林義郎の発言 (行政改革に関する特別委員会)

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○林国務大臣 平石さんは社会労働委員会にずっとおられますし、私は厚生大臣になりまして最初に社会労働委員会で所信を申し上げましたときに、西欧諸国でもいまや大変皆悩んでおる、こういう状況であります、日本も先進工業国の一員としてやっぱり同じような苦悩を考えていかなければならないということを申し上げました。以来、私はずっとこの問題をどうしてやるか、私なりにいろいろと考えてきたところであります。
 今回の制度は、もう長年というか、私になりましてからいろいろと考えてきたことを率直に申し上げて、概算要求の段階で私の責任で大蔵省の方に出したわけでありまして、広くいろいろと御議論をいただきたい、こう思っておるのです。ただ、考えておりますのは、毎年一兆円ずつ医療費が伸びておる。毎年一兆円というのは大変なことでありまして、米が大体三兆円、その三分の一ずつ医療費がふえている、こういうことというのは、もう三年たったら日本の米より以上に医療に使われる、こういうことですから、これは考えてみたらやっぱり大変なことではないか、こう思うのです。しかも、その中で国庫負担が大体三分の一を占めている、そういったようなことも考えながらやっていかなければならない。
 特に、医療というものを現存社会保険制度によって賄っている。この社会保険制度によって賄っておるということは、私は非常にすぐれた制度だと思うのです。そういった制度をやっぱり維持して、国民の健康を将来にわたって安定的に維持するということがどうしても必要ではないか、こう考えたわけでございまして、お話しのように、昔から十割だったのに何でというお話ですが、やはりいろいろ御議論がありまして、経済学者なんかでも一部のものを入れたらどうだという御議論はずいぶん前からあるわけです。また国会でも、つぶれましたけれども、一部負担というものの考え方が出たことがあります。決して今回唐突に出た話ではないと私は思っているのです。
 そうした意味で、なぜ一部負担を入れるかといいますと、社会保険でありますからやっぱり保険機健というものを考えていかなければならない。保険というのは大事故があったときにそれをカバーするものである。火災保険でしたら、火災があって家が全焼したときのためにあります。しかし、ちょっとカーペットに灰を落として焼けたくらいのところでは保険事故にならないだろうと思うのです。したがって、そういったいわば軽微なものの医療については少し自己負担をしていただくことが必要ではないか。と同時に、そういったことを入れましたところで、受診抑制だなんということになりましたらこれは大変なことでありますから、その辺はいろいろと調べてみました。
 調べてみましたら、お医者にかかるところの受診率は変わりがない、しかし残念ながら一遍かかったところの後は、十割の方と七割の方との間は薬代がばっと二割も三割も上がっている。一般のお医者さんはそんなことないと思うのです。ないということは、逆に言いますと、五割も高い薬代を取っておられるところがあるのじゃないかなという私は一応の推論がつくわけでございまして、そういったことをやっていこう。しかも、普通の方は五万四千円、それから低所得者の方は三万円を限度にして医療を受けられる。だれでも病気になる可能性があります。その可能性のあるときに大変金がかかってしようがない、大変だということに対しては十分保険機能を果たしていくということが必要であるし、同時に、ちょっとした病気で、ちょっとかぜを引いたときに医者へ行って薬をもらってくるか、先生どうしておられるか知りませんが、私などはそんなことで医者に行きませんよ、そういった形で治します。そのときに全部それをやるかといったら、私はそうでない。そういった実態に合わせるのと、やはり本人と家族との間、あるいは組合保険、政府管掌保険と一番貧しいところの国民健康保険の給付の、負担の不公平というのはあるわけですから、それは一本にしていくというのが望ましいのではないかと思っているのです。
 それから制限診療なんというのは、先生からお話がありましたが、制限診療というものは私は全然考えておるわけではない。むしろいろいろな形でやっていかなければなりませんが、先ほどのお話にもありましたが、スタンダードというようなものをつくりまして、できるだけ適切な医療をやってもらうということを考えなければならないと思います。
 おたくの党からいろいろ御指摘がありまして、薬の問題は大変だというお話がございました。薬の問題を解決すれば一遍で解決するじゃないか、こういうお話もありましたよ。ありましたが、それは私の方も、薬の問題は大いにやらなければならない、全部取り上げてこの問題は取り組もうと思っています。それから、医者の不正診療というものについても取り上げていかなければならない。さらに、そういったものを全部一つにまとめて私はこの医療の改革というのをやっていくことが必要ではないか、それが本当に国民の信頼されるところの医療になるのではないか、こう思ってやっているところでございます。

発言情報

speech_id: 110004278X00919831006_315

発言者: 林義郎

speaker_id: 33770

日付: 1983-10-06

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会