外務委員会

1984-06-20 衆議院 全196発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和五十九年六月二十日(水曜日)
    午前十時三十分開議
出席委員
  委員長 中島源太郎君
   理事 石川 要三君 理事 野上  徹君
   理事 山下 元利君 理事 高沢 寅男君
   理事 土井たか子君 理事 古川 雅司君
   理事 河村  勝君
      鍵田忠三郎君    仲村 正治君
      西山敬次郎君    野中 広務君
      町村 信孝君    岡田 春夫君
      河上 民雄君    小林  進君
      玉城 栄一君    渡部 一郎君
      木下敬之助君    岡崎万寿秀君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 安倍晋太郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房審
        議官      山下新太郎君
        外務大臣官房領
        事移住部長   谷田 正躬君
        外務省アジア局
        長       橋本  恕君
        外務省北米局長 北村  汎君
        外務省中南米局
        長       堂ノ脇光朗君
        外務省欧亜局長 西山 健彦君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   波多野敬雄君
        外務省経済局次
        長       恩田  宗君
        外務省経済協力
        局長      柳  健一君
        外務省条約局長 小和田 恒君
        外務省国際連合
        局長      山田 中正君
        食糧庁次長   山田 岸雄君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    中村 昭一君
        文部省初等中等
        教育局教科書検
        定課長     小埜寺直巳君
        外務委員会調査
        室長      高橋 文雄君
    —————————————
委員の異動
六月十六日
 辞任        補欠選任
  井上 普方君    湯山  勇君
同日
 委員湯山勇君が死去された。
    —————————————
六月十五日
 核巡航ミサイル・トマホークの米太平洋艦隊艦
 船への配備、日本寄港反対等に関する請願(浦
 井洋君紹介)(第六六三三号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第六六三四号)
 同(工藤晃君紹介)(第六六三五号)
 同(中島武敏君紹介)(第六六三六号)
 同(中林佳子君紹介)(第六六三七号)
 同(不破哲三君紹介)(第六六三八号)
 同(藤木洋子君紹介)(第六六三九号)
 同(松本善明君紹介)(第六六四〇号)
 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関す
 る条約の早期批准等に関する請願(河上民雄君
 紹介)(第六六四一号)同月十九日
 核巡航ミサイル・トマホークの米太平洋艦隊艦
 船への配備、日本寄港反対等に関する請願(梅
 田勝君紹介)(第六七一一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第六七一二号)
 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関す
 る条約の早期批准等に関する請願(河上民雄君
 紹介)(第六七一三号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国際情勢に関する件
     ————◇—————
この発言だけを見る →
中島源太郎#1
○中島委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣安倍晋太郎君。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#2
○安倍国務大臣  私は、今般国会のお許しを得て、六月六日から十三日まで英国、スペイン、ジュネーブを訪問いたしました。私は、その間、英国においては七日から九日までロンドンで開催された第十回主要国首脳会議に出席し、その後、スペインを公式訪問し、さらに、スイス・ジュネーブで開催された軍縮会議等に出席した後、十四日に帰国いたしました。ここにその概要を御報告申し上げます。
 まず、サミットにつき御報告申し上げます。
 今次サミットは、回復基調にある先進国経済を背景に開かれ、全体としては特に大きな争点もなく、明るいサミットであったと言うことができます。しかし他方においては、自由貿易体制の維持強化、累積債務問題、構造調整問題等現在の世界が直面している種々の重要な経済問題を検討するとともに、国際政治の面においても湾岸情勢、東西関係等の諸問題につき、真剣に討議いたしました。その結果は、四つの宣言及び一つの議長声明として発表されましたが、これらには我が国の考えが十分反映されているものと考えております。
 経済問題につきましては、我が国としては先進国経済におけるインフレなき景気回復を持続していくとともにその恩恵を開発途上国にも均てんさせることでサミット参加国間で合意に至ることを基本的な目標としつつ、また、貿易・開発途上国との関係及び構造調整問題に重点を置きつつ積極的に討議に参加いたしました。その結果、今後の政策の基本的方向につき意見の一致を見るに至り、世界経済の将来に一層明るい展望を開くという大きな成果を上げることができたと確信しております。具体的な諸点はロンドン経済宣言に盛られておりますが、我が国から見たその主なる内容は次のとおりであります。
