中曽根康弘の発言 (本会議)
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○国務大臣(中曽根康弘君) 中野議員にお答えを申し上げます。
まず第一は、いわゆる田中問題に関しての御質問でございます。
国会が空転しましたことは、まことに国民の皆様に申しわけなく思っておる次第でございますが、この政治倫理の問題もまた非常に重要であるとかねがね申しておるとおりでございます。私は、個人の問題とそれから政治家ないし政党という観点からとらえる問題とやはり差があると思っておるのであります。
私は田中議員とは昭和二十二年に同じく国会議員になりました同僚でございまして、自来三十六年にわたりまして、独立へあるいは日本の復興へ向かって協力をし合ってきた同僚議員であり、友人であります。そういう意味におきまして、一個人として、一友人として田中議員に会いまして、約一時間四十分にわたりまして時局の状況を互いに話し合い、これに対する収拾、所見等も述べ合い、そして私個人としてできる限りの助言をいたしたというのが真相でございます。しかし、これはあくまで個人、友人としての行為であります。
しかしながら、国会としてあるいは政党としてどうするかといいますれば、先ほど来申し上げましたように、政治倫理全般をとらえましてどのように政治を澄明清潔なものにしていくか、制度的にどうするか、また個々の議員がいかに自粛自戒する方法を講ずるかということがわれわれの課題になってくると、そう思っておる次第なのでございます。
特に、先般来申し上げますように、国会議員は憲法及び国会法等におきましてその身分が保障されておるわけでございます。これはやはり言論の自由、それから国会議員としての独立性というものを考えましてそのような特別の配慮がなされておるのでございます。その背景には少数者保護という面も強くあるわけでございます。多数党の横暴を排除するために三分の二というものが特に明記されておるわけでございます。そういう意味におきまして、二分の一の過半数で政治的にある決議案を通して、ある意味における強制力、影響力を持った形でやるということが結果的にどういうことになるかということを考えてみますと、にわかに賛成することができないのであります。やはりわれわれはこの少数者の保護、言論の自由の確保という問題は議会政治の生命体であると考えておりまして、われわれはそのような見地に立ちまして行動しておる次第なのでございます。
具体的な改革問題につきましては、先ほど申し上げましたように、新自由クラブとの間におきまして話し合いができまして、あれらの項目を誠実に実行してまいりたいと思っておる次第でございます。
次に、政局に関する問題でございますが、先ほど来申し上げますように、両院議長さんから御判断をいただきまして、私はこれを尊重しておるわけでございます。解散の期日を明示したということはございません。
ともかく、中曽根内閣は行革、減税等を中心にするこの全法案の成立にかけておるのでありまして、これは臨時国会をお願いするときから私が申し上げておるわけなのであります。この不退転の決意で全法律案、特に減税やら行革法案を成立させるという、この願いのもとに一切をかけて行動しておるわけでございまして、議長さんの御判断の中にもその点に関する保証があったように考えております。したがいまして、その後、国会審議の正常化の問題やら全法案の成立がどういうふうになるかという推移を見まして、この時局に関する私の判断も固めていきたいと、このように考えておるところでございます。
秦野発言につきましては、先ほど申し上げましたように、本人に以後注意と、本人も釈明してまいっておりまするので、御了承願いたいと思う次第でございます。
次に、行政改革、財政再建の基本的な考えをお尋ねいただきました。
行革と財政改革というものは車の両輪のごときものでございまして、新しい時代に対応して機動力のある、活力のある政府あるいは国民生活をつくっていくために、いまどうしても回避できない大きな仕事になっておるわけでございます。このような意味において、まず臨調答申を基本にして、その臨調答申のプリンシプルに沿って財政の改革あるいは経済展望というものが出てまいるわけでございます。経済展望はすでに出てまいりました。今度は財政改革の長期構想につきまして大蔵省に鋭意検討させておるところでございます。要するに、歳入歳出構造を全般的に見直して、そして次の時代にたえ得る活力ある政府をつくっていくということが中心ではないかと思いまして、そのように努力してまいりたいと思うところでございます。
この改革につきましては、時代の変化に即応した再編成によって行政の機能、役割りを適切なものに改めるという趣旨のもの、今回の国家行政組織法の改正や総務庁の設置法案がこういう性格でございます。行政の実質的な簡素化、効率化を目指すもの、これは府県単位機関の整理法案あるいは許認可事務、機関委任事務等の整理法案等がこれに当たります。
なお、具体的に人員等の削減問題につきましては、毎年度予算編成のときに現実的に千四百人とかあるいは千七百人とか、次第次第に実際の削減をふやしておりまして、所期の臨調答申でいただいた線に沿いまして、いま実際の人員の削減にかかっておるところでございます。
次に、国家行政組織法の問題でございますが、衆議院段階で御修正をいただきました点はわれわれもよくこれを心得まして、立法府と行政府との調和を適切に行うようにわれわれとしても努力してまいりたいと考えておるところでございます。
次に、総務庁設置問題でございますが、、これは先ほど来申し上げておりますように、人事、定員の管理、それから組織の管理、それから行政監察機能、それから特定事項における総合調整機能と、こういう面で一つの役所に統合いたしまして、そして行革の実を上げたいと思って努力しておるところなのでございます。
中央省庁の整理統廃合の問題でございますが、今回は総務庁設置法をお願いしておりますが、この国家行政組織法が成立いたしますれば、この法律の適用によりまして、八省庁において自己改革法案をいま用意、準備、検討しておるところでございます。たとえば運輸省は許認可官庁と言われておりますが、政策官庁に脱皮せよ、総合的な陸、海、空を通ずる政策官庁に脱皮する、そういう方向で運輸省の改革法案を準備、検討しておるところであり、八省庁において同じようにやっておるところでございまして、この法案の成立を待ちまして、そちらの方へ速やかに努力してまいりたいと思いますし、また中央省庁の統廃合は今後も引き続き検討してまいりたいと思っておるところでございます。
出先機関の整理合理化につきましても、臨調答申から御指示を受けまして、今回は府県単位機関の整理をやっておるところでございます。ブロック機関それから府県単位機関、府県単位機関の中には支所とか出張所とか事務所とかそういうものもございますが、これらも逐次行革の臨調答申の線に沿いまして整理統合をさらに進めてまいるつもりでおります。
機関委任事務につきましても、二年間に全体として少なくとも一割程度の整理合理化を進めよという第三次答申の線に沿いまして、いまそれを行っておるところでございます。なお、臨時行政改革推進審議会におきましても機関委任事務等の見直しをいまやっておりまして、われわれは次に引き続いて機関委任事務の整理について邁進してまいりたいと思っておるところでございます。
専売公社の経営改革の問題は、専売公社につきましては要するに企業性とそれから労働三権の問題等がございます。そのほかにたばこの小売人あるいはたばこの耕作者の問題というのもございまして、それらを全部よくにらみながら、十一月一日開催の政府・自由民主党の行政改革推進本部常任幹事会におきまして自民党の橋本行財政調査会長から示された案をもとに、今後政府において具体的作業を進めようということで決定いたしました。公社改革の基本方針といたしましては、葉たばこの耕作者あるいは小売人の立場を十分尊重し、配慮を加えながら、企業性と労働三権の問題を調整しようという考えで案をつくって、次期国会に提出すべく努力しておるところでございます。
電電公社につきましても、同じようなラインで努力しておるところでございます。
最後に、行革を推進する上に政治に対する信頼感が大事であるという御指摘は、まことにごもっともな御指摘であると思います。われわれもただいまの御指摘を身に体しまして、誠心誠意努力してまいりたいと思うところでございます。(拍手)
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