中曽根康弘の発言 (本会議)
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○国務大臣(中曽根康弘君) 伊藤議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、政治倫理の問題でございますが、先ほど来申し上げておりますように、政治倫理は政党としても政治家としてもきわめて重大な問題であり、大切にしなければならないと心得ております。したがいまして、新自由クラブとの間で合意を見ました諸項目につきまして、これを誠実に実現していきたいと考えております。このような現実的な、厳にわれわれ自体がみずからを拘束するという拘束性を持たせた自主的な改革をわれわれが自分で行っていくという形で制度的にも前進させていきたいと考えておる次第でございます。
官僚の選挙運動について御質問がございましたが、国家公務員はその地位のいかんを問わず、在職中その地位を利用して選挙運動をすることは厳に禁止されているところでございまして、いやしくも在職中の国家公務員が違法な選挙運動を行っているごとき疑惑を招くような行動は厳に慎むように厳しく指導してまいります。
次に、減税の問題でございますが、今回の減税の規模は、所得税、住民税を合わせて総額一兆二千百億円に上るものでございまして、所得税につきましては、年内にその一部を実施するために、昭和五十八年分の所得税の臨時特例等に関する法律案を、またこれに関した住民税につきまして、個人の住民税に係る地方税法の臨時特例に関する法律案をそれぞれ国会に提出して御審議をいただているところでございます。
減税につきましては財源が必要でございますが、大量の国債を出しておる現実下、厳しい財政事情のもとで、与野党の合意に沿いまして政府としては精いっぱいの努力を行った結果であると御理解いただきたいと思います。それと同時に、あくまで増税なき財政再建の理念を堅持いたしまして努力してまいりたいと思っております。
次に、国民負担の問題でございます。
臨調答申では、「今後、高齢化社会の進展等により、長期的には、租税負担と社会保障負担とを合わせた全体としての国民の負担率」について、先進諸国の例にもかんがみ、国民の負担率を「現在のヨーロッパ諸国の水準、約五〇%前後よりはかなり低位にとどめることが必要である。」こう指摘しておるのでございます。また「一九八〇年代経済社会の展望と指針」におきましても、同じように定性的な、望ましい方向として同様の趣旨が述べられておるところでございます。国民負担の問題は、あらかじめ数値を決めて固定的に設定することは現在の流動的な情勢から見まして必ずしも適切ではないと思いますが、この臨調答申等に示されました線に沿いまして努力してまいりたいと思っております。
次に、税調の中期答申を受けまして課税の強化をやるのではないかという御質問でございますが、税調の中期答申は、中長期的な観点から見た税制のあり方についての定性的な指針を示したものであり、直ちに来年度にどのような税法改正を行うかについて具体的に内容を示しているものではございません。来年度の問題につきましては、現在まだ具体的なことを申し上げる段階にはございません。
いずれにせよ、中期答申では課税ベースに触れておりますけれども、中長期的に見た将来の検討課題とされているものの、それをどのような形で具体化すべきかという点については触れられておりません。具体的なことは来年度以降の税制改正の審議にゆだねられることになると思いますが、税調の審議に予見を与えることは私としては差し控えたいと思いますが、課税ベースの広い間接税につきましては、従来から政府が明らかにしておりますとおり、これを念頭に置くことなく対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
残余の御答弁は関係閣僚から答弁することにお願いいたします。(拍手)
〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