 まず、新ラウンドの重要性及び必要性を再確認するとともに、速やかにその目的、取り組み方及び開始時期につき決定を行うべくガット加盟国と協議を行うとの方針が打ち出されました。我が国は八五年準備、八六年交渉開始を主張したわけでありますが、一部諸国の同意を得るに至りませんでした。我が国としては、時期の明示を行い得なかったことは残念でありますが、最高首脳レベルにおける今回の合意は、ガット作業計画を促進するための刺激剤となるとともに、新ラウンドの今後の取り進め方につき一歩前進したことを意味するものと考えております。
 第二に、開発途上国との関係を善意と協力の精神で促進していくとの政治的意思を再確認するとともに、累積債務問題に積極的に取り組むとの共通の姿勢を表明いたしました。特に、効果的な自助努力を行っている債務国の場合には、民間債務の多年度繰り延べを奨励するなど若干の具体的措置につき合意に至った点が重要であります。また、国際的高金利の是正が開発途上国経済の健全化に必要であるとの認識で一致しました。
 第三に、中長期の観点から構造調整の問題に積極的に取り組むことで合意を見ました。すなわち、労働市場の硬直性、構造的な財政赤字を是正すべきこと、経済の変化に対応した産業とサービスの発展を図るべきことなどが合意されましたが、これは、今後の世界経済にとって画期的な出来事であると考えます。
 我が国は、他の諸国、特に欧州に比較して経済構造が弾力的であるとしばしば指摘されているところでありますが、サミットの場においても、他の諸国よりこの点につき多々言及されたことは私としても印象深いところであります。
 次に、政治問題につき御報告いたします。
 サミットは本来、経済問題についての意見交換の場であります。しかしながら、従来より、主要先進国の首脳が一堂に会するこの機会をとらえ、そのときどきの重要な政治問題が討議されてまいりました。
 今次サミットにおいては、政治問題の重要性が一段と高まった感があります。その討議の具体的な成果が、三つの宣言及び一つの議長声明として発表されました。
 すなわち、第一に、サミット参加国が共有する民主主義的価値を再確認し、また平和と対話の必要性を訴えた民主主義の諸価値に関する宣言、第二に、ソ連を机めその同盟諸国との対話拡大への決意とともに、現在中断している核軍備管理交渉の再開への希望を表明した東西関係と軍備管理に関する宣言、第三に、テロリズム防止のための一層緊密な国際協力をうたった国際テロリズムに関する宣言、さらに、イラン及びイラク両国に対して平和的解決を呼びかけたイラン・イラク紛争に関する議長声明であります。
 これら諸問題の討議に当たり、我が国としては、経済的繁栄の基礎として、平和が重要であること、なかんずく、理性に基づく対話と交渉による国際紛争解決の重要性を強調するとともに、冷却化した東西関係を改善するとの見地から、ソ連に対し、中断されている軍備管理交渉へ復帰するよう呼びかけるべき旨主張いたしました。さらに私としては、特にイラン・イラク紛争については、両国と友好関係にある我が国の立場にもかんがみ、これまでの我が国の外交努力を踏まえて積極的に発言いたしました。各国の出席者は、これに熱心に耳を傾けていましたが、平和のための環境づくりに貢献するとの我が国の意図を理解してくれたものと私は確信しております。また国際テロリズムについては、アジアにおいてもラングーン事件といった出来事があったことをも念頭に置きつつ、積極的に対応いたしました。
 次に、スペイン公式訪問につき御報告いたします。
 スペインにおいては、私はゴンザレス首相及びモラン外相と率直かつ有意義な会談を行いました。これら一連のスペイン政府首脳との会談において、ともに民主主義に立脚する両国の関係を一層緊密化させていくべきことで完全な意見の一致を見るとともに、現下の国際情勢につき意見交換を行いました。我が国外務大臣のスペイン訪問は十八年ぶりのものであり、両国関係にとって極めて有意義であるとともに、我が国の外交の幅を一層広げる上で重要な一歩となったものと確信いたします。
 第三に、ジュネーブ訪問につき御報告いたします。
 ジュネーブにおいては、軍縮会議の夏会期初日の冒頭、私が我が国外務大臣として初めて演説を行いました。唯一の多数国間軍縮交渉機関として活動してきている軍縮会議への私の出席は、我が国の軍縮に対する積極的姿勢をあらわすものとして、意義が深かったものであると考えております。私は、この演説の中で、世界の平和と繁栄をいかにして子孫に伝えていくかということが、現下の最も重大な課題であり、このためには何といっても米ソ両大国が率先して努力する責任があることを指摘するとともに、今こそ軍縮会議が具体的に行動すべきであると強く訴えました。特に、具体的分野としてソ連に対するINF、START交渉への復帰の呼びかけ、核実験禁止問題等に触れたことは御承知のとおりであります。
 また、ジュネーブではダンケル・ガット事務局長ほかガット関係者と意見交換を行いました。
 この会談で私より、サミットにおける貿易問題に関する議論に言及しつつ、我が国としては新ラウンドの準備促進を提唱していること及び当面現行のガット作業計画推進について時宜を得た決定を行い、情勢を前進させることが不可欠であること等を説明いたしました。今回の意見交換は、ガット主要関係者にとってロンドン・サミットに出席した閣僚との最初の出会いであり、新ラウンドへ向けてのコンセンサスづくりの先鞭をつけたものとして高く評価されるとともに、自由貿易体制の維持強化への我が国の熱意に対するガット関係者の理解を深めることができました。
