中曽根康弘の発言 (本会議)

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○国務大臣(中曽根康弘君) 近藤議員にお答えを申し上げます。
 まず、憲法に規定されている生存権との関係において社会福祉制度をどう見るかという点でございます。
 憲法第二十五条の趣旨を具体化するために、国民が生涯のどの段階においても不安を持たずに生活できるよう社会保障制度を整備することが国の使命であると心得ております。社会保障制度がその役割りを果たすためには、時代の要請を踏まえつつ、長期的に安定し、有効に機能していくことが重要でありまして、このために高齢化社会の進展等の情勢を踏まえ、施策の効率化、重点化を図ることにより社会保障制度を堅持していく、これが憲法の精神に沿うゆえんであると考えております。
 次に、世論調査等から見まして、今後の福祉政策の重点をどこに置くかという御質問でございます。
 人口の高齢化、経済の低成長等の情勢下において、国民が不安を抱かずに生活できるように長期的に安定した社会保障制度を推進することが重要であると考えております。特に、この際に負担の公平性、それから給付と負担との間の合理的な関係をつくり上げるということ、これらが今後の施策の重要なポイントであると考えております。
 次に、国民負担の問題でございますが、臨調答申は、「今後、高齢化社会の進展等により、長期的には、租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民の負担率は、現状よりは上昇することとならざるを得ない」、大体現状が三五%程度でございます、という認識に立っております。そして、国民の負担率が無制限に上昇することは適当でないという点から、先進諸国の例にもかんがみまして、国民の負担率を現在のヨーロッパ諸国の水準約五〇%前後よりはかなり低い、低位にとどめることが必要であると指摘しておるのであります。したがって、そのために徹底した制度改革を含む行財政改革の推進が必要であると指摘しておるのであります。
 臨調における論議としていろいろ論議があったことは承知しておりますが、私としてはこの答申の趣旨を尊重して対応してまいるつもりであります。
 国民の負担率の具体的数値をあらかじめ固定的に設定することは、現在の流動的な情勢下においては慎重を要することであります。しかし、臨調答申におきましても、税負担はできるだけ安定性を持たせる、そして社会保障負担というものは受益と負担との関係を見て弾力性を持たせる、こういう臨調の考え方があると思っております。これらのことは今後参考になると思っておるのであります。
 国鉄共済年金の赤字の問題は、すでにいろいろ御答弁申し上げ、また、関係大臣から御答弁申し上げる予定でございます。
 年金制度全体のあり方の中で、給付水準を七割程度にしたらどうかという御質問でございますが、将来の年金の給付水準につきましては、世代間のバランスに配慮しつつ、関係審議会等の意見を参考として検討してまいります。
 年金制度の国庫負担につきましては、将来、全体系の再編成を検討する中で対処してまいりたいと考えております。
 残余の御質問は関係大臣から御答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1983-10-07

院: 参議院

会議名: 本会議