安武洋子の発言 (本会議)

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○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、行革関連六法案に関し総理に対して質問をいたします。
 最初に、中曽根内閣、自民党が、田中議員辞職勧告決議案の棚上げと一連の悪法の成立を図るために、単独強行採決、単独会期延長のファッショ的暴挙を相次いで行ったことに対し、厳しく抗議をいたします。また本院でも、わが党は早くからロッキード事件に係る政治的道義的責任究明に関する決議案を提出しており、本日の本会議で委員会審査省略動議を議題とした上、これを上程するよう強く主張したにもかかわらず、他党の合意を得られなかったことはきわめて遺憾であります。
 言うまでもなく、行革の原点は汚職、腐敗政治の根を絶ち、清潔な政治を実現することであります。そのためにいま何よりも優先すべきは、田中元総理の議員辞職と政界からの引退を図ることであります。ところが、総理や自民党はさまざまの口実を設け、徹頭徹尾田中元総理を擁護し、田中戦略に沿って、解散までそれに利用しようとしているのであります。
 そこで、まず総理に伺いますが、総理はわが党の宮本議長の質問に対し、ロッキード事件の政治的、道義的責任の有無を調査することが国会の役割りであると明確にした七六年四月二十一日の衆参両院議長裁定を尊重すると答弁されました。だとすれば、議長裁定に基づいて田中元総理に対する議員辞職勧告を採決することは、国会として当然の責務ではありませんか。それとも総理は、田中元総理には一切の政治的、道義的責任はないとでも言い張るのでしょうか。中曽根内閣、自民党が田中議員辞職勧告に反対し、田中擁護を図り続けることは、田中元総理の言葉をかりれば、総理は帽子にすぎず、中曽根内閣、自民党は、田中元総理と田中軍団の数の論理によって強力に支配されていることを自認するものとみなされても仕方がないのではありませんか。明確な答弁を求めます。
 先般、総理は田中元総理と会談し、田中元総理に惻隠の情を示し、その経過を報告した総務会では涙まで流されました。しかし結果は、田中元総理の居直りを確認しただけなのに、それでけじめがついたとし、悪法の採決が強行されました。そこでお伺いをいたします。
 一つ、何ゆえに一国の総理が刑事被告人である田中元総理とわざわざ時局諸問題について懇談をする必要があったのですか。
 二つ、時局諸問題というと、解散問題についても話し合ったのですか。
 三つ、友人として助言したと言っておられるが、何の問題で何の助言をしたのですか。
 四つ、この会談でけじめがついたとしておられるが、何にどんなけじめがついたのですか。
 以上四点について総理の明確な答弁を求めます。
 さらに許しがたいのは、秦野法務大臣の暴言であります。政治家に徳目を求めるのは八百屋で魚を求めるようなものなどと汚職政治を当然視する暴言は、みずから法務大臣の資格のないことを明白にしたものであり、全国会議員に対する重大な侮辱でもあります。総理に対し即刻罷免するよう強く要求いたしますが、明快な答弁を求めます。
 総理は、行革は国民的な支持を受けていると強弁されています。しかしその中身は、軍拡と大企業奉仕を優先する一方で、福祉、教育、中小企業、農業など国民生活のあらゆる分野への犠牲の押しつけになっております。だからこそNHKの調査でも、国民生活へのしわ寄せが目立っているという声が圧倒的になっております。健康保険法の大改悪や私学助成の大幅切り下げなど国民生活破壊の方針を撤回するとともに、四十人学級の凍結などを決めたさきの行革一括法を直ちに廃止するなど、国民生活擁護の方向に転換することこそが国民の声にこたえる道ではありませんか。答弁を求めます。
 臨調行革は、増税なき財政再建を一枚看板としてきました。ところが、政府税調の新中期答申を貫くものは、増税なきどころか、まさに増税への異常な熱意であります。現に政府の減税なるものが酒税、物品税など間接税増税と抱き合わせのものであり、最低税率の引き上げも含め、圧倒的な国民にとっては減税どころか税負担の増大をもたらすものであります。
 総理、答申は、国民が最も知りたい租税負担率をどうするか、これについて肝心の数字を押し隠しておりますが、一体どの程度引き上げるおつもりですか、お伺いをいたします。
 次に、国家行政組織法関係二法案は、行政組織の改編に対する国会のコントロールを骨抜きにしようとする、憲法原則と議会制民主主義を真っ向から踏みにじるものでございます。
 現行法が部局の設置を法律事項としてきたのは、当時の本院決算委員長が本会議報告で、「従来の旧憲法の官制大権のごとき思想をさらりと捨てまして、すべては国民の代表たる国会におきましてこれを決定すべしとする国会至上主義の実現であります。我々憲法を最も合理的に運用せんとする考えを持つ者にとりまして、これは重大原則の確立であります。」と述べているところでも明白であります。今回の二法案は、この重大原則を突き崩そうとするものではありませんか。この点でも議会制民主主義に対する根本姿勢が問われているのであります。総理の明快な答弁を求めます。
 総理、さきの日米首脳会談で、レーガン大統領によれば、総理はアメリカの要請にこたえて軍事分担についての重要分担を約束したと言われております。総理は一体どのような軍事分担を約束されたのか、その内容を具体的に明らかにしていただきたい。答弁を求めます。
 行革の名のもとに、国民生活の全分野にわたる犠牲を求めているそのときに、日米運命共同体路線に基づいて重要な軍事分担を約束し、さらに軍拡を進めようとする、これこそが中曽根行政改革の実態であります。いま、軍事費を削って福祉、医療、教育に回せ、この声は日米欧九カ国の世論調査の結果によってもすべての国で過半数を占め、文字どおり国際的潮流となっているのであります。軍縮こそが真の行政改革ではありませんか。
 わが党は、軍拡と国民生活犠牲の中曽根行革に反対し、汚職、腐敗を一掃して真の行政改革を推進するために全力を挙げて闘うことを表明し、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 110015254X00819831118_025

発言者: 安武洋子

speaker_id: 16651

日付: 1983-11-18

院: 参議院

会議名: 本会議