 また、私は、ジュネーブで開催中の国連開発計画の会合に出席し、開発途上国問題への我が国の姿勢、国連開発計画諸基金への我が国の本年度の拠出誓約、人口問題の取り組み等につき演説いたしました。
 最後に、ジュネーブよりの帰途、私はモスクワに立ち寄り、カピッツァ外務次官と会談いたしました。この会談では、私よりサミットの模様を伝えるとともに、日ソ関係の対話の必要性を強調し、今後とも対話の輪をさらに広げたいと述べ、これに対し、カピッツァ次官も国連協議、中東協議、さらに国連総会の際における外相会談等に言及しつつ、今後とも日ソ両国間の接触を続けていきたい旨の希望を表明しました。また、ニューヨークにおける外相会談については、グロムイコ大臣よりの喜んでお会いしたい旨の言葉が伝達をされました。
 以上をもって私の御報告を終わりますが、今次歴訪を通じ、私としては我が国に対する関係諸国及び国際機関の期待の大きさと我が国の責任の重さを痛感するとともに、これらの期待にこたえるべく一層努力するとの決意を新たにした次第であります。
この発言だけを見る →
中島源太郎#3
○中島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
この発言だけを見る →
石川要三#4
○石川委員 今回安倍外務大臣には、サミット、そしてまた軍縮会議、さらには、ただいまお話がございましたようにモスクワ空港におけるソビエトの外務次官との会談、大変八面六臂の御活躍をされましたことにつきましては、個人といたしましても大変敬意を表するところでございます。
 そこで、これらの訪問と会議から二、三の点につきましてお尋ねをしたいと思います。
 まず第一には、ロンドン経済宣言でございます。サミットも今回で十回目ということでございまして、この十年間、世界経済の安定的な発展につきましてはそれなりの大きな寄与がなされてきたと私は思うわけでございます。しかし、今もお話がございましたように、経済というものをまず大きな種目といたしましてのサミットでございましたが、特に最近におきましてはいろいろな政治的な問題までも多く議論をされてきたということが顕著にうかがわれます。中には、サミットはそういう政治的ないろいろなことよりも経済が目的であるので、むしろ政治的な宣言等は好ましくないという御意見もあるようでありますが、しかし静かに考えてみますと、少なくとも今日の国際依存関係の中の世界経済というものは、自由と平和と繁栄というものは、これは表裏一体なものであります。平和のなきところに経済の繁栄もないし、また自由のなきところに経済の繁栄もない、こういうようなことから考えますと政治的な宣言というものも当然ではないか、こういうふうに思うわけでございます。しかし、それはそれといたしましても、やはりスタートは経済が目的であったことは事実であります。
 そこで、特にそういうことから考えまして最終的な段階でロンドン経済宣言というものが行われたわけでございますが、これにつきましてただ単に宣言で終わらせてはこれは何らの意味もないわけであります。この宣言に対して今後どのようにフォローしていくかというところに大きな価値があるわけでございます。そういうようなことを考えまして、このロンドン宣言というものをこれからどのように具体化し、フォローアップしていくのかということにつきまして、ただいまも若干触れられておりましたが、もう少し具体的な御意見をお聞かせいただければ幸いだ、かように思うわけであります。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#5
○安倍国務大臣 今次サミットでは現下の世界経済が直面する諸課題につきまして活発な議論が行われたわけでございまして、その結果、先進国経済のインフレなき景気回復の持続とその成果の開発途上国への均てんのための政策方向につきまして出席国が合意をしたわけで、具体的にはロンドン経済宣言として取りまとめられておりますが、特に節度のある財政金融政策の維持、また必要な場合の強化、構造問題の重要性、新ラウンドの必要性と速やかな準備開始への努力、累積債務問題を含め開発途上国との関係を善意と協力の精神で促進していく意思などを確認できたことは大きな意義があった、こういうふうに考えております。これらは、これからの世界経済で先進国が取り組んでいかなければならない一つの政策の基本方向、これを確認し合ったということであろうと思います。こうした宣言を通じまして現下の課題に対する力強い対応をしていく、そして世界経済の展望に一つの確信を持って臨んでいくことが我々の責任であると考えます。
 経済宣言で示された政策方向については、サミット参加国が実現に向けて努力を行っていくことはもちろんでありますが、我が国としては、我が国の国際的地位が一段と高まっていること及び我が国に課せられた責任が極めて重いことを十分に認識して、関係諸国との協力の上にその具体化に努めていく考えでございます。
 先ほどもお話がございましたように、サミットはエコノミックサミットということでやはり経済第一、石油ショック以来の世界経済の安定化を目指してこれまで十回にわたりまして行われてきたわけでありますが、この数年来政治問題もサミットで相当論議が行われるようになりまして、今回また宣言等が行われたわけでありますが、やはり世界の先進国の最高首脳が集まれば政治問題を避けて通るわけにはいかない、特に平和、軍縮といった問題等を避けて通るわけにはいかないということで政治問題も活発に論議されてまいりました。また、今後ともそういう方向でいく可能性もあると思うわけでございますが、経済については今申し上げましたような今の世界経済の上に立った論議と方向がはっきりと確認されたということは今回のサミットの意義が非常に大きかった、こういうふうに思っております。
この発言だけを見る →
石川要三#6
○石川委員 次に、イラン・イラク紛争の新局面について外相の所見を承りたいと思うわけであります。
 これにつきましては、先般国連事務総長の提案を受け入れまして、文民地区に対する相互不攻撃という点につきましては両国が合意されました。これは部分的とはいえ紛争の不拡大、拡大の歯どめの動きといたしましては大変評価すべきことではないか、こういうふうに思うわけであります。特にイラン、イラクの紛争解決には、対イラン、イラク外交を通じまして積極的に活躍されました我が国といたしましてはこの点につきましては非常に歓迎すべきことではないか、こういうふうに思うわけであります。さきのサミットにおきましても、政治的討議の中ではこのイラン、イラクの問題が最も重要な課題の一つであったというふうにも言われておりますし、またその会議の中で我が総理と外相が今までの積極的な姿勢を踏まえまして常にこの会議のリードをしておったということを聞きまして、私も心から敬意を表するわけでありますが、こういうような新しい文民地域に対する相互不攻撃の合意という一つの局面に対して、外務大臣としてどのようにこれを分析し、そしてまたこの新しい合意を今後どのように拡大していくか、そのフォローアップについてもお聞かせいただければありがたい、かように思います。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#7
○安倍国務大臣 今回のサミットでイラン・イラク情勢について活発な議論が行われまして、それぞれの国の立場で戦争の拡大防止に努力をしていくことがお互いに確認をされ、その結果として議長声明が出されて、国連事務総長に対する活動を期待する要請が行われたことは非常に時宜を得たものであると私は思っております。そうしたいろいろな背景もあって国連事務総長が活発に動きました。その結果、イラン、イラク両国間で民間区域に対する戦闘行為の停止が実現をいたしましたが、これは従来より我が国が両国に対して強く働きかけてきた点でもありまして、こうした動きを歓迎いたしております。当面、この民間区域相互不攻撃の実効性を確保していくことが肝要でありまして、我が国としても、今後本件に関しまして国連より何らかの協力要請がある場合には可能な限り協力したい、こういうふうに考えております。もちろん、これをもって一挙に戦闘が終息に向かう、こういうふうには思われませんが、今後の推移いかんによっては鎮静化の契機にもなり得るので一層の外交努力を払っていくことが今以上に大事である、こういうふうに考えております。
 我が国は、私がしばしば申し上げておりますが、調停とか仲介を行う立場にはございませんが、両国と政治対話のパイプを有する数少ない先進主要国でもあります。国際社会に対する我が国の責務として、今後とも同紛争の拡大防止、早期平和的解決の環境づくりに引き続いて努力をしていく考えでございます。現在、国連とも緊密な連絡をとっております。また、イラン、イラク両国とも、これまで我々が築き上げた政治のパイプを通じまして、密接な情報の交換等を行って、平和環境づくりに努力をしておる次第であります。
この発言だけを見る →
石川要三#8
○石川委員 安倍外相は、サミットが終わりましてからジュネーブに参りまして、我が国の外相として初めてジュネーブの軍縮会議に御出席をされまして、そこで演説をされたわけであります。こういうようなことは、我が国の軍縮に対する積極的な姿勢といたしまして歓迎をするわけであります。そして、その演説の中にもございましたように、軍縮会議における核実験禁止交渉というものが現在停滞状態でございます。それと同時に、また依然として、米ソ初め核兵器国は地下核実験というものを継続をしているのが、残念ながら現状でございます。
 こういうような状況にかんがみまして、技術的な検証能力を一つの目安として、まず大きな地下核実験を禁止をし、次いで順次、より小規模の核実験の禁止をする、これは最も現実的な道ではないか、かように私は評価するわけでございます。こういう観点からしても、安倍外務大臣の、いわゆる新しい提案というものは高く評価されてしかるべきではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、今回のこの大臣の提案に対しまして、一体各国はどのような反応を示されておるか。そしてまた、今後我が国としてもさらにどのようにこれをフォローアップしていくか、この二点についてお尋ねをいたします。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#9
○安倍国務大臣 今御指摘がございました提案につきましては、核実験全面禁止をめぐる議論の行き詰まりを打開すべく、より現実的と考えられる具体的な方向を外務大臣としての立場で示したという意味で各国とも注目をしておるものと考えております。幾つかの国からいろいろと好意的な反応も得ております。
 各国から得たとりあえずの反応としては、例えばイタリーは、本件提案を高く評価し、軍縮会議として真剣に検討されることを望む、こういうこと空言っております。また西ドイツは、本件提案は、西独の考えているアプローチと共通している、今後とも協力して取り組みたい。また米国は、CTBに関する考え方は米と若干異なる点があるが、にもかかわらず日本が米国の友邦として、常に同じ問題意識で軍縮問題に取り組んでおられることを改めて確認した、演説はすべてのポイントを網羅しており、感銘を受けた。また東側は、全体として、本件提案は非常に重大であるので、ソ連を含めて十分に検討の要がある、もう少し時間をかしてほしいということでございました。ソ連は、日本が作業文書等でフォローアップをするつもりか、重大な関心を持っておる、こういう反応を得ておるわけです。まだ演説後、余り時間が経過しておりませんので、さらに詳しい反応については今後把握することに努めてまいりたい。
