高橋元の発言 (物価等対策特別委員会)

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○政府委員(高橋元君) 昭和五十七年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。
 昨年のわが国経済は、内需は緩やかな回復の方向を示しましたが、世界経済の停滞もあり、依然として景気の足取りは力強さを欠いております。このような中で、民間の活力が発揮されるような経済環境を整備することがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持、促進によりわが国経済の健全な発展を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。
 特に昨年は、独占禁止法違反事件の効率的な審査に努めるとともに、不公正な取引方法の明確化を図る等予防行政を推進いたしました。また、事業者の創意工夫を生かすため政府規制制度等の見直しを引き続き行ったほか、貿易摩擦問題に関連した各種の実態調査を開始するとともに、独占禁止政策の国際的連携の強化に努めました。
 まず、独占禁止法の運用状況についてでありますが、同法は、昭和二十二年に制定されて以来、昨年で三十五周年を迎えたところであり、この間、着実な運用に努めてまいったところであります。
 昭和五十七年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は四百十九件であり、同年中に審査を終了した事件は二百八十八件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告いたしましたものは十七件、法的措置をとるには至りませんでしたが、警告を行いましたものは百五十二件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は四件であり、合計百十五名に対し、総額十一億八千五百四十四万円の課徴金の納付を命じました。
 次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十七年中に、それぞれ千五十件、八百十九件、合わせて千八百六十九件の届け出があり、所要の審査を行いました。
 事業者団体につきましては、昭和五十七年中に成立届等千三百四十四件の届け出がありました。また、事業者団体の活動に関する事前の相談に対しましては、適切に回答を行うよう努めてまいりました。
 国際契約等につきましては、昭和五十七年中に五千三百十三件の届け出があり、改良技術に関する制限、競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。なお、許認可等の簡素合理化の一環として、届け出を必要とする国際契約等の種類を限定するための独占禁止法第六条の規定の改正に伴い、国際契約等の届出規則の改正を行いました。
 独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の事業分野に
ついて見直しを行い、十三業種とし、これら業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。
 価格の同調的引き上げに関する報告の徴収につきましては、対象品目の見直しを行い、六十一品目といたしました。昨年中に価格引き上げ理由の報告を徴収したものは、乗用車一品目でありました。
 独占禁止法上の不況カルテルは、中・低圧法ポリエチレン等三品目について認可し、昭和五十七年末現在、二品目について実施中であります。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の数は、昭和五十七年末現在で四百八十一件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。
 次に、経済実態の調査といたしましては、大規模小売業者経営実態調査、生産集中度調査等を行ったほか、最近の貿易摩擦問題にかんがみ、総合商社の事業活動実態調査、輸入関連事業者団体の調査等を開始いたしました。
 流通分野につきましては、百貨店・大型スーパー、家庭電器製品など十一業種について実態調査を行い、これらのうち、独占禁止法上問題のある行為につきましては、その是正に努めました。
 また、不公正な取引方法に関しましては、その明確化を図り、予防効果を一層高める見地から、不公正な取引方法を指定している公正取引委員会告示、いわゆる一般指定を全部改正し、昭和五十七年九月一日から施行いたしました。
 政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、わが国経済における民間の活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、前年に引き続き、政府規制が強く行われている十六業種を中心に調査を実施し、昭和五十七年八月、政府規制制度の現状、業種別の問題点等を指摘した見解を公表いたしました。
 国際関係の業務といたしましては、OECD等の国際機関における審議に積極的に参加し、また、アメリカ、EC、東南アジア諸国などの独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。
 次に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況についてでありますが、同法は、昭和三十七年の制定以来、昨年で二十周年を迎えたところであり、国民生活の中に定着しているところであります。
 昭和五十七年中に同法違反の疑いで調査した事件は二千四百八十四件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十一件、警告により是正させましたものは八百三十三件であります。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昨年一月から九月末までで四千八百七十二件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。
 また、同法第三条または第四条第三号の規定に基づく告示につきましては、ゴム製履物及び合成樹脂製履物業における景品類の提供を制限する告示並びにおとり広告に関する告示を制定いたしました。
 事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、農業機械の表示に関する規約など六件について認定し、昭和五十七年末現在における公正競争規約の総数は百件となっております。
 以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。

発言情報

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発言者: 高橋元

speaker_id: 29635

日付: 1983-03-25

院: 参議院

会議名: 物価等対策特別委員会