中曽根康弘の発言 (本会議)

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○国務大臣(中曽根康弘君) 安武議員にお答えをいたします。
 まず、政治倫理の問題でございますが、先ほど来申し上げましたように、政治倫理は政治家にとりましてもあるいは政党各派にとりましても非常に重要な問題であると心得ております。したがいまして、組織といたしまして、党といたしまして、あるいは政治家といたしまして具体的にどういうふうに政治倫理を進めるかという点につきまして、先ほど来申し上げましたように、私は党総裁として党に対して六項目にわたる考えを示し、その検討も依頼してきたところでございます。そして昨日、新自由クラブとの間におきまして話し合いが成立いたしまして、あの項目を実現することに努力してまいるつもりでございます。
 私は、個人の問題はなかなかむずかしい憲法あるいは国会法上の問題もございまして、意見の対立するところもあると思いますが、いまのような制度の改革とかあるいは議院全体として行う問題等につきましては、ただいま本院におきましても協議会が成立する由でございますが、ここでいろいろお示しいただいたことをわれわれはこれを検討の上守っていく、それを実行していく、これが政治倫理実現の具体的方法ではないかと考えておりまして、そのようにいたしたいと思うところでございます。
 私らが一番心配しておるのは、戦前の齋藤隆夫先生を除名したような、あのような過ちを再び国会が繰り返してはならない、少数者やあるいは言論の自由を傷つけることがあってはならない、これが最大の関心事であり、われわれの責任である、このように申し上げる次第なのでございます。
 次に、総理は帽子かという御質問でございますが、私は、内閣首班と言われておるので、帽子ではなくて首じゃないかと思います。つまり頭と顔ではないかと、そう思っております。
 次に、田中・中曽根会談におきましてどんな話をしたかということでございますが、これは友人といたしまして、先ほど申し上げましたようにいろいろ時局の問題を話し、かつまた政治倫理の問題も話しまして、友人としての助言をいたした次第でございます。解散問題などはもちろん話してはおりません。
 次に、秦野法相の問題でございますが、私は、あの表現が必ずも適切でない、したがいまして、以後注意すべしと言いまして秦野法相に注意を与えました。秦野法相からは私に対しまして釈明がございました。これで御了承を願いたいと思う次第でございます。
 次に、健康保険法の問題でございますが、医療保険制度の問題は、臨調答申等にも指摘されておるとおり、行政改革の重要な課題の一つであると思っております。中長期の観点に立ちまして、安定的にこの制度を維持できるように、医療費と負担能力の動向等に対応して給付と負担の両面にわたってバランスをとるように、そして永続的にこの制度を進めることができるように適切な改革をするときに来たと、そういう意味におきまして検討してまいりたいと思っておるところでございます。
 次に、行革の基本について、国民生活擁護に欠けるのではないかという御質問でございますが、そういうことはございません。やはり活力ある政府、国民生活を回復していくためにいまこのような改革をしなければならぬときに来ておるわけでございます。国民の皆様方にも御理解をいただいて推進してまいりたいと思いますが、幸いに土光さん等の御努力によりまして、行革に対する国民の皆さんの御理解は非常に深く進んでおると思っております。政府としては、この国民の皆さんの御意思を体しまして公平、公正な行革を進めていきたいと思っております。
 私学助成の問題とかあるいはそのほかの諸問題、四十人学級の問題であるとかいろいろな問題もございますが、これらはいずれも臨調答申を受けまして私たちが推進してきた政策でございまして、御理解をいただきたいと思う次第なのでございます。
 次に、税調の問題についてお話がございました。
 今回の中期答申は、財政改革を進めるに当たっては、まず徹底した経費の節減合理化による歳出の抑制に努むべきであり、その際に、制度、施策の基本にまで立ち至った歳出構造の抜本的な見直しが要請されるとしております。また他面、歳入面につきましては、社会経済情勢の変化に対応して絶えず見直しを行い、税制をより公平かつ経済に中立的なものにするように努力すべきである、こういう基本認識のもとに考えが打ち出された次第でございまして、多分に定性的な性格を持ちまして、定量的な性格はございません。われわれは増税なき財政再建の理念をあくまで堅持いたしまして、今後も努力してまいるつもりでございます。来年度予算の編成に当たりましても、原則として総合的に負担増をもたらさないような考え方に立って編成してまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、国家行政組織法の問題でございますが、これは昭和二十二年と今日とはもう大分変わっておりまして、議会民主制、議院内閣制も相当高度に成長し、各役所に対する議会の統制力、監視力というものも画期的に増大して充実してきておるわけでございます。しかも時代は非常に変化に富んだ時代で、行政の方も新しい時代に対応するように自己改革を機動的に適切にどんどんやっていかなければならぬときに来ておるわけでございます。そういう意味から国家行政組織法の改正をお願いいたしました次第で、要するに自律的な対応能力をここで認めていただきたいという趣旨に基づくものでありまして、御理解をいただきたいと思う次第でございます。
 なお、レーガン大統領との話で、軍事分担について重要な分担を約束したのではないかというお話でございますが、そういうことはございません。これは記者会見に発表したとおりでございまして、これは鈴木・レーガン会談の声明、あの線に沿ってわれわれは今後も努力していくということを一貫して申し上げてきた次第であります。なお、先ほど来申し上げましたように、東京声明につきましてもいろいろ懇談をいたしまして、粘り強く相手方と交渉して、そして交渉のテーブルを離れない、中間的な段階案あるいは漸進案も辞すべきでない、そういうような点についてもレーガン大統領は共鳴していただきまして、これを支持していただくということになったわけでありまして、この線をますますわれわれは堅持してまいりたいと思う次第でございます。(拍手)
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発言情報

speech_id: 110015254X00819831118_026

発言者: 中曽根康弘

speaker_id: 15356

日付: 1983-11-18

院: 参議院

会議名: 本会議