 今後のフォローアップとしましては、各国の反応を見きわめた上で取り進めぶりを検討いたしたいと思います。そして、軍縮会議において早急に作業部会が設置をされまして、具体的な検討が開始されることとなるように努力してまいる考えてあります。
この発言だけを見る →
石川要三#10
○石川委員 サミット、軍縮会議等の重要な会議の後で、ソビエトのモスクワ空港にカピッツァ外務次官と会談をされたわけであります。この点につきましては、先ほど御報告の中にも触れられておりましたが、両者の会談の中で、今日の緊迫せる国際情勢、さらには日ソ二国間問題という点につきまして有益な会談が行われたようでございます。特にその中では、日ソの二国間で話し合いを続けていくことの重要性、それからさらに、国連で日ソ外相会談の開催が双方で確認をされたというふうなことが報告されておりますけれども、これはただ単に日ソの二国間だけの問題ではなく、西側にとりましても、緊張緩和への努力の一環として、これは大変評価すべきことではないか、かように私は思うわけであります。
 そこで、今お話がございました点につきましては、過日も報道されておりましたが、そのカピッツァ外務次官との会談の中で、ただ単に我々知る範囲では、文字だけで知るわけでありますが、その二人の会談のフィーリングの点につきましても、可能ならば、どんな二者会談の状況であったかというような点、そしてまた、その二国間で話し合いが重要であるということにつきまして、どのように今後スケジュールをなされているのかというような、今後のこの対話を進めていく具体的な方針、こういう点につきまして若干御報告をいただければありがたい、かように思います。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#11
○安倍国務大臣 今回、サミットそれからスペイン、さらにジュネーブの訪問が終わりまして、モスクワを経由して東京に帰ったわけでありますが、特にソ連のアエロフロートでもってモスクワで一時休憩をとって東京へ帰った。これは、やはりソ連の要人とも会う意向を私が持っておるということもあったということでもありますし、ソ連側もその点は非常に評価をしたのじゃないかと思います。カピッツァ次官がわざわざ空港に出迎えまして、そして一時間の休憩でありましたが、二時間にわたりまして、飛行機がそれだけ延びたわけですが、二時間にわたりまして会談をいたしました。
 まず、カピッツァ次官から、日ソ関係はいろいろと対立もしておるけれども、しかし対話も続いておる、そういう中でこれまでのスケジュールに沿って対話を続けておるし、そして国連総会ではグロムイコ外相がお目にかかるということで、喜んでお目にかかりたいということであった、それはお伝えするということでございました。私から、サミットの帰りであるし、サミットの状況も伝えました。ソ連として、ロンドン・サミットに対してどういうふうな評価をしているかも聞いたわけでありますが、この点に対しても大変厳しい評価でございました。特にアメリカと日本が一緒になって、そうして東西対立をあおっておる、こういうふうな発言もありましたから、そういうことはありません、この辺はお互いに議論になったわけでございます。また、カピッツァ次官から日本が領土問題をむしろ東西対立の具に供しておるというような発言もございましたので、これははっきり反駁をしておかなければいかぬと思いまして、そういうことは毛頭我々やっておらない、領土問題はあくまでも日本の問題そして日ソ間の問題として我々は腰を据えて取り組んでおるので、この問題を東西対立を激化させる具に供しようなどということは毛頭考えてないので、まさに日ソの問題として日ソ間で解決すべき課題であるということで真剣に腰を据えて取り組んでおるところだということも強調したような次第でございますが、いずれにしても今の東西関係、特に米ソ関係が大変厳しい状況にあるということはお互いに会談をしてみて非常に強く感じたわけでございますが、しかしそういう中でソ連もこのままの状況で放置しておくべきでもない。特に日ソ関係については、一面においては日本に対する非常に厳しい批判を行うとともに、日ソ関係について対話を進めなければならぬという点についてはソ連側も十分認識しておる、こういうふうな感じを私は強く持ちました。
 ですから、会談の内容は相当激しいやりとりにもなりましたけれども、その底を流れるものは日本だけでなくソ連も対話を進めよう、特に日ソ間の対話はこれを進めていこうという気配といいますかそういう空気が十分私は感得をされたような気がいたします。したがって、今後厳しい環境にはありますが、それだけに私の得た感触をもとにいたしましてこれから中東情勢の協議も行うということも確認し合いましたし、あるいはまた国連問題についても協議をする、あるいは文化関係の交流も、映画祭その他の交流もこれを行っていくということを確認をし合ったわけでございますし、さらに国連総会ではグロムイコ外相とも会うことを確認し合ったわけでございますから、そうしたこれからの対話を具体的にこなしていって、そして日ソ関係の一つの改善という道を講じ、さらにこれが東西関係の改善への一つの道にも貢献をすることになれば幸いである。そのためにもひとつこれからも努力をしてまいのたい、こういうふうに考えております。
この発言だけを見る →
石川要三#12
○石川委員 以上をもって終わります。
この発言だけを見る →
中島源太郎#13
○中島委員長 次に、高沢寅男君。
この発言だけを見る →
高沢寅男#14
○高沢委員 大臣、七月六日から韓国にいらっしゃるという御予定で大変御苦労さまでございます。韓国へ行かれる大臣のその外交日程の中で、全斗煥大統領の訪日の問題について何か固めてくるというようなことも報道では出されておりますが、最初にそのことについて一、二お尋ねしたいと思います。
 既に大臣も御承知かと思いますが、我が党といたしましては全斗煥大統領を日本へ今は招くべきではない、あるいはまた来るべきではない、こういうような態度を決めております。これは、一つは今の時期という問題と、それから全斗煥大統領その人の問題と両面の意味がありますが、せっかく今朝鮮半島の問題の平和的解決のための三者会談というものも提案され、それに対して三がいいか四がいいかとかいろいろなことが論議されているさなかに、そういうふうな平和解決のための話し合いがはっきりと軌道に乗るという状況の中ならばこれは受け入れることもあるかと私は思いますが、まだその問題は何らめどがついていない。こういう今のタイミング。それからまた、いずれ韓国の代表が日本へ来るとすれば当然かつての三十六年間日本が朝鮮を植民地支配をしたことのいわば我々の道義的な責任を含めての決着が図られるわけになりますが、そのときに全斗煥という人がそれに適切な人物であるかどうかという問題もあろうかと思うのです。そういう点において先ほども申し上げたような社会党の態度は決めておりますが、今度大臣がいらっしゃって全斗煥大統領の訪日の問題を固めてくるというようなことになるのかどうか、まずその辺の大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#15
○安倍国務大臣 私は国会のお許しを得まして七月六日から九日まで韓国を訪問いたしまして、全斗煥大統領、李源京外務部長官等と会談する予定であります。この訪韓の機会に、私としましては隣国である韓国との間の対話維持の一環として李長官等と日韓関係及び両国が共通に関心を有する国際情勢について意見を交換する考えですが、今の全斗煥大統領の訪日問題について果たしてどの程度まで話し合いをするかということについては何にもまだ話し合ってはおらないわけです。ただ、去年一月に中曽根総理が韓国を訪問いたしましたときに、中曽根総理から全斗煥大統領の訪日を招請したわけでございます。これに対しまして、全斗煥大統領も外交チャンネルを通じてこの点は検討して、自分としても訪日をする機会があればしたいんだ、こういうことでございました。日本としては、隣国の元首でございますし、そして日韓関係は非常によくなっておる、こういうことで中曽根総理が招待をした、そこで全斗煥大統領がお見えになるということになればこれは喜んでお迎えをしなければならない日本政府としては責任がございますし、日韓関係から見ればこれは当然のことでございます。そういう中で全斗煥大統領が訪日の希望を表明しておられることは事実でございます。ただ、具体的にどういう時期に訪日されるかということについては今外交チャンネルを通じて実は検討をいたしておるわけでございまして、まだはっきりした正確な時日は決まってないということですが、いろいろと報道されておるように全斗煥大統領の訪日の可能性というものは非常に高い、こういうふうに私も判断しておりますし、今回訪韓をする機会にそういう点についてもし話が出れば意見の交換をしてまいりたいと思います。そして、日本としても全斗煥大統領がお見えになるということになればそれに対応して歓迎体制というものをつくっていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。
この発言だけを見る →
高沢寅男#16
○高沢委員 今大臣の御説明がありましたが、これは新聞報道ですからあれですが、八月に今度は二階堂副総裁が韓国へ行かれる、しかもそれは全斗煥大統領の訪日の地ならしをするために行くんだ、これは報道でありますが、もしそういう報道がそのとおりであるとすれば、私は七月に外務大臣が行かれるということと重ねてみると大変何か屋上屋を重ねるような感じもするし、あるいはまずくすれば二元外交というようなことにもなりかねない、こんなような印象を、ぱっとあのニュースを見て思ったのですが、この点は大臣の御所見はいかがでしょうか。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#17
○安倍国務大臣 党と政府は別ですから、私が訪韓するのは、李源京外相が去年外務部長官になりまして初めて日本を訪問いたしまして、それに対する答礼という意味での、そしてまた毎年やっております定期外相会談、その一環として訪韓をするわけでございまして、二国間問題そして国際情勢等について会談するわけでございます。二階堂副総裁は、政府とは違った党の立場で訪問されるわけでございますし、ですから、その間に別に二元的な外交とかそういうことはあり得ないわけでございますし、私は、やはり党の幹部が韓国を訪問して、そして日韓の親善関係をより強化するということは大変結構なことではないか、こういうふうに思っております。
この発言だけを見る →
高沢寅男#18
○高沢委員 党とまた政府はそれぞれだ、こういうお話ですが、過去においても実際上そういう二元外交の実例が幾つもあったわけでありまして、この点はそういうふうな失態がないことを私としても期待したいと思いますし、同時に重ねて、全斗煥大統領の来日の問題については先ほど評価を申し上げましたが、私は、余り無理をされますとそういう中からかえって思わざる失態が出ることだって決してあり得ないことではないということも申し上げて、ひとつ十分慎重に大臣としては対応していただきたい、こう御要望いたしておきます。
 次に、トマホークの問題に移りたいと思うのでありますが、トマホークが、これは何か外見上核をつけたトマホークもそうでない非核のトマホークもまるっきり区別がつかないというふうに聞いているわけでありますが、これが横須賀なり佐世保なりヘアメリカの軍艦に装備されて入ってくるというときに、事前協議がないから核はないんだ、従来の自民党政府の立場でありますが、これからもその立場でずっといかれるのかどうか、まず大臣、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#19
