考えなければいけないのでしょうか。ここでいささか一般的なことを申し上げることをお許しいただきたいと思いますが、こういったことを、ことに皆様方の御支援をいただくことによって達成していくことができると私どもは考えているものであります。
まず第一に、日本は長年にわたってすでに輸出志向型の考え方を持ってこられたわけですから、ここで輸入志向型の考えをつくり上げていくのがいいのではないかと考えているということであります。そこで、日本政府に対しましては、特に製品輸入を増大する意味で日本が目標値を設定されることをお願いするものであります。
第二に、商業、産業の面での欧州の企業の日本における存在をさらに増大さしていかなければいけないということであります。先ほど申し上げましたようなマイナスの要素を補っていくということだけではなく、日本に今後投資したいと考えている者に対しましても支持を与えることが必要であると思います。
二カ月間にわたって百名の欧州のビジネスマンを日本に招待するというイニシアチブは、そのよい一つの例だと思います。このような計画は、ヨーロッパの企業重役に対しまして語学研修を提供し、そして職場研修、職場訓練を提供する現在のECエグゼキュティブ・トレーニング・プログラム、重役研修プログラムの精神と同じものがあると思います。
このような計画、またその他生まれてくるであろう同様の計画の成功をおさめるためには日本の官民双方の支持がなければいけないと思います。
また、日本のビジネスの構造を開放的なものにする、あるいは少なくとも外国企業が参入できるような形のものにしていく必要があると思います。外国企業が日本の業界団体、そして政策意思決定機関にメンバーとして参画できるようにするということはこの意味でも重要なものであり、ことにたとえば、工業規格に関する決定機関に参画するということはそのよい例だと思います。
さらに、安全性あるいは検査手続等の面も含んだ日本製品のための規格、基準を、世界の既存規格に合わせていくことが必要であると思います。ことに日本がそういった国際的な規格設定団体にメンバーとして参画している場合には、このことはなおさら必要であると考えております。それによって、日本市場のために製品を再設計する、あるいは開発し直すというような不必要なコストを避けることができるようにしなければいけないと思います。
この意味で、すでに世界全体で標準化を成功裏に行うことによって、消費者及びメーカー双方に利益をもたらしたすばらしい例は幾つか存在しています。
次に、輸入が制限されている、ないしは完全に禁止されているような分野は、今後漸進的に自由化を進める計画を設定しなければいけないと思います。
さらに、流通制度は日本の各産業部門にそれぞれ独自のものが存在するわけですが、この流通体系の近代化も自由に進展できるようにしなければいけないと思います。流通方式を近代化するということ、たとえば大型小売店舗をつくることによって近代化していくということは、終局的には消費者に対し、より好ましい価格水準で、より多くの品物を提供することになると思います。
以上、私どもに与えられました時間にかんがみ、できるだけ手短に意見を表明するべく、すでに改善が可能と感じられているような特定の部門につきまして詳細を申し述べることは避けた次第であります。
私どもは、この在日BC企業問運営委員会の小委員会の専門家たちと、われわれの関連いたします事業分野について特に関心をお持ちの国会の議員の方々との間で、ぜひ対話が確立されんことを望むものであります。
本日は皆様方の各委員会がこのような議事を行われたこと、そして皆様方が出席されたことによってあらわされております皆様方の関心に感謝を再度申し上げたいと思います。
日本政府が昨年末に採択されました市場開放パッケージを、私どもとして最大限に活用していく所存であります。そして、疑いもなく私ども双方がぜひ解決したいと考えております諸問題に対しまして、今後そのような解決がもたらされるべく、今後とも皆様方と対話が続けていかれることを楽しみにするものであります。
皆様方、ありがとうございました。(拍手)