安倍晋太郎の発言 (外務委員会)
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○安倍国務大臣 今回、サミットそれからスペイン、さらにジュネーブの訪問が終わりまして、モスクワを経由して東京に帰ったわけでありますが、特にソ連のアエロフロートでもってモスクワで一時休憩をとって東京へ帰った。これは、やはりソ連の要人とも会う意向を私が持っておるということもあったということでもありますし、ソ連側もその点は非常に評価をしたのじゃないかと思います。カピッツァ次官がわざわざ空港に出迎えまして、そして一時間の休憩でありましたが、二時間にわたりまして、飛行機がそれだけ延びたわけですが、二時間にわたりまして会談をいたしました。
まず、カピッツァ次官から、日ソ関係はいろいろと対立もしておるけれども、しかし対話も続いておる、そういう中でこれまでのスケジュールに沿って対話を続けておるし、そして国連総会ではグロムイコ外相がお目にかかるということで、喜んでお目にかかりたいということであった、それはお伝えするということでございました。私から、サミットの帰りであるし、サミットの状況も伝えました。ソ連として、ロンドン・サミットに対してどういうふうな評価をしているかも聞いたわけでありますが、この点に対しても大変厳しい評価でございました。特にアメリカと日本が一緒になって、そうして東西対立をあおっておる、こういうふうな発言もありましたから、そういうことはありません、この辺はお互いに議論になったわけでございます。また、カピッツァ次官から日本が領土問題をむしろ東西対立の具に供しておるというような発言もございましたので、これははっきり反駁をしておかなければいかぬと思いまして、そういうことは毛頭我々やっておらない、領土問題はあくまでも日本の問題そして日ソ間の問題として我々は腰を据えて取り組んでおるので、この問題を東西対立を激化させる具に供しようなどということは毛頭考えてないので、まさに日ソの問題として日ソ間で解決すべき課題であるということで真剣に腰を据えて取り組んでおるところだということも強調したような次第でございますが、いずれにしても今の東西関係、特に米ソ関係が大変厳しい状況にあるということはお互いに会談をしてみて非常に強く感じたわけでございますが、しかしそういう中でソ連もこのままの状況で放置しておくべきでもない。特に日ソ関係については、一面においては日本に対する非常に厳しい批判を行うとともに、日ソ関係について対話を進めなければならぬという点についてはソ連側も十分認識しておる、こういうふうな感じを私は強く持ちました。
ですから、会談の内容は相当激しいやりとりにもなりましたけれども、その底を流れるものは日本だけでなくソ連も対話を進めよう、特に日ソ間の対話はこれを進めていこうという気配といいますかそういう空気が十分私は感得をされたような気がいたします。したがって、今後厳しい環境にはありますが、それだけに私の得た感触をもとにいたしましてこれから中東情勢の協議も行うということも確認し合いましたし、あるいはまた国連問題についても協議をする、あるいは文化関係の交流も、映画祭その他の交流もこれを行っていくということを確認をし合ったわけでございますし、さらに国連総会ではグロムイコ外相とも会うことを確認し合ったわけでございますから、そうしたこれからの対話を具体的にこなしていって、そして日ソ関係の一つの改善という道を講じ、さらにこれが東西関係の改善への一つの道にも貢献をすることになれば幸いである。そのためにもひとつこれからも努力をしてまいのたい、こういうふうに考えております。