○安倍国務大臣 トマホークは核、非核両用ある、私は見たことありませんけれども核、非核両用ある、こういうことでありますし、アメリカの説明によりますと通常兵器が非常に多い、こういうふうにも聞いておるわけでございますし、そしてこのトマホークが果たして積載されるかどうかということについては、アメリカがこれを行うわけでございますが、アメリカの軍事上の立場で行われるわけでありますが、しかし、日本への持ち込みということになりますと、これは核トマホークについては当然事前協議の対象になるわけですから、もし核つきのトマホークを持ち込もうということになれば事前協議なしには持ち込めない。これは日米安保条約、その関連規定においてはっきりしておるわけです。その場合に日本がノーと言うことはもう国会においても日本の立場は内外に明確にいたしておるわけでございます。アメリカも日米安保条約を守る、事前協議制はこれを遵守するということをはっきり言っておりますし、非核三原則を貫くという日本の立場も尊重するということを言っておるわけですから、アメリカが核つきのトマホークを持ち込むというふうなことはあり得ない、私どもはそういうふうに確信もいたしておるわけでございますし、日米安保条約に事前協議がある以上は我々日米間においてこれは厳に守られていく、それがまさに日米の信頼関係である、こういうふうに確信をいたしております。
この発言だけを見る →
高沢寅男#20
○高沢委員 実際上、アメリカが今いざ戦争の場合という想定はすべてソビエトを相手に考えているわけですから、トマホークは核と非核と両方あるといっても、普通火薬を装てんしたトマホークをアメリカがたくさんつくるなんということは私はあり得ないと思うのです。恐らくそのトマホークは大部分は核のトマホークだというふうに見るべきだと思いますが、これはまあ私の考えです。
 それはそれとして、入ってきたのが事前協議がないからあれは核ではない、こういう説明は果たして相手——いざやるときはソ連が相手だとアメリカは見ているわけですから、その相手のソ連は果たしてそう見るでしょうか。相手のソ連から見れば、横須賀へアメリカのトマホークが入っておる、佐世保へ入っておる、あれは核に違いない、ソビエトの方はみんなそう見るのじゃないかと私は思うのです。ですから、国連総会のときに外務大臣がグロムイコ外相とお会いになって、もしそういう話が出たら、あれは心配ないですよという説明ができますか。いかがでしょう。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#21
○安倍国務大臣 ソ連はいつも我々と話をするときは日本に核の持ち込みが行われているということを言っているわけでありまして、それに対して私は、とんでもない話だ、日本は非核三原則を遵守しておって、そういうことはあり得ない、こういうことを言っておるわけでございます。いずれにいたしましても、今の日米の信頼関係、そして安保条約、事前協議制、そういうものが厳として存在しておる限りは核の持ち込みということはあり得ない、こういうふうに我々としては確信をいたしております。それがまさに日米の信頼関係そのものである、こういうふうに思うわけです。
この発言だけを見る →
高沢寅男#22
○高沢委員 日米の信頼関係、その信頼関係の相手が事前協議をしないのだから大丈夫だというこのお経は何度も聞きましたからもう結構でございます。
 それで、今言いましたその話し合いの中で、こういうわけだから心配ないというふうに外務大臣は例えばグロムイコ外相に言われるかもしれませんが、しかし実際上の相手の見方は恐らくこれはすべて核だ、こういう前提で対応するという態度に相手はなっているだろうと思うのです。ですから、話をしているうちはそれで済むかもしれませんが、本当にいざ万一という事態のときに、相手がそういう前提で見ているということは、いざというときは間髪を入れず我々に向かって核兵器が飛んでくるということにやっぱりなるのですよ。そういうことを考えたときには、そうなってはいかぬというための非核三原則であるわけですから、したがって、この非核三原則の持ち込ませずという原理原則は、ただ相手が言ってこないから大丈夫だというように済ませる問題ではなくて、本当に実態的に確認をするというようなやり方でこの非核三原則というものを運用する必要がある、私はこう思うのです。
 そうなってまいりますと、かねて事前協議はこちらからアメリカにかけるわけにはいかぬ、アメリカから日本に事前協議をかけてくれば初めて協議になるというふうなお話で来ているわけですが、私はやはり我が方から向こうに対して協議をかけるというような主体性をどこかでとらなければいかぬ、こう思いますよ。それを事前協議でとるべきだと我々は思うのですが、それがもしどうしても安保六条のそれではだめだとおっしゃるならば、せっかく安保四条には随時協議があります。この随時協議も安保の運用に関して随時協議する、こういうわけですから、この中で、この持ち込まれるトマホークが本当に核であるのかないのかの確認を求めるという協議を我が方からアメリカに向かって提起するということは当然あるべきだし、またそうなければいかぬ、こう思いますが、大臣いかがでしょうか。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#23
○安倍国務大臣 これは詳しいことはまた条約局長にでもお聞きいただきたいわけですが、私の解釈では、やはり核の持ち込みについては事前協議の対象になるわけですし、この事前協議制度というものが日米安保条約の中で非常に大きな部分を占めておる。この制度というものがちゃんとある以上はこの制度にのっとって日米安保条約というものは運用されなければならないと思うわけで、核の持ち込みは事前協議の対象ですから、その場合はこの事前協議制というものに基づいて運用されるべきである、こういうふうに思っておりますし、それは今お話がございましたように、やはりアメリカから話が来る、それに対して日本が答える、こういうことになる筋合いの制度でございます。随時協議というのは、制度としては四条にあるわけでございますが、しかし、今の事前協議制というものを飛び越えて随時協議でこの問題を取り扱うということはいかがなものだろうか、こういうふうに思いますし、事前協議制度というものであくまでもこれは対応すべきではないか、こういうふうに考えております。
この発言だけを見る →
高沢寅男#24
○高沢委員 そのお答えでは私は納得できませんね。その第四条の随時協議の方がむしろ私は運用の幅が非常に広い協議を規定しているのじゃないかと思いますよ。安保第六条の事前協議というのは、これは大臣も言われるとおり、日本の基地から米軍が極東へ出動する場合とか、核の持ち込みの場合とか、あるいは一個師団以上のそういう大きな単位のアメリカの部隊の配置がえであるとか、これは確かに対象は限定されております。けれども、随時協議の方は、この安保条約の運用に関して、言うならば何でも協議できる、協議の素材に何でものせられるという非常に幅の広いものだと私は思いますが、それならば、先ほど言いましたまさに日本の生死、安全に関するその問題で、こちらが主体的にできないんだという状態を一歩破って、主体的にこちらがアメリカに向かって提起するということをこの随時協議を使ってやったらどうだ、これを使っていけないという規定は全くないわけですから。どうでしょう。それでもってやるべきだと思うし、またできると思うのですが、どうでしょうか。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#25
○安倍国務大臣 これは条約の解釈の問題でもあろうと思いますが、私は、やはり事前協議制度というものがちゃんとありまして、そして核の持ち込みはその制度の対象になるわけですから、これはやはり事前協議制度で対応していくべきものである、こういうふうに思いますし、そうした事前協議制度の対象以外の問題について、それは随時協議という制度があるわけですから、それはそれなりに随時に協議が行われるという可能性もあると思いますけれども、少なくとも、事前協議制度の対象がはっきりしている以上は、それは事前協議制度にかかって対処されるべきものである、こういうふうに思います。
この発言だけを見る →
高沢寅男#26
○高沢委員 どうも私は、そこまで言っては失礼か知れませんが、日本の安全を本当に考える外務省の立場であれば、仮にアメリカが、それは事前協議だよと、仮に相手がこう言っても、いわんや随時協議だってあるじゃないか、この随時協議というもので我々は協議したいんだ、なぜかといえば我々の生死の問題だ、我々の安全の問題だというように、この条約の運用を、とにかく日本の主権的な権利、日本の主権的な主体性を広げる方向で運用を事実上どんどんつくっていくという立場が必要だと思いますが、こちらの方から、それではできないんだ、これしかできない。しかも、これしかできない方は、相手が言ってこなければ何ともならぬ。これは私は、本当に日本の平和と安全を考える立場の外務省あるいは外務大臣としてはまことに消極的だ、こう思うのです、思わざるを得ないのです。どうでしょう大臣、もう一回。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#27
○安倍国務大臣 これは考え方の差がもしれませんが、私は、まさに生死の問題だから、おっしゃるような生死の問題であるから事前協議制度で取り組んでいかなければならないことであろうと思いますし、そしてまた、事前協議制度にしてもあるいはまた随時協議制度にしても、これは日米のいわゆる約束事、安保条約ができたときの約束事でありまして、お互いの合意に基づいて成り立ったものでありますから、その合意に従ってやらざるを得ない、それが今私が申し上げましたような解釈であるしまた趣旨である、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →
高沢寅男#28
○高沢委員 きのう、衆議院の本会議で中曽根総理に対する質問が行われて、社会党では嶋崎政審会長が質問をいたしました。そして、このトマホークの問題について嶋崎政審会長がお尋ねをした、それに対する中曽根総理のお答えの中で、こういうふうなお答えがありました。国会等においてこのトマホークの問題の疑義をただせ、こういうふうな問題が出た場合は、外務大臣はアメリカ大使にこれを確認している、こういうふうに御報告しているとおりでございますというように、きのう、総理は答えておられるのです。これによれば、外務大臣がマンスフィールド大使にこの問題で確認をしておられるというふうなお答えであったわけですが、これの事実関係ですね、大臣は、マンスフィールド大使にトマホークの問題で何かお尋ねになる、確認をされるというようなことがあったかどうか。いかがでしようか。
この発言だけを見る →
安倍晋太郎#29
○安倍国務大臣 核持ち込みの問題について私がマンスフィールド大使と会っていろいろと確認を求めたのは、実は、去年はF16の三沢配備あるいはエンタープライズの寄港等、さらに北西太平洋地域において予定される米軍の活動との関連で核持ち込みへの懸念が国会等で表明されていることにかんがみ、将来の問題も含めて、マンスフィールド大使との間で事前協議制度についての確認、日米間の約束事についての確認を行った次第であります。
この発言だけを見る →
← 